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ワルテルと天使たちと小説家

よいお年を!



 みなさん、よいお年を~!!
 年明けは4日から再開します!!

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  1. 2010/12/29(水) 09:00:00|
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夜明けを待ちながら



 父ちゃん、おしっこがしたくなって5時ちょっと過ぎに目が覚めちゃったんだって。廊下もトイレも寒くて、おしっこしたら眠気が完全に吹き飛んでたんだ。

「まだ真っ暗だけど、ワルテル、ソーラ、散歩に行こうか」

 それで6時過ぎにぼくら散歩に出たんだ。
 辺りはまだ真っ暗、父ちゃんの右手には米軍御用達の強力な懐中電灯。国道を時々大型トラックが通るぐらいで、人もワンコも車もいないんだ。
 気温はマイナス7度。北風びゅーびゅー。
 父ちゃん、寒いだろうに、でもなんか顔がにっかにかなんだ。
 なにがそんなに嬉しいのって訊いたらさ、

「綺麗な朝焼けが見れそうだなあ、ワルテル」

 って嬉しそうに言うんだよ。

 しばらくしたら、東の空がオレンジに染まりはじめたよ。空は明るくなっていくんだけど、地上はまだ真っ暗。

「うぉー、こりゃ写真撮るのめちゃムズだぞ。父ちゃんのカメラ、ストロボが壊れちゃってるしなあ。早く修理に出さなきゃ」

 父ちゃん、そう言ってぼやくんだけど、やっぱり顔はにっかにか。難しければ難しいほどやり甲斐を覚えるタイプなんだよね。
 いつものように、父ちゃんのにっかにかはぼくたちにも伝染するんだ。

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 だれもいない農地で30分ぐらい遊んでたのかな。そしたら、いよいよ東の森の上に太陽が顔を出しはじめたんだ。日の出だよ。夜明けだよ。暗かった地上がぱあっと明るくなって、草や木についた霜がきらきらと輝くんだ。

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「夜明けと共に新しい一日をはじめるなんて、最高だなあ、ワルテル」

 父ちゃんは言ったよ。まあ、実際はよくわからないんだけど、父ちゃんが嬉しいんならそれでOK。

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  1. 2010/12/28(火) 10:08:35|
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かぶってなんぼ



 軽井沢に季節外れの雨が降った翌日、外に出た父さんがのけぞったの。

 どしたの、父さん?

「ソーラ、見てみろ、浅間山が真っ白だぞ」

 軽井沢は雨だったけど、浅間山は雪が降り積もったらしいの。例年なら11月に一度、真っ白になるんだけど、今年はぜんぜんならなくって、やっぱり夏の異常気象は続いてるんだねえって、そんな感じだったの。

 冠雪した浅間山、とぉっても綺麗♪

 その日の夕方、早速浅間山がよく見える散歩コースに行って、白く輝く浅間山が夕日を浴びて次第に色を変えていくのを父さんとわたしとワルテルで眺めたの。

 やっぱり、高い山って冠雪してなんぼだと思うのー!

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  1. 2010/12/27(月) 09:00:00|
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The snow crazy



 ソーラが言ってたと思うけどさ、昨日の朝、起きたら外は銀世界!
 といっても積雪数センチだから昼過ぎには全部溶けて、夜はホワイト・クリスマスにならなかったんだけどね。

 でも!
 そんなのぼくたちには知ったことじゃないよ。朝の散歩、車から降りたらぼくのテンションはいきなりマックス!

 あちこち走り回って、疲れて喉が渇いたら雪食べて、ああ、これが最高の人生(犬生)ってやつだね。父ちゃんと母ちゃんが軽井沢に移住することを決心してくれて大感謝!!! 軽井沢にくるきっかけをつくってくれたマージにはさらにさらに大感謝!!
 これからも、マージの分もいっぱいいっぱい雪を楽しむからね!

 家に戻ってきてご飯食べたら、さすがにくたびれちゃって爆睡しちゃったよ。でも、いい夢見れたんだ!

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  1. 2010/12/25(土) 11:53:12|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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メリー・クリスマス



 朝起きたら、お外がうっすらとだけど雪に覆われてたの。
 写真の現像は間に合わないんだけど、久しぶりの雪の中で思いきり楽しく散歩してきたの♪ 写真は明日ね、なのー。

 最近のわたしたちはと言うと、ワルテルがあんまりしつこくしなくなってきて、わたし的にはかなり平穏な日々になって来てるの。
 帰ってきた当初は24時間どこでも背後霊だったけど、今は気が向いたら背後霊のワルテルなの。

 だから、お散歩の時もお座りしてお尻隠す必要がなくなって、いつでもどこでもるんるん♪ なの。

「無排卵のヒートだったからかな? ソーラ、いつものヒート後とは違って足取りも軽やかだな」

 そうかしら? 自分じゃよくわからないの。

 でもでも、ワルテルと一緒に原っぱ走ってると、父さんがとっても嬉しそうだから、いいの!

「いつまでもそうして仲良く、父ちゃんのそばにずっといてくれればいいのになあ」

 でもでも、走り終わって父さんのところに戻っていくと、時々父さん、しんみりすることがあるの。父さん、だめなの! わたしたちが欲しいのはしんみりじゃなくてにっかにかなのー。

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 せっかくのホワイト・クリスマス、父さん、ずっと笑っててなの!

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  1. 2010/12/24(金) 10:03:31|
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吹雪の爪痕



 あれっきり雪降らないなー。


  1. 2010/12/23(木) 11:23:56|
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祝福の日の出



 ソーラが軽井沢に戻ってきた翌日の朝、朝焼けを背景に二頭を撮ろうといつもより早く起き出した。
 しかし、空は陰影のない雲に覆われ、朝焼けは期待できそうにもない。しかし、せっかく早起きしたのだからと薄暗い中、散歩に出た。

 東の空の低い辺りの雲が薄くなり、なんとも中途半端な朝焼けが見えた。どうせならもっと燃え上がればいいのに。せっかくソーラが帰ってきたのに。久々のツーショットなのに。

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 その中途半端な朝焼けも、また雲が厚くなり、徐々に消えていく。
 まあ、こんな日もあるさ。今日のところは諦めて帰ろうか。二頭を促して帰途についたとき、いきなり世界が明るくなった。厚くなっていたはずの雲が薄れ、そこから太陽が顔を出したのだ。

 まるでわたしのぼやきを聞きつけた空が、仕方がないな、ちょっとだけ太陽を拝ましてやると言っているようだった。
 太陽が森の上に昇りきると、また雲が厚くなり、なにも見えなくなった。その間、一分あるかないか。

「ソーラ、太陽もお帰りって言ってくれたぞ」

 わたしはソーラの頭を撫で、ぼくもぼくもとせっついてくるワルテルの頭を撫で、そして今度こそ本当に帰途についた。
 素敵な朝だった。

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  1. 2010/12/22(水) 09:57:15|
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にやけ顔の男



「ソーラ、知ってるか?」

 父さん、なぁに?

「ソーラは鬱陶しいと思ってるだろうけどな、ワルテル、無茶苦茶嬉しいんだぞ、ソーラが帰ってきて」

 そう?

「うん。ソーラがいない時は子供みたいな顔になって甘えてきて、撫で撫でしてやると満足そうにするんだけどな、散歩に行くときはパトロール一辺倒でにこりともしないんだ。父ちゃんがカメラ置いて遊ぼうぜって誘っても、なに言ってるのぼくもう子供じゃないんだよ、みたいな顔するんだ」

 へえ。

「でも、ソーラが戻って来たら、いっつもいつも散歩に行く前から張り切ってるだろう?」

 そなのそなの、やかましいぐらいなの。それに、玄関でリードつけてもらうの待ってると必ずへこへこしようとするしー、困るのー。

「散歩に行って、ソーラのお尻の匂い嗅ごうとしたりへこへこしようとしたりしてないときも、ワルテルの顔、にっかにかなんだ」

 あ、それはわたしも気づいてたの。なにが楽しいのかずーっとにっかにかしっぱなしなの。

「へこへこしたいだけじゃなくて、ソーラが戻って来て、群れがみんな揃って、それで嬉しいんだと思うな」

 そかしら? そなのかしら?

「そうだと思うよ。だから、鬱陶しいの少し我慢してやれな」

 でもでも、ワルテル、無茶苦茶しつこいからやっぱり鬱陶しいのー(涙)。

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  1. 2010/12/21(火) 09:44:07|
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ワンコであること、娘であること



 今回の里帰りソーラ、犬舎の女の子たちみんなをまとめきっちゃうぐらいの勢いだったんだって。
 年上とかも関係なくって「とにかくここはわたしが仕切るのー!!」って感じでぶいぶい言わせてたらしいんだよ。

「ほんとにソーラはボス気質ですねえ」って犬舎の人も言ってたからね。

 でも、そんなソーラも我が家にいると、父ちゃんと母ちゃんの従順な娘でぼくの妹。ぼくがどれだけ背後霊しても、たまにしか怒らないよ。いつも困った顔してるだけ。

「犬舎にいるときのソーラはワンコとして正しく振る舞ってるんだ。うちにいるときのソーラは父ちゃんの娘として正しく振る舞ってるんだ」

 そう父ちゃんは言うんだ。
 そういえば、ぼくだって犬舎にいるときは看板犬としてお客さんに愛想振りまいちゃうもんね。仕事だと思ってるからさ。でも、家にいるとき、ううん、父ちゃんがそばにいるときはそんなことしないよ。知らない人に愛想振りまくなんてまっぴらごめんだね。
 父ちゃんが近くにいるときのぼくは、ワンコである前に父ちゃんの息子、父ちゃんの相棒なんだ。仕事なんてパトロールだけで充分。他のことする必要ないんだから。

「ワンコの飼い主は自分のワンコがワンコとして正しく振る舞ってるところ、永遠に見ることができないんだよなあ」

 父ちゃん、ちょっとだけ残念そうに言うんだ。
 ソーラ迎えに行ったときも、ソーラは犬舎の中から外に飛び出てきたときこそ、ぼくたちに気づかずに他の女の子追い回そうとしてたけど、父ちゃんが「ソーラ」って声かけた途端、催眠術がとけたっていうみたいにぱっと「父ちゃんの娘」に戻って、他のワンコのことなんか全然気にしなくなっちゃったもんね。

 群れの中にいるときとそうでないとき、ぼくたちほんとに違っちゃうんだ。

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  1. 2010/12/20(月) 09:53:30|
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背後霊



 最初はね、気がつかなかったの。犬舎の人が来て、ソーラ、外に出るよって言って、わたし、他のワンコたちと遊べるんだと思って勢いよく外に出て走り回ったの。
 そしたらそしたら!

「ソーラ」

 父さんの声が聞こえたの。わたし「クゥンクゥン」が止まらなくなって、父さんのところに全速力で走っていって、身体押しつけて、撫で撫でしてもらって、それでもそれでも「クゥンクゥン」が止まらなかったの。

 そしたら父さんが「ソーラ、久々にふたりだけでデートしに行こう」って言って、わたしと父さんだけで浜名湖の岸辺に行ったのー♪

 父さんはずっと優しい声で話しかけてくれて、意味わかんなくてもその声聞くだけで嬉しくて尻尾ぶんぶんになって、あー、なんて幸せなのかしらー。
 また家族みんなで暮らせるの。父さんのそばにずっといられるの!

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 だけどね、だけどねなの。

 軽井沢のお家に帰ってきたら母さんがこう言ったの。「ソーラ、うちに帰ってきたの嬉しくないの? どうしていつもひねこびた顔してるの?」

 だってだって背後霊がいるの。ただの背後霊じゃなくて、へこへこ好きの背後霊が四六時中わたしにまとわりついて離れないの。うざったくてしょーがないのー(号泣)。

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 ドッグランに行ってもへこへこできる女の子がいなくて、ワルテル、へこへこに飢えてるんですって。

「匂いが薄くなるまで我慢するしかないな、ソーラ」
 って父さんも諦め顔なの。なんとかしてなのー(涙)。








  1. 2010/12/19(日) 09:44:31|
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行ってきます!



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 これからソーラを迎えに行ってくるね。
 今週はブログの更新おやすみです。



  1. 2010/12/15(水) 09:00:24|
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夕焼けハンター



 雪が積もった日の夕方、ぼくと父ちゃんは車に乗って軽井沢から隣町の御代田近辺をぐーるぐる。
 午前中は曇ってたんだけど、午後から晴れてきて、「こりゃあ、今日の夕方は夕日が雪を照らして綺麗だぞ-」ってことで、撮影ポイントを探してたんだ。

 いつも行く農地はすぐ近くに小さな山々が連なってて夕焼けが綺麗に見えないんだよね。

 探し回ること30分。やっとよさげな場所を見つけたよ。もうお日様はだいぶ傾いてる。急がなくっちゃ!

 農道は雪がほとんど溶けちゃってるけど、畑に降り積もった雪は全然溶けてなくて、夕日を浴びて濃いオレンジ色に輝いてるんだ。日が落ちるにつれて、オレンジが紫に、紫が青に変わっていくんだよ。
 完全な農閑期に入っただだっ広い農地にはだれもいなくて、美しい夕方をぼくと父ちゃんだけで独り占め(ふたり占め?)。

 雪の中、思いきり駆け回りたかったけど、畑はだめって父ちゃんに言われて、走ったのはあぜ道のところだけ。それでも気分は最高によかったけどね!!

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  1. 2010/12/14(火) 09:23:02|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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高峰山から

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 雪山登山のトレーニングの一環として、高峰山に登ってきた。
 黒斑山登山道入口にある高峰高原ホテルの裏側にある標高差100メートルほどの小さな山だ。

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 積雪は5、60センチ。途中までは人が通った後があり順調だったが、山頂に近づくにつれ雪が深くなり苦労した。しかし、一時間ほどで山頂に到着。

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 山頂は大絶景ポイントだった。
 なんと素晴らしい山か。浅間山なら延々と4時間登らなければ見られない北アルプスが1時間の山登りで堪能できるのだ。

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 そして、南東に目を転じれば、雲海の上にぽっかり浮かぶ富士山。
 あまりの美しさ、神々しさに我を忘れてしまう。
 これを見たくて撮りたくて、いい年をして登山をはじめたのだ。

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 またも天候に恵まれた。普段の行いのおかげだろう(爆)。


 このエントリーの下に、いつものワルテルのエントリーがあります。







  1. 2010/12/13(月) 09:35:53|
  2. 登山
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もうすぐ!



 ソーラが帰ってくるぞ~、ソーラ、ソーラ、元気かな~♪

 先週末ぐらいから、父ちゃんでたらめな歌うたいっぱなし。頭のネジが一本外れちゃったんじゃないかっていうぐらい浮かれてるんだ。
 明後日、ソーラを迎えに行くからってことが最大の理由だけど、忙しすぎて変にテンションあがってるみたいでもあるんだ。
 頭がテンパってるって言うのかな?

 仕事山積みなのにソーラ迎えに行ったその足で東京に行かなきゃならないし、山にも登りに行きたいし、どんどん年末は近づいてくるし、もうどうにでもなれって心境らしいよ。

 天気予報は今日も明日も雨マーク。12月の軽井沢で雨だなんて!
 でも、17日は雪マークがついてるんだ。ソーラと一緒に軽井沢に戻ってくるのがその17日の夜。ソーラ、いきなり雪遊びを堪能できるかもね。
 雪女になってくれっていうぼくと父ちゃんの願いが通じたんだ!

 ソーラ、ソーラ、早く帰っておいでよ。雪の中で遊ぼうよ!!

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  1. 2010/12/13(月) 09:08:31|
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理想の写真



 犬が自然に溶け込んだ風景写真。
 それを撮りたくていつも苦心している。

 ワルテルたちのポートレイトではない。ただの風景写真でもない。そこに犬がいる風景写真だ。

 ステイをかけて撮る写真はわたしの気持ちの中ではポートレイトに分類される。カムとコマンドをかけて走らせるのも実は、困る。ブログに載せるために無理矢理撮っているようなものだ。

 ステイでも走らせるのでも、そこにはわたしという人間の意思が絡んでいる。わたしの意思に従おうとしているワルテルたちは、風景に溶け込んではいないのだ。どこか、不自然だ。

 だからわたしは朝早く起きて散歩に行く。朝の光が素敵だからということもあるが、なにより、早朝はだれもいない。人も犬もいないのだ。だから、ワルテルたちのリードを外し、好き勝手に動き回らせる。

 わたしはといえば、その間、コマンドはいっさい出さない。露出と構図を決めたら、ただただファインダーを覗き、その時が来るのを待つ。
 ワルテルやソーラが自分たちの意思でファインダーの中に入ってくるのを待つ。

 一度もシャッターを切らない――切れない日もままある。気持ちのいいぐらいシャッターチャンスが目まぐるしくやって来る日もある。

 数日前のある朝、朝焼けが東の空を染めていた。
 ワルテルのリードを外し、露出を決め、構図を決め、カメラを構える。
 ワルテルはわたしの気持ちなどおかまいなしにパトロールに興じている。
 朝焼けの時間は短い。今日もシャッターを切らずに終わるのかと思っていたら、ワルテルがファインダーの中に入ってきた。
 実に自然で、身体に無駄な力が入っていない。風景にしっかり溶け込んでいる。わたしのコマンドではなく、ワルテル自身の意思で動いているからだ。

 シャッターを切った瞬間、満足の吐息がこぼれた。

 撮りたいものが撮れると、その日は気分がいい。
 ワルテルを呼び、大袈裟に褒めてやる。
 ワルテルははじめ、きょとんとしているが、やがて派手に尻尾を振りはじめる。
  1. 2010/12/12(日) 09:00:00|
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男前



 飼い主の欲目を除いても、つくづく男前だと思う。ファインダーを覗いていてその端正な顔立ちに見とれることもしばしばある。

 六歳半。
 少しずつ衰えていく。それは間違いない。

 爺さんになっても格好良く撮ってやるからな。
 そう話しかけると、ぼく眠いんだけどと言わんばかりにそっぽを向いた。


  1. 2010/12/11(土) 09:52:31|
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光の中へ



 昨日の夜も雪降って積もって、でも、父ちゃん、今朝は離山に登ることになってたんだ。だから、朝の散歩は暗い中。ぼくは父ちゃんと思いきり遊んだけど暗すぎて写真は撮れなかったんだ。

 積もったのは7センチぐらいかな。多分、今日中にほとんどの雪が溶けちゃうって。ちぇっ!

 でもね、こないだの夕方の散歩の時、「温かい冬も悪いことばかりじゃないな」って言ったんだ。
 いつもの農道を散歩してたら、柔らかく温かい夕日が射し込んできたんだよ。ぼくはリード外しててもらって、パトロールの最中。

 真剣にパトロールしてるぼくが、柔らかい夕日の中でとても幸せそうで、仕事漬けでささくれ立ってた父ちゃんの心も柔らかくなっていくのを感じたんだってさ。
 寒さが厳しい冬の時はこういう柔らかくて温かい夕日には滅多にお目にかかれないんだって。

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  1. 2010/12/10(金) 11:42:38|
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シーズン初の!



 積雪!!
 もうね、前の日の夜から父ちゃんハイテンション。

「ワルテル、明日の朝は雪積もってるぞ、絶対だぞ。わくわくするな~」

 耳にたこができるぐらい同じことを繰り返すんだ。もちろん、そんな父ちゃんの気分が伝わってぼくもテンションあがりまくったよ。

 朝、父ちゃん、目覚ましが鳴る前に起きたんだ。まるで遠足に行く時の小学生みたい。寒い寒いって言いながら急いで着替えして支度して、車に降り積もった雪を落としてエンジンかけて、車が暖まったら千ヶ滝へゴー!!

 積雪は3センチぐらい。父ちゃんが予想してたより少なかったけど、それでもシーズン初の積雪であることに間違いはないんだ。

 ひゃっほー! って言いながら車から飛び降りたら、ぼくも父ちゃんも雪を思いきり楽しんだよ。

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 毎度のことだけど、雪があるだけでどうしてこんなに気分が違うんだろう? わけもなく楽しくってウキウキしちゃうんだよね~。
 気がついたら2時間も雪の中で遊んじゃって「やべー、仕事のこと忘れてた」って父ちゃん慌てて、大急ぎで家に戻ったんだ。

 まあ、この雪も昼の間に大半が溶けちゃったけど、いいさ、また降るもん。その時にまた思いきり楽しめばね!

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  1. 2010/12/09(木) 09:40:34|
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雪夜



 昨日の夜、シッコしに外に出たら雪が舞ってたんだ。
「明日の朝まで降ってくれたらけっこう積もりそうだな」って父ちゃんにっかにか。

 周りの別荘、もうだれもいないのわかってたからさ、ぼくと父ちゃん庭に出て、思いきり叫んで遊んだよ。

「ひゃっほー、雪だー!!」
 ってね。

 父ちゃん、ぼくのこと幼稚だ、幼い、子供だ子供ってよく言うけど、昨日の父ちゃんも幼稚だったよ。
 周りに人間がだれもいないと、大人の殻を破って子供が顔を出すみたいだねー。

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  1. 2010/12/08(水) 13:29:18|
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雪!



 夜の間に雪が降ったよ!
 たった3センチの積雪だけど、朝起きたら世界は真っ白!! ぼくと父ちゃん、うっきうきで散歩に行ってきたんだ。

 詳しいことは明日ね!

  1. 2010/12/08(水) 09:22:15|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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雪女?



「ソーラが帰ってくるまで雪は降らないかなあ……」

 父ちゃん、毎朝溜息つきながらおんなじこと言うんだ。もう12月に入って一週間になるのに雪の「ゆ」の字もないからね。
 一応、天気予報じゃ今週木曜日に雪マークがついてるんだけどさ……

「どうせ積もらないさ。積もってもすぐに溶けるんだ」

 って父ちゃん、まるで母ちゃんみたいに悲観的。
 でもしょうがないよね。朝の気温氷点下は毎日のことになってきてるけど、昼間の気温が高すぎるんだ。昨日なんか15度近くあったしね。これじゃ、夜から明け方にかけて雪が降ったとしても、あっという間に溶けちゃうよ。

 来週、みんなでソーラを迎えに行くことになってるんだ。
 ソーラが戻ってくるころには雪降るかな? 積もるかな? ソーラと一緒に雪遊びできるかな?

「父ちゃんとワルテルで、ソーラが雪女になってくれって頼もう。な? 心をこめて頼もう!」

 父ちゃん、かなりのマジ顔でそう言うんだよ(爆)。

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  1. 2010/12/07(火) 09:42:58|
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こわこわの夜



 雨が降っていた夜、ぼくはひとりで父ちゃんのベッドで寝てたんだ。
 だけど、なんだかこわこわになって目が覚めたよ。

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 いつの間にか雨がやんで、窓の向こうには星がきらめいてるんだ。
 気圧が急速に変化してるんだよ!

 中途半端に頭がいいって父ちゃんによく言われるんだけど、ぼくは雷がこわこわ。だから、気圧が変わると雷が来るってこともわかってるんだ。雷こわこわの病状が進行して、気圧変化こわこわにもなっちゃったんだ。
 人間は気圧の変化あまり感じ取れないらしいけど、ぼくたちにはちゃんとわかるんだよ。

 おまけに風までびゅーびゅー唸っちゃってるんだ。ぼくは強風もこわこわ。風そのものっていうより、風が立てる音が怖いんだ。

 どうしよう、どうしようってこわこわでベッドの上で震えてたら、父ちゃんが来てくれたんだ。

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 おかげで少し安心したよ。こわこわだけどねむねむにもなってきた。
 だけど、外で風がびゅーって吹くと、ねむねむが消えてこわこわだけになっちゃうんだ。

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「ワルテル、風がおまえにいたたなことしたことあるか? ないだろう? いたたがないってことは怖くないってことだ」

 喋りながら、父ちゃんがぼくの顔、優しく撫でてくれたよ。

「それにこの家には父ちゃんがいるじゃないか。父ちゃんはおまえのボスだぞ。ワルテルに愛してもらう代わりに、ボスはワルテルのこと養うんだ。養うってのはな、ご飯食べさせて、散歩に連れて行って、それから、守ってやることなんだぞ。わかるか?」

 よくわかんないけど、父ちゃんの声は子守歌みたいだよ。風びゅーびゅーの音も聞こえなくなっちゃった。父ちゃんが一緒に寝てくれるなら、こわこわなことなんにもないよね、そうだよね。

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 おやすみなさい、父ちゃん。




  1. 2010/12/06(月) 09:10:18|
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3週間前



 息を荒げながら急勾配を登り、苦しさに足を止め、ふと見上げると、鮮やかな青と赤。

 3週間前の光景。
 今はもう葉もすっかり落ち、雪も降らず、荒涼とした景色が連なっている。
 
  1. 2010/12/04(土) 09:34:29|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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汚名返上!



「ソーラがいない散歩はつまらないなあ。おっさんワルテル、パトロールするだけだもんな」

 我が家のおっさんに、おっさんって呼ばれちゃったよ!!



「ソーラがいたら、父ちゃんがカムって声かけたら一目散に走ってくるし、おっさんワルテルもそれにつられて走るけど、ソーラがいないと、おっさんワルテルのそのそ歩いてくるだけだもんなー」

 もうぼくも6歳だからね、無駄なエネルギー使いたくないんだよ。それに縄張りの確認は雄犬の大事な仕事なんだ。父ちゃん喜ばせるより、仕事の方が大切なんだからね。




「ふん。おやつ持ってる時は速攻で駆けてくるくせに。仕事よりおやつが大事か」

 そりゃ、おやつが一番だよ。決まってるじゃん!



「ああ、おっさんふたりの散歩、つまんねえなあ……」

 そうは言うけどね、父ちゃん、ぼくは父ちゃん母ちゃん公認の幼稚な性格なんだよ。ところ変わって気分も変われば、永遠の三歳児に戻って走り回るよ。気分が大事なんだ、うん、気分がね。


 というわけで、シャンプーが終わった後、超久々に北軽井沢の浅間牧場に行ったんだ。時刻は午後4時過ぎ。丘の上にはだれもいなかったよ。
 すっごく気分がよくて、思いきり駆け回ってきたんだ!!

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 もう「おっさんワルテル」なんて言わせないからね!!



  1. 2010/12/03(金) 09:00:00|
  2. Dog
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涙の師走



 12月に入った途端、父ちゃんの溜息が頻繁になったよ。
 GW、お盆、正月休みの前はいつものことだけど臨戦状態。いつもより締切が早まるし、やらなきゃならないこといっぱいあるし、大変なんだよねー。
 おまけに昨日は、来年の二月に出る予定の新刊のゲラが届いちゃったんだ。年内に目を通して編集者に返さなきゃならないんだって。
 父ちゃん、ゲラの束を仇を見るような目で睨んで「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」って意味不明な叫びを上げてたんだ。少し涙目になってたかも(爆)。

 そうそう、その新しい小説の話を少し。
 父ちゃんの世界観、人間観は普通の人とかなり変わってるんだけどさ、その原点はアニメの「フランダースの犬」なんだ。
 まだ子供だった父ちゃん、アニメを毎週見ながら、ネロとパトラッシュは最後には絶対に幸せになるんだって信じて疑わなかったんだって。
 でもでも、ネロもパトラッシュも不幸なまま死んじゃって、父ちゃん、大ショックを受けたらしいんだよ。現実の厳しさを幼少時に思い知らされたんだ。努力すれば夢は叶うなんていう言葉の薄っぺらさ加減を能に刻み込まれちゃったんだよ。
 父ちゃんが作家としてデビューしたころ、その話をいろんなところでしてたんだ。
 そしたら数年前、父ちゃんはいつも「アホアホ」って呼んでる編集者が「馳さんの『フランダースの犬』を書いてください」って言ったんだって。
 いつもは全部自分だけで決めるんだけど、編集者の言葉で小説を書く気になったのはそれが初めてなんだよ。

 犬は出て来ないよ。でも、父ちゃん版「フランダースの犬」なんだってさ。

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  1. 2010/12/02(木) 09:34:22|
  2. 未分類
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冬はいずこ?



 冬が来ないよ!
 雪も11月半ばに1回降ったきりだし、積もらなかったし、今日も12月だっていうのにぽかぽか日和。どうなってんの?

 週に一回ぐらい寒い朝があるんだ。マイナス5度ぐらいのね。ああ、これで本格的な冬が来るんだと思ったら、次の日には寒波が去っていって、またぽかぽか日和。その繰り返しだよ。
 浅間山も北側の斜面はすっかり雪で覆われてるけど、軽井沢から見える南側はてっぺんがちょっと白くなってるだけなんだ。

 浅間山の山小屋、火山館の主の神田さんも「今年は12月になっても登れそうですね」って言ってるんだって。雪がないんだからさ!!

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↑見てよ! この夕日の温かそうな色。父ちゃんもダウンジャケット着て散歩すると暑いからって、夏秋用のレインジャケット羽織るだけなんだ。手袋も帽子もなし。
 もう12月なんだよ。師走だよ!!

 ぼくと父ちゃん、毎日毎日空を見上げて「冬はまだかなー。雪はまだかなー」って呪文みたいに唱えてるんだ。
 冬ってば、いったいいつになったらやってくるつもりなんだよ?

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  1. 2010/12/01(水) 11:06:43|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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プロフィール

軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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