ワルテルと天使たちと小説家

涙の師走



 12月に入った途端、父ちゃんの溜息が頻繁になったよ。
 GW、お盆、正月休みの前はいつものことだけど臨戦状態。いつもより締切が早まるし、やらなきゃならないこといっぱいあるし、大変なんだよねー。
 おまけに昨日は、来年の二月に出る予定の新刊のゲラが届いちゃったんだ。年内に目を通して編集者に返さなきゃならないんだって。
 父ちゃん、ゲラの束を仇を見るような目で睨んで「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」って意味不明な叫びを上げてたんだ。少し涙目になってたかも(爆)。

 そうそう、その新しい小説の話を少し。
 父ちゃんの世界観、人間観は普通の人とかなり変わってるんだけどさ、その原点はアニメの「フランダースの犬」なんだ。
 まだ子供だった父ちゃん、アニメを毎週見ながら、ネロとパトラッシュは最後には絶対に幸せになるんだって信じて疑わなかったんだって。
 でもでも、ネロもパトラッシュも不幸なまま死んじゃって、父ちゃん、大ショックを受けたらしいんだよ。現実の厳しさを幼少時に思い知らされたんだ。努力すれば夢は叶うなんていう言葉の薄っぺらさ加減を能に刻み込まれちゃったんだよ。
 父ちゃんが作家としてデビューしたころ、その話をいろんなところでしてたんだ。
 そしたら数年前、父ちゃんはいつも「アホアホ」って呼んでる編集者が「馳さんの『フランダースの犬』を書いてください」って言ったんだって。
 いつもは全部自分だけで決めるんだけど、編集者の言葉で小説を書く気になったのはそれが初めてなんだよ。

 犬は出て来ないよ。でも、父ちゃん版「フランダースの犬」なんだってさ。

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  1. 2010/12/02(木) 09:34:22|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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 今は田舎暮らし。
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