ワルテルと天使たちと小説家

こわこわの夜



 雨が降っていた夜、ぼくはひとりで父ちゃんのベッドで寝てたんだ。
 だけど、なんだかこわこわになって目が覚めたよ。

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 いつの間にか雨がやんで、窓の向こうには星がきらめいてるんだ。
 気圧が急速に変化してるんだよ!

 中途半端に頭がいいって父ちゃんによく言われるんだけど、ぼくは雷がこわこわ。だから、気圧が変わると雷が来るってこともわかってるんだ。雷こわこわの病状が進行して、気圧変化こわこわにもなっちゃったんだ。
 人間は気圧の変化あまり感じ取れないらしいけど、ぼくたちにはちゃんとわかるんだよ。

 おまけに風までびゅーびゅー唸っちゃってるんだ。ぼくは強風もこわこわ。風そのものっていうより、風が立てる音が怖いんだ。

 どうしよう、どうしようってこわこわでベッドの上で震えてたら、父ちゃんが来てくれたんだ。

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 おかげで少し安心したよ。こわこわだけどねむねむにもなってきた。
 だけど、外で風がびゅーって吹くと、ねむねむが消えてこわこわだけになっちゃうんだ。

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「ワルテル、風がおまえにいたたなことしたことあるか? ないだろう? いたたがないってことは怖くないってことだ」

 喋りながら、父ちゃんがぼくの顔、優しく撫でてくれたよ。

「それにこの家には父ちゃんがいるじゃないか。父ちゃんはおまえのボスだぞ。ワルテルに愛してもらう代わりに、ボスはワルテルのこと養うんだ。養うってのはな、ご飯食べさせて、散歩に連れて行って、それから、守ってやることなんだぞ。わかるか?」

 よくわかんないけど、父ちゃんの声は子守歌みたいだよ。風びゅーびゅーの音も聞こえなくなっちゃった。父ちゃんが一緒に寝てくれるなら、こわこわなことなんにもないよね、そうだよね。

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 おやすみなさい、父ちゃん。




  1. 2010/12/06(月) 09:10:18|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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