ワルテルと天使たちと小説家

夜明けを待ちながら



 父ちゃん、おしっこがしたくなって5時ちょっと過ぎに目が覚めちゃったんだって。廊下もトイレも寒くて、おしっこしたら眠気が完全に吹き飛んでたんだ。

「まだ真っ暗だけど、ワルテル、ソーラ、散歩に行こうか」

 それで6時過ぎにぼくら散歩に出たんだ。
 辺りはまだ真っ暗、父ちゃんの右手には米軍御用達の強力な懐中電灯。国道を時々大型トラックが通るぐらいで、人もワンコも車もいないんだ。
 気温はマイナス7度。北風びゅーびゅー。
 父ちゃん、寒いだろうに、でもなんか顔がにっかにかなんだ。
 なにがそんなに嬉しいのって訊いたらさ、

「綺麗な朝焼けが見れそうだなあ、ワルテル」

 って嬉しそうに言うんだよ。

 しばらくしたら、東の空がオレンジに染まりはじめたよ。空は明るくなっていくんだけど、地上はまだ真っ暗。

「うぉー、こりゃ写真撮るのめちゃムズだぞ。父ちゃんのカメラ、ストロボが壊れちゃってるしなあ。早く修理に出さなきゃ」

 父ちゃん、そう言ってぼやくんだけど、やっぱり顔はにっかにか。難しければ難しいほどやり甲斐を覚えるタイプなんだよね。
 いつものように、父ちゃんのにっかにかはぼくたちにも伝染するんだ。

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 だれもいない農地で30分ぐらい遊んでたのかな。そしたら、いよいよ東の森の上に太陽が顔を出しはじめたんだ。日の出だよ。夜明けだよ。暗かった地上がぱあっと明るくなって、草や木についた霜がきらきらと輝くんだ。

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「夜明けと共に新しい一日をはじめるなんて、最高だなあ、ワルテル」

 父ちゃんは言ったよ。まあ、実際はよくわからないんだけど、父ちゃんが嬉しいんならそれでOK。

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  1. 2010/12/28(火) 10:08:35|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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