ワルテルと天使たちと小説家

お日様って凄い



 軽井沢は連日、最低気温マイナス10度以下。
 昨日の朝起きたら少しだけ雪が積もってたけど、あっという間に溶けちゃったの。雪はなくてもね、あんまり寒いから、地面も草木もみんな凍りついてるの。

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 完全防寒仕様で散歩に出かける父さんも、寒い、寒いって。雪が積もってたら気分も違ってこんなに寒く感じないのになー、なんて言ってるの。

 そうなの。確かに雪があった方が暖かく感じるのー。でも、雪がない世界はありとあらゆるものが凍りついてるって感じで気分的にも寒いの。

 でもね、でもね、そんなに寒い朝でもお日様が出てくるとすべてが一変するの。空が明るくなって、柔らかくて温かい光が降り注いできて、寒いけど、今日も一日いい日だねっていう気持ちになるの。

 父さんもね、朝日を浴びると、それまで縮こまってた筋肉が伸びる感じがするっていうの。エネルギーが身体中の細胞に行き渡る感じなんですって。
 お日様の光がすべての命の源なんだなーって実感するらしいの!

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  1. 2011/01/31(月) 09:34:11|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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味気ない冬



 雪が降らない。まったく降らない。そのくせ、朝の気温は連日マイナス10度以下。寒い。
 なのに雪が降らない。
 
 北軽井沢へ遠征しても、ずっと前に降り積もり、凍って固まった雪があるだけだ。ワルテルにラッセルさせることもできない。
 それどころか、凍って固まった雪の上で足を滑らせ、せっかくよくなってきた左後ろ脚をまた傷めたらと思うと気が気ではない。

 恨めしい。雪の降らない冬がこんなにも恨めしいとは。
 昨日の天気予報では雪マークがついていたが、朝になると消えていた。

  1. 2011/01/30(日) 09:00:10|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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小浅間山



 小浅間とはよく言ったものだ。遠くから見る山の形はまさしく「小浅間」だし、樹林帯を抜けた先に広がる山頂までの光景はそれこそ「小前掛」だ。
 アイゼンを装着した足でアイスバーンと化した斜面を登っていく。15分も登ればそこが山頂だった。
 山頂の南には本物の浅間山が聳えている。
 時折冷たい風が吹き、汗に濡れた身体から体温を奪っていく。
 リュックのサイドポケットに入れて置いたペットボトルに手を伸ばす。飲もうとしたが、中の水はシャーベット状に凍っていた。

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 空には青空が広がっているのに雪が降ってきた。
 ファインダーを覗き、これで雪が降っていればいいのにな、と思った場所まで一気にくだっていく。

 光の中で雪が舞っていた。

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  1. 2011/01/29(土) 09:00:00|
  2. 登山
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憤懣やるかたなし



 昨日はもうさ、朝からベッドルームに閉じ込められて!!
 だれか怪しいやつがきたよって、ワンワン吠えて教えてやったら、そのだれかは引っ越し屋さんで、ぼくが吠えるのやめないからって、今度は車に閉じ込められたんだ。
 丸々二時間だよ!!

 ソーラだってもう相当にひねくれた顔になっちゃってさ。散歩の時間をしばらく過ぎてから父ちゃんが車に乗り込んできたときはぼくもソーラも大騒ぎ。

 父ちゃん、父ちゃん、どうなっちゃってるの? なんで知らないやつらがぼくたちの家にあがりこんでるの? なんであんなに荷物が運び込まれてるの? ぼくたちの散歩とご飯どうなってるの?

「やっかましー!!」

 父ちゃんの雷一撃。ぼくもソーラも凍りついたよ。

「父ちゃん、くたくたなんだ。疲れてるんだ。静かにしてろ。その代わり、今日一日いい子にしてた褒美に、美味しいおやつやるから」

 
 おやつ?
 その言葉にぼくとソーラは反応してまた大騒ぎ。

「やかましいってんだろう!!!!」

 父ちゃんの雷二撃目。ああ、怖かった。

 その後、父ちゃんと短い散歩行って戻って来たら、家の中ぼくの知らない匂いばかり。くんくん匂い嗅いでたら「ワルテル、家の中でシッコしたらぶっ飛ばずぞ!」って父ちゃんの声。ちょうどシッコかけて匂い消しちゃえって思ってたところだから危なかったねえ。

 昨日の夜、母ちゃん「あれだけたくさんの荷物、この家には入りきらないわ、どうしよう」って半べそかいてたんだ。
 父ちゃんは「入るよ、楽勝で入る」って母ちゃんの言葉に聞く耳もたないで夫婦喧嘩寸前。
 でも、実際には余裕で荷物収まったよ。
 大変だったのはやっぱり、荷物を収めるスペースを作ることだったみたい。

 荷物の搬入は無事終わったけど、後片付けはまだまだで、台所もしっちゃかめっちゃかだからって、夜、父ちゃん、母ちゃん、そして手伝いにきてくれたNさんの三人は近所の居酒屋へ。
 留守番させたら間違いなくあちこちにシッコかけまくるって言われて、ぼくとソーラは父ちゃんたちが飲んで酔っぱらってる間、車の中で待たされたんだ!!

 三時間ぐらいして、父ちゃんたち戻って来て、ぼくたちの顔みた父ちゃんがこう言ったんだ。

「なんだ、憤懣やるかたないって顔だな」

 それだよ、それ。ぼくたち、憤懣やるかたなかったんだよ!!

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  1. 2011/01/28(金) 09:24:15|
  2. Dog
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油断



 ソーラは夜の散歩が終わるとひとりで寝室に行って寝る。が、ワルテルは基本、わたしが寝るまで居間にいる。
 例外はわたしたちがアクションものの洋画やアメリカ製のテレビドラマを見るときだ。雷同様、銃声や爆破音がワルテルは嫌いなのだ。邦画の銃声に反応しないのはリアリティにかけるためか。
 とにかく、テレビからリアルな銃声が響きはじめると、ワルテルは落ち着きをなくし、促してやるとソーラの後を追って寝室に行く。

 先日もそうだった。録画しておいたアメリカ製のアクション映画を見ている途中でトレイに行きたくなった。一時停止ボタンを押して用を足し、ついでに寝室の様子を覗いてみる。

 ワルテルが思いきりへそ天で眠っていた。

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 男子たるもの、父ちゃんと母ちゃんにお腹を見せてはいけない。
 ワルテルはそう考えている。背中が痒くて床や地面に背中を押しつけることはあっても、服従の意味でのへそ天は絶対にしない。無理矢理仰向けにしようとすると怒り出す。
 ボスのわたしであろうと、お腹を見せるのは絶対にいやなのだ。

 しかし、ソーラは別なようだ。あんなに開けっぴろげに脚を開き、へそ天で寝るワルテルなどついぞ見たことがない。
 まあ確かに、我々人間とは違い、ソーラはワルテルの嫌がることしないからなー。

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 二枚目と最後の写真は、そっと部屋に入り、そっと明かりをつけ、ワルテルが気づく前に立て続けにシャッターを切ったもの。
 自分がへそ天であることに気づいたワルテルは、ささっと身体を反転させ一枚目の写真の体勢になって、二度とお腹を見せてはくれなかった。

 さらについでに、一枚目の写真、左上の額縁の中にいるのは在りし日のマージと幼かったワルテルだ。



 


  1. 2011/01/26(水) 09:16:55|
  2. Dog
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てんてこ舞い



 父さんと母さん、ついに長野県民になるって決断したの。住んでるのは軽井沢だけど、住民票はずっと東京のままだったの。
 でも、ついについに決断したの。
 父さんは北海道民、神奈川県民、東京都民といろいろ変遷してるからずっと前から長野県民になってもいいって思ってたんだけど、税金上の問題とかいろいろあって都民でいたの。
 母さんは生まれてからずっと都民で、県民になることについてはいろいろ葛藤があったみたいなんだけど、ついに決心したの。

 東京のマンションが売れることになって、母さん、先週からずっと東京。引っ越しの整理に追われてるの。父さんも手伝ってあげたいんだけど、仕事の方がとんでもなく立て込んでてどうにもならないのー。
 母さん、明日帰ってきて、東京の荷物は明後日届くんですって。

 引っ越し屋さんが来るとワルテルがガウガウうるさいから、きっとわたしたち、父さんの仕事部屋に閉じ込められちゃうの(涙)。

 それでもって父さん、運ばれてくる荷物をどこに置こうか頭を悩ませてるの。
 我が家はどうなっちゃうのかしらー!

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  1. 2011/01/25(火) 11:32:11|
  2. その他
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寒いのに帰れない




 気温マイナス8度。一桁台のマイナス気温だと温かいと感じる。外に出るとうっすらと雲が広がっていた。
 このところ雲ひとつない晴れの日が多かったが、昨夜はこの雲のおかげで放射冷却が弱まったのだろう。

 散歩に出てしばらくすると、この冬一番と言っても過言ではない朝焼けに空が燃え上がった。これも雲のおかげだ。

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 まだ雪が少し残っているところにくると、犬たちは遊びはじめた。やはり、雪は彼らのなにかを刺激するのだろう。ワルテルもソーラも実に楽しそうにはしゃぎ回る。

 いつもに比べて温かいと言った。犬たちと歩き続けている分にはうっすらと汗をかくぐらいだ。しかし、一カ所に立ち止まり、犬たちの遊ぶ姿を見守っていると汗が冷え、冷気が徐々に身体を蝕んでいく。足踏みをしてみるがほとんど無意味だ。

 寒い、寒い、寒い。早く身体を動かしたい。早く温かい家に戻りたい。

 しかし、いつまでも楽しそうに遊んでいるワルテルたちを見ていると、「帰ろう」と声をかけることができなくなる。

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  1. 2011/01/24(月) 08:51:28|
  2. Dog
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冬荒れ日本海



 敦賀駅を降りると雨が降っていた。雪もほとんど溶けている。

「なんでい」
 小さく吐き捨て、レンタカー会社に向かう。道行く人は背中を丸め、寒さを堪え忍ぶように歩いている。だが、気温は2度。最低気温がマイナス10度を下回る日々が続いた軽井沢から来た身には春のような気温だ。
 おまけに着ているのは軽井沢使用の完全防寒セット。少し歩くだけでうっすらと汗をかく。

 車を借りると、その足で東尋坊に向かった。道中も雪はほとんどない。内海の敦賀湾を抜けると、期待していた荒波が見えてくる。
 これだ、これ。この日本海を見たかった。撮りたかった。

 敦賀から東尋坊までは下道を通っておよそ二時間。四時前に到着し、車を降りた。
 途端に台風並みの強い風が顔を打つ。おまけにあられが降ってくる。剥き出しの顔が痛い。そう、寒い、冷たい、しばれるではなく、痛いのだ。

 腹を括り、カメラと三脚をかかえて東尋坊の断崖絶壁に立つ。風が強すぎて三脚を立てることができない。すぐに倒れてしまうのだ。突風が吹くと身体ごと持って行かれそうだ。
 そして、時折、ばりばりばりとマシンガンの様な音を立ててあられが落ちてくる。

 痛い、痛い、痛い。泣きながら写真を撮った。

 滞在中、この天気が変わることはなかった。強風、あられ、時々雪。

 荒れた冬の日本海が目的だったが、なにもここまれ荒れなくても……

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 最後の写真、雪のように見えるだろうが、実際に降っていたのはあられだ。雹と行ってもいいぐらい大粒のあられが落ちてくる。
 ああ、痛かった。
 





  1. 2011/01/23(日) 09:00:19|
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鬱憤を晴らそう!



 鬱憤って言っても、ぼくたちの鬱憤じゃなくて、父ちゃんの鬱憤なんだ。
 だって、ぼくたち、雪があったらあったで嬉しいけど、なくてもそれなりに毎日が楽しいからね。でも、父ちゃんはそうじゃないみたい。寒いだけで雪のない冬なんて、具のないスープみたいなもんじゃないかって言うんだよ。

 それで、昨日の朝、早速北軽に行ってきたんだ。軽井沢にはなくても、北軽にはあるに決まってるんだからさ、雪が!

 気温はマイナス10度。足下にはさらっさらのパウダースノウ!

 ソーラなんか、車から降りた途端、「きゃ~~~~~~っ♪」モードになって雪の中を馬鹿みたいに駆け回ったよ。
 ぼくはまずはパトロール。とにかく、パトロールを済ませないことにはなにもはじまらないのが未去勢の雄犬ってものなんだ。

 だけど、パトロールが終わったら、ぼくも弾けたよ。
 久々にソーラと取っ組み合いもしたしね。やっぱり、雪は最高! 食べると美味しいし(爆)。

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 父ちゃんもぼくたちを追いかけて写真撮ってたから、寒さ感じず、っていうか、途中から「暑い」って言い出したぐらいで、早く撤収することもなく、心ゆくまで遊んだんだ。

 毎日とは言わないからさ、父ちゃん、週に三日ぐらいは北軽につれてってよ!

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  1. 2011/01/22(土) 09:00:02|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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雪はないけど



 父さん、福井県に行ってたの。
 小説の取材にかこつけて、今が旬の越前ガニ食べて、冬の日本海の写真撮るっていうのが本当の目的だったの。

 蟹も美味しいものもたくさん食べて来たけど、日本海は冬の嵐で大荒れ。帰ってくる日は新幹線も遅れて、名古屋にもどっさり雪が積もってたんですって。

 だから「名古屋でこれなら、軽井沢だってたっぷり降ってるだろう」って父さん、ほくそ笑んだらしいの。

 だけどだけどなのっ!
 帰ってきたら、軽井沢、たしかに雪が降ったらしいけど、たいした量じゃなくて、もう、ほとんど溶けてたのー(涙)。

「千葉でも雪が降ったらしいのに、なんじゃ、軽井沢ー!!」

 父さんおかんむりなの。

 それでもね、夕方お散歩に行ったら、気温は氷点下なのに、まるで春が来たみたいな日射しが降り注いでたの。
 おかんむりだった父さんも機嫌が治って「ワルテル、ソーラ、好きに遊べ」って言ってくれたの♪

 だから、だから、わたしとワルテルは好き勝手に走り回って、とっても幸せだったの♪

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  1. 2011/01/21(金) 09:25:48|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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日暈の朝



 父ちゃんたちが旅立つ前日の朝、軽井沢の気温はマイナス14度。もちろん、この冬一番の寒さ。
 ぼくたちが起きた時はまだ外は真っ暗で、空には雲ひとつなくて星がきらめいてたんだ。

「ワルテル、今朝はあれが出るぞ」
 まだ寝てる母ちゃんを起こさないよう、父ちゃん、小さな声で囁いたよ。

 あれってもしかしてあれ?

「そう。あれだ。急ごう。太陽が昇る前に撮影ポイントについてなくっちゃ」

 大急ぎで支度して、車に乗ってレッツゴー!
 いつもの農地についたら、東の空がオレンジ色で。シッコしたりウンチしたりしてたら、そのうち太陽が顔を出しそうになったんだ。そしたら!

「ワルテル、ソーラ、出たぞ!」

 太陽の右側に光の柱出現! 日暈の一部だよ。寒くてよく晴れた日の朝、太陽の周りにでっかい光の輪ができるんだ。それが日暈。光の柱はその一部。
 去年、何度も見たんだ。父ちゃん、その時の経験でどんな朝に日暈できるか予測できるようになったんだ。

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 上の写真、クリックして大きくしてみて。光の柱の中でダイヤモンドダストが煌めいてるのわかるでしょ?

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光の柱だけアップで見ると、まるで地上から光が噴き出てるみたい。

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 そのうち、太陽の左側にも光の柱が出現したよ。右の柱と左の柱を繋ぐと大きな半円になるの、わかる? 光の具合で円の一部しか目には見えないけどね。

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 冬にしか、超寒い朝にしか見られない光の奇跡。
 これがあるから寒くたってなんだって、父ちゃん、冬が大好きなんだ。

 もちろん、父ちゃんがにっかにかだからぼくもソーラもにっかにかだよ! でも、ぼくは途中で飽きてきてパトロール開始! 聞こえない振りしてモデル業はソーラにお任せ!!

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 ソーラがいてくれて、ほんと助かるよ(爆)。









 
  1. 2011/01/20(木) 09:00:00|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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陥落



 ソーラはベッドに上がってはいけないことになっていた。


 まだマージが生きていたころ、寝るのが辛かった。当時、我々夫婦は普通サイズのダブルベッドに寝ていたのだが、そこにマージとワルテルが上がってくる。わたしも連れあいも身体を折り曲げながら寝た。冬は寒くて仕方なかった。

 軽井沢に移ってきてからも、今更ワルテルにベッドに上がるなとは言えない。甘く接したわたしが悪いのだ。だが、ソーラは心を鬼にして上がらせなかった。
 一度だけ、ソーラがベッドに上がってきたことがある。わたしが強い口調で「ノー!」と言うと、ソーラはベッドから飛び降りた。その後、ベッドに上がろうという気配を見せたことすらない。

 しかし、去年の大晦日、翌日の登山にそなえて早めに寝ようと寝室へ行くと、ソーラがベッドの上で寝ていた。
 ソーラは夜の散歩が終わるとひとりで寝室へ行き、ひとりで寝るのが常なのだ。

「ソーラ」
 驚いたわたしが声を上げると、ソーラはベッドの上で腹ばいになった。しかし、ベッドから降りようとしない。少し怯えを含んだソーラの目が「父さん、お願いなの。わたしもベッドで寝たいの」と訴えている。

「ずっとベッドに上がりたかったのか?」
 わたしはベッドの端に腰掛け、ソーラの頭を撫でた。ソーラは尻尾を激しく振った。
「これまでそんな素振り一切見せなかったじゃないか。どうして今夜いきなりなんだ?」
 ソーラはただ激しく尻尾を振るだけだ。
「そうか。じゃあ、今夜から父さんと一緒に寝よう」

 ああ、言ってしまった。あの訴えかけてくる目に負けてしまった。

 それ以来、寝るために寝室へ行くと、ソーラがわたしのベッドの上で当然のように寝ている。ソーラを怯えさせないようにベッドの端に誘導し、わたし自身が寝るスペースを作る。そうしてやっと横になる。

 寝ていると、ソーラが体重をかけてくる。時に、ワルテルもそれに加わる。
 寝苦しい。布団が引っ張られて寒い。
 それでも我慢してしまうのは、ソーラが本当に幸せそうだからだろうか。

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 取材旅行のため、来週水曜日まで更新を休みます。


  
  1. 2011/01/14(金) 09:00:00|
  2. Dog
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赤浅間



 東の地平線がオレンジに燃え上がるころ、冠雪した浅間山はほんのり朱に染まるんだ。
 真冬の外でほっぺた赤くして遊びに夢中になってる子供みたい?
 それとも愛の告白をされて頬を赤らめてる乙女?

 赤浅間が現れると、父ちゃんしばらくぼーっと見とれるから、ぼくとソーラは父ちゃんの周りをうろうろ。父ちゃんが歩いてるときは、ぼくなんか結構離れたところでひとりパトロールしてたりするけど、父ちゃんが立ち止まると、どういうわけか父ちゃんのそばに戻っていっちゃうんだ。

 それで父ちゃんがまた歩きはじめると、ぼくはひとり、ふらふらーっとパトロールに向かうわけ。ソーラはいっつも父ちゃんの後にくっついてるよ。
 あ、でも、なにか気になる匂いを見つけたらそこに釘付け。
「ソーラ」って声がかかると慌てて父ちゃんのところに駆けていくよ。
 ぼくは聞こえない振りするけどね。

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  1. 2011/01/13(木) 09:41:00|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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雪がなくても



 今朝の気温はマイナス12度!
 地面もかっちんかっちんに凍る冷たさ。雪がないと余計に寒く思えるのー。
 まだ暗いうちに家を出て、白い息を吐き出しながら散歩して、すると東の空がうっすら明るくなってくるの。
 最初のうちは震えてた父さんも歩き続けてると身体が温まってきて、日の出のころには写真を撮る気力もよみがえってくるの♪

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「これで雪があったらなあ」
 父さん溜息ばっかり。そりゃ、雪の上に朝日が降り注ぐととっても綺麗だけど、わたしたちは雪がなくてもそれなりに楽しいの♪ もちろん、雪があったら最高だけど、無い物ねだりしてもしょうがないの。

 るんるん歩いているうちに日の出がやってきて、そしたらわたしたちはモデルの務めを果たして、日の出が終わったらまたるんるん歩いて。
 それはそれでやっぱり幸せなのー!

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  1. 2011/01/12(水) 09:00:00|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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雪遠征



 もう、いつまで待っても軽井沢雪が降らないから、こないだ、北軽の浅間牧場まで遠征してきたよ。
 夕方4時ちょっと前に到着したんだけど、気温はマイナス11度(爆)。
 丘の上は北風びゅーびゅーで、父ちゃん「耳と指が千切れるー!!」って叫んでた。ニット帽忘れちゃうし、手袋してても指が痛いんだってさ。

 でももちろん、ぼくとソーラはそんなのおかまいなし。
 ふたりで徹底的に遊んだんだ!

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 浅間牧場の丘の上、風が強いせいか雪が吹き飛ばされちゃっててそんなに積もってなかったけど、軽井沢に比べたら理想郷だったよ。ほんと、今年の冬は寒いだけで雪が降らないんだから。

 でもやっぱり、風が強すぎるのは問題かもね。
 あまりの寒さに、30分もしないうちに「ワルテル、ソーラ、撤収! これ以上ここにいたら、父ちゃん、凍死しちゃう」って父ちゃん帰り支度をはじめたんだ。
 車に戻っても、寒さがとれるまでって、身体さすりながら20分近く暖機運転してたんだよ。
 マイナス11度にあの北風だから、きっと体感温度はマイナス20度超えてたんだろうね。

 父ちゃん、ご苦労さん!

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  1. 2011/01/11(火) 09:00:30|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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シンクロニシティ



 年末、カメラを修理に出した。
 代わりに引っ張り出したのは一昨年まで使っていたキヤノン EOS 1D Mark III。プロ用のばかでかいカメラだ。
 基本的な操作方法は同じなのだが、7Dとは微妙に異なる。

 頭で考えるより、撮りながら感覚を取り戻していこうと、草津にこのばかでかいカメラを持って行った。

 1月1日午後4時過ぎ。

 犬たちは雪の中をはしゃぎ周り、しかし、日が落ちて刻一刻と暗くなっていく。犬たちの動きにカメラのシャッタースピードが追いつかない。

 ならば、流してやれ。
 ワルテルは肉球や指の間にこびりついた雪玉を撮ろうとして動かない。ターゲットはソーラ。

 しかし、久しぶりの流し撮り、久しぶりのカメラに身体が追いつかない。速すぎる、遅すぎる。5分ほどソーラを追っていると、ソーラの走るスピードとわたしがカメラを振るスピード、カメラを操作する指先とカメラ自身がシンクロしていく感覚を覚える。

 今だ。
 シャッターを切った瞬間、うまく行ったことがわかった。モニタを見るまでもない。達成感と満足感を覚え、わたしは写真を撮るのをやめた。

 時に写真撮影はスポーツと同じ感覚を撮り手にもたらしてくれる。


  1. 2011/01/10(月) 09:00:33|
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初日の出



 朝6時。まだ真っ暗な中、ヘッドランプの明かりを頼りに登山道を登りはじめる。葉の落ちた木々の向こうには満天の星。
 数日前までの天気予報では大晦日から元日にかけての天気は曇り、もしくは雪。その予報が前日、変わった。

 30分も登り続けると、山の東の上の空がオレンジ色に輝き出す。西の空にはまだ星がきらめいている。なんというコントラスト、なんという美しさ。

 急がなければ。夜明けが近い。
 しかし、前日、除夜の鐘を聞くまでは起きていると言い張って聞かなかった連れあいの足取りが重い。睡眠不足で呼吸があがっている。

 午前6時50分。いつもなら山頂に辿り着いている時間だが、目の前に最後の難所が立ちふさがっている。頂上まで2,30メートル。階段が作られた急勾配を一気に直登するのだ。
 普段なら1、2度休みを入れる。しかし、この日に限っては時間との勝負だ。一気に登る。
 呼吸が苦しい。肺が灼ける。汗がしたたり落ち、風が濡れた身体から体温を奪っていく。
 それでも休まず登りきった。

 木々の向こうにオレンジ色の太陽が輝いていた。
 溜息を漏らす。日の出に10分間に合わなかった。初日は拝めたが、初日の出は来年までお預けだ。

 頂上で寒さに震えながらコーヒーを啜り、刻一刻と変わり行く空の色の変化を眺め続けた。雪を被った浅間が赤から黄金色に変じ、やがて白くなる。それと同時に急速に雲が広がりだした。

 太陽が隠れ、世界は灰色に塗り潰される。
 日の出の前後だけの晴れ間だったのだ。この時間に起きて、外にいた者にだけ与えられた至福だ。

「さあ、帰ろう」
 わたしはザックを背負いながら言った。
 ワルテルとソーラが、家で新年最初の散歩を待ちわびている。

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  1. 2011/01/08(土) 10:03:23|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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エロエロ大魔王にお仕置きなの!



 今年の軽井沢の冬、10日に一遍ぐらい、うっすらと雪が積もるの。ほんの少しだから1日か2日で溶けちゃうんだけど、まだ雪が残ってる朝、わたしたちは庭で遊ばせてもらうの!

 ほんとに不思議なんだけど、雪はほんのちょっとでもわたしたちの心をうっきうき~♪にさせてくれるの。だから、わたしも遊びたくて遊びたくて身体の奥が疼くの。

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 それなのにそれなのに!
 ワルテル、遊びに付き合ってくれるふりして、いつもわたしの後ろに回ってお尻の匂い嗅ごうとするの!!
 わたしは大抵お座りして防御するんだけど、ワルテルがあんまりしつこいから、時々、頭の奥でぷちんって音がして切れちゃうの!

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 でも、ワルテル、パオラで鍛えられてたから逃げるのが上手なの。わたしの攻撃を紙一重でかわすの。そして、時間をおいてまたお尻の匂い嗅ぎに来るの。
 悔しいったらないの!!

「ソーラ、さっき、無茶苦茶怖い顔でワルテルに襲いかかってたぞ」
 父さんがそう言うけど、仕方ないの。ぜーんぶワルテルが悪いのー!!



  1. 2011/01/07(金) 09:15:11|
  2. Dog
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極楽三が日



 いやあ、草津最高!
 なにが最高って、まず女の子!!!
 モイラ家は3頭とも女の子でしょ、でもって、テン家のテンもハグも女の子、ソーラだって女の子、その中にぼくだけ男の子。これって、ハーレムだよ、ハーレム!!
 まあ、みんなへこへこどころか匂いだって簡単には嗅がせてくれないけどさ、右を見ても左を見ても、前を見ても後ろを見ても女の子だらけなんだよ。最高!!

 それからそれから雪!
 今年の軽井沢、雪が全然降らないんだ。長野県全域で荒れ模様って時でも、軽井沢周辺は穏やかな曇りかピーカン!! やっと降ったと思っても数センチの積雪であっという間に溶けちゃうんだ。
 でも、草津はすべてが銀世界だよ。脚が全部埋まっちゃうぐらいの雪の中、ラッセルして疲れたら雪食べて、ああ、ほんとに最高に楽しいんだ!!
 これで指の間に雪玉できなかったらもっと楽しいんだけどね。

 草津からの帰りは、途中で北軽に寄ってまた雪遊び。軽井沢から車で二十分なのに、ここも一面の銀世界。どーして軽井沢だけ雪が降らないんだろう?

 モイラ母さんも「軽井沢、寒いだけで雪がなくって最低」って言ってたんだ。
 まあ、犬飼いの偏ったものの見方だとは思うけどね!(爆)

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  1. 2011/01/06(木) 10:08:00|
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正月早々父さんがもーれつに感動したの



 それは1月2日のことだったの。
 お昼過ぎに、わたしたちとモイラ家とモイラ家に遊びに来てるテン家のみんなで雪遊びに出かけたの。
 元日の夕方もたくさん雪遊びしたけど、雪遊びは何度だってウエルカムなのー♪
 わたしたち、車降りた途端に弾けちゃって、走っては雪食べて、雪を食べては走り回ったの。

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 しばらくしたら、わたし、むずむずしてきたの。久しぶりにラウニと取っ組み合って遊びたくてたまらなくなったの!

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 ラウニもすぐにわたしの誘いに乗ってくれt、さあ、これから本格的な取っ組み合いよって思ったら、モイラ母さんの叫び声が聞こえたの。

「吹雪、ノー!!!」

 声がした方を見たら、吹雪姐さんがこっちに向かってくるところだったの。吹雪姐さんはちっちゃいけど、ダイナマイト級の破壊力を誇る怖いお姐さんなの。わたしもワルテルも、吹雪姐さんが近くに来ただけでこそこそ逃げ回っちゃうぐらいなの。
 父さんだって吹雪姐さんのことを「歩く爆弾犬」って呼んでるの。

 その吹雪姐さんがわたしに向かってくるの。ラウニだけならなんとでもなるけれど、吹雪姐さんとラウニがタッグを組むと遊びが狩りに変わって、わたし、大変なことになっちゃうの。

 逃げなきゃ、逃げなきゃ!

 そう思ってたら、いきなりどこからともなくワルテルがやって来て、吹雪姐さんに「バウワウワウ!!」って吠えたの。吹雪姐さん、一瞬面食らったみたいで、わたし、その隙に逃げることができたの!

「ソーラ、父さんは今、もーれつに感動している!」
 父さんのところに逃げて行ったら、父さん、黒い箱構えるのも忘れて感激に浸ってたの。

「今、ワルテル、ソーラを助けに行ったよな? な?」

 そなの、そーなのー。これまで、わたしがワルテルを助けることは何度もあったけど、その逆は皆無だったの。わたしが他のワンコに虐められて追いかけられてもワルテルは知らんぷり。
「ぼくは忙しいんだよ、パトロールとかへこへことかやることいっぱいあるんだ」
 って言って、わたしのこと全然助けてくれないの。

 でもでもでも、今は確かにワルテルがわたしを助けに来てくれたの。怖い吹雪姐さんに立ち向かってくれたの!

「あの気儘な馬鹿男も、6歳も半ばを過ぎてやっと群れの上位犬としての自覚が出てきたかー」

 父さん、超二日酔いで顔真っ青だったんだけど、その時は感動で顔が赤くなってたの。

「ワルテル、ソーラを守るようになったんだな!」

 父さんがそう声をかけたら、ワルテル「ん? なんのこと?」って顔してたの。

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 ありがとなの、ワルテル♪





  1. 2011/01/05(水) 09:22:37|
  2. Dog
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今年もよろしく!



 明けましておめでとう!!

 今年の正月も例年通り、草津のモイラ家でまったりしたり雪遊びしたりしながら過ごしてきたよ。
 父ちゃんは完璧な寝正月。
 でも、だらだらは昨日までで、「仕事いやだー(涙)」って言いながら、今日からフル回転で働かなきゃならないんだって。

 正月のぼくらの様子は明日からおいおい紹介していくからね。
 それじゃ、今年もよろしく!!

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  1. 2011/01/04(火) 09:06:19|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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