ワルテルと天使たちと小説家

嫌な話

今日はあまり楽しくない話だ。

まず、ここを読んでいただきたい。
非常に長いが、要するに悪徳ブリーダーから犬を買い、とても苦労なされている家族の話である。

このブリーダーの悪い噂はよく耳にしていた。ここからバーニーズを買った知り合いもいる。その子はどうも股関節の具合がよくないようだったのだが、飼い主がそのブリーダーに相談したところ「運動のしすぎ、筋肉のつきすぎ」と言われたそうで、その言葉を信じてほっとしていた。
そんな話は聞いたこともない、とわたしは思ったのだが、嬉しそうにしている飼い主を見ていると口をつぐむしかなかった。
また、その子は「チャンピオンの子だから」という理由でわたしからすれば法外な値段で売られていた。
チャンピオンに価値があるのはわかるが、チャンピオンの子がチャンピオンと同じようになるとは限らない。あまりに馬鹿げた値段だった。
だが、それをよしとする飼い主がいるなら、わたしが文句を言うことでもない。

しかし、やり方があまりに阿漕にすぎると、いずれは自分で自分の首を絞めることになる。この悪徳ブリーダーは元々は仙台で営業していたのだが、そこにいられなくなり、今は那須に移っている。
いずれ、そこでもやっていけなくなるだろう。

こんな話は別にこのブリーダーに限った話ではない。たまたまバーニーズの繁殖をやっているから、わたしの耳によく入っただけだ。他にも似たようなブリーダーはごまんといる。

そんな話を聞くたびに思うのは、この国の犬文化の歪み方だ。法律が整備されていないこともあるが、それ以前に、日本のブリーダーたちは横の連絡をほとんど取らない。いや、それどころか他のブリーダーを敵視しがちだ。
この人はブリーダーとしては優秀だなと思っても、他の犬舎の悪口が出る。そうでなければ自分の作り上げた犬の自慢だ。

辟易する。苛々する。反吐が出る。
わたしがワルテルとソーラの出身犬舎を信用するのは、彼らが他の犬舎、ブリーダーの悪口を言わないからだ。聞かれれば答える。だが、自分たちから言い出すことはない。

他者の悪口を言わない。それが美徳になる世界とはいったいなんだろう。一般社会ではごく普通のモラルだ。

どうして日本のブリーダーたちはお互いの情報を交換しないのだろう。
ただ単に、いい犬を作る、そのためだけにでも情報交換は有用だ。遺伝子的に問題のある犬を交配させる悪徳ブリーダーなどの情報も共有すれば、これから犬を飼おうとする人たちになんらかの注意を喚起させることもできる。

いい犬を作るだけではなく、遺伝子的に問題のある犬を減らすというのもブリーダーの役目だろう。哀しみにくれる家族を減らすことにも繋がる。うちはちゃんとやってる、他の犬舎のことは知ったことではない、というのはあまりに利己的だ。

たとえば、日本BMD協会といったような団体を立ち上げて、そこに登録されているブリーダー以外からは子犬を買わないようにと訴える、それぐらいのことでも状況は大いに改善されるのではないかと考えることもある。
まあ、今の状態を見れば、実現性は低いのだが。

しかし、わかってほしい。
初めて犬を飼おうとする人たちは無知なのだ。飼おうとする犬に関して、その犬を飼おうとしている犬舎についてなにも知らない。だから、騙される。だから、悲しい目に遭う。あくどい連中はいつだって善意の仮面を被っているのだから。
まっとうなブリーダーの方からアクションを起こさない限り、悪徳ブリーダーに騙される人々はあとを断たないだろう。

ああ、本当に嫌な話だ。
わたしたちが望んでいるのは、自分の犬と幸せに暮らしたい、ただそれだけなのに。

 



  1. 2011/06/02(木) 09:40:46|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
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