ワルテルと天使たちと小説家



 書こう、書こうと思いながら書くのを忘れていた。

 7月の頭、夜、ワルテルたちをシッコ散歩に連れ出して戻ってくると、視界の隅を緑色の光がよぎっていった。

 まさか。

 目を凝らす。うちの庭で蛍が三匹、舞っていた。

 連れあいを呼び、人間ふたりと犬二頭で蛍の舞いをしばらく眺めていた。

 我が家の裏には人造の小川が流れている。
 川が作られたのは6、7年前か。今では雑草が生い茂って一見荒れ放題になっている。
 連れあいもあの小川の見栄えをなんとかしたいとずっと訴えていた。

「あそこに手をつけちゃだめだ」

 そう言い続けてきたのは特別な意味があったわけではない。
 だが、地元の人たちが「昔は庭で当たり前に蛍が飛んでいた」というのを聞いていたせいかもしれない。

 人の手が入ってから6年以上の月日が経って、小川に蛍が住み着いたのだ。
 雑草を除去することもせず自然のままに放っておいたからだと思う。

 蛍の舞いは4日ほど続いて突然終わった。
 我々は連夜、飽きることなく蛍の光を眺め続けた。
 これまでは、車で十分ほどかかるところに蛍を見に行っていたのだ。それが、今年は、家の中から蛍を見ることができた。

 実に、実に気分がいい。

 今年は三匹だけだったが、来年はもっと増えるだろうか? 再来年は?

 三匹では数が少なすぎて写真を撮ろうという気にもなれなかった。しかし、十数匹が舞うようになったら、その時は写真を撮ろうと思う。

 夏の楽しみがひとつ増えた。

 連れあいも「あの小川の雑草をなんとかして」とは言わなくなった。

11_0709_4.jpg
 


  1. 2011/07/15(金) 09:26:42|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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