
今日の写真を撮った場所も、買い手のつかない別荘地だ。広大な敷地が区画され、アスファルトの道も整備されている。
だが、家は一軒もない。
我々が軽井沢に住み始めた時からこの別荘地はあり、そのまま放置されている。
開発した業者が倒産でもしたのか。その後も引き取り手がいないのか。別荘地としては理想的な立地条件だとは思うのだが……
それはともかく、ここもまた、紅葉が美しい。モミジやドウダンツツジが規則的に配置されているのだ。
今や雑草の天国と化しているが、そんな中でも紅葉したモミジとドウダンツツジはあでやかに己の存在を誇示している。


そうそう、昨日から母ちゃんが所用で東京へ行っている。
家にはわたしとワルテルだけだ。ひとりと一頭なんていつ以来だろう。
ワルテルはここぞとばかりに甘えてくる。わたしもここぞとばかりにワルテルを可愛がる。
それが家族であろうと、男という生き物は常に女の視線を意識している。その視線がなくなると、子供のようになってしまうのだなあ。
- 2011/10/29(土)
10:13:54|
- 軽井沢 春夏秋冬
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「なんだか、憑きものが落ちたような顔してるな、ワルテル」
犬舎から帰ってきてからさ、ぼく、父ちゃんにそう言われ続けてるんだ。
犬舎じゃ、女の子たちの匂いが凄くて、ぼく、狂おしくて切なくていてもたってもいられなくて、ご飯も食べなかったし、寝なかったし。
目もぎらついてて尋常じゃなかったんだって。
それが家に帰った途端、憑き物が落ちたようになって、今はなんだか腑抜けたような顔つきになってるらしいんだよねー。
でもそうなるのもしかたないかも。だって、本当に凄絶な週末だったんだ。

- 2011/10/28(金)
09:03:05|
- 軽井沢 春夏秋冬
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酷い二日酔いだった。それなのに夏のような無慈悲な太陽の光が車内に射し込んでくる。サングラスをかけているのをいいことに、こっそり目を閉じ、何度かうとうとしていた。
「ここ、町があったんです」
T君がいった。わざわざわたしのために被災地を案内する役を買って出てくれた男だ。
その言葉を聞いた瞬間、眠気も胸のむかつきも消えた。
なぜなら、「町があった」とT君が言った場所にはなにもなかったからだ。ただただ平地が広がっている。
車を停めて、かつて町があったという地域をぶらぶらと歩いた。遠くから見ればそこはただの平地だったが、近づけば、確かにそこが町だったことが認識できる。
津波にも流されることのなかった家々の基礎がずらりと並んでいるのだ。



何百棟、いや、千棟を超える家がこの辺りにはあったに違いない。
そのすべてが基礎だけを残してすべて流されてしまった。
茫漠たる光景に言葉がない。胸が締めつけられる。
しかも、その景色はどこまでもどこまでも、果てることなく続いているのだ。
北は岩手県から南は福島まで、いや、茨城や千葉を入れると、数百キロの範囲でこんな光景が広がっている。
その際限のない広さ、その範囲のほとんどを根こそぎにした津波の凄まじさはテレビの映像や写真を見ただけではわからない。
被災者以外のすべての日本人は自分の足で被災地に立ち、自分の目で実態を見るべきだと思った。

なにもない荒野を車は進む。やがて、右手に集落が見えてきた。近づくと、すべての家に破壊の痕跡があった。
この辺りを襲った津波の高さは2メートル前後。一階部分が津波にやられた。
そして、ほとんどの家が手つかずのまま、3・11の後、放置されている。
もちろん、水道も電気も止まったままだ。戻ってきた人もいない。
わずかばかりのボランティアが破壊された家からゴミやヘドロをかきだしている。

電線に繋がれていない電柱が一本、寂しそうに立っていた。
聞けば、この電柱は津波に薙ぎ倒されたのだそうだ。それが自治体だか電力会社だかの人間が来て立て直していった。
電気がいつ回復するのかの目処も立たず、おそらく、この辺りの住民は戻ってこないに違いないのにだ。
なんという間の抜けた光景だろう。
しかし、これが日本だ。わたしたちの住む国だ。心の底から被災者のことを考え、行動する政治家、官僚が皆無の国なのだ。

うち捨てられた集落の中をとぼとぼと歩いていると、どこかから犬がやって来た。首輪がついている。
この辺りの片付けにやって来たボランティアの飼い犬らしい。
彼はわたしたちを見つけると嬉しそうに駆け寄ってきた。まるで、案内役を買って出るとでも言っているかのようだ。彼の人なつっこさにずいぶんと救われた。

政治の場でも、メディアでも、復興復旧という言葉が踊っている。
だが、実際には復興も復旧もなにひとつ進んでない。瓦礫が撤去されたというだけのことだ。一部の被災区域でライフラインが復活したというだけの話だ。
見捨てられた地域は見捨てられたまま、ただそこにある。
この日、仙台の最高気温は27度に達した。
季節外れの夏空の下、うち捨てられた家々、見捨てられた土地は、無言のまま強い日差しを受けていた。
- 2011/10/27(木)
09:08:41|
- その他
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東北に行く前に、車で浜松へ向かった。わたしが留守の間、連れ合いとワルテルを犬舎に預けるためだ。
もちろん、それは口実でソーラに会いたかったのだ。
わたしたちの到着を知ると、ソーラは「ぶごぶご、ふがふが」と意味不明のうなり声を放つ。いとおしくてたまらない。
ソーラ、寂しかっただろう。父ちゃんが会いに来たぞ!!
連れ合いとワルテルを別室に追いやり、ソーラとふたりきりでずっと過ごした。
そのうち、ワルテルのいる部屋からヒンヒンと鼻を鳴らす音が聞こえてきた。
聞けば犬舎はヒート祭りのまっただ中。ソーラだけではなく、多くの雌犬がヒートの匂いを撒き散らしていたのだ。
「外に出してよ、匂い嗅がせてよ、やらせてよ!!!」
ワルテルはそう訴えている。目は血走り、息は荒く、落ち着きがない。
これは大変なところに連れてきてしまったと天を仰いだが後の祭りだ。
翌朝、わたしは家族たちを犬舎に残して新幹線に飛び乗った。


月曜日の昼過ぎ、犬舎に戻ってくると、ワルテルはげっそりとやつれていた。
聞けば、ご飯を一切食べず、ヒートの雌犬の姿を求めて犬舎内を絶えずうろつき回り、眠らず、夜中になると遠吠えを繰り返していたという。
それはそれは狂おしい三日間だったのだろう。
ソーラにしばしの別れを告げ、車で軽井沢に向かう。普段、出発前後はなにかとやかましいワルテルが異様なほど静かだ。クレーとの中を覗くと、死んだように眠っていた。
6時間のドライブ。
家に辿り着くと、「ご飯、ご飯、ご飯、ぼく、死ぬほど腹減った-」とワルテルが訴える。ほぼ丸4日間、なにも食っていないのだ。そりゃあ、腹も減るだろう。
ご飯をがつがつと食い終えると、ワルテルはまた死んだように眠りはじめた。
- 2011/10/26(水)
09:18:37|
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月曜日、久々に浅間山に向かった。
浅間を囲む山々は秋色に染まっていた。溜息が出るほど美しい。
今回は山のお師匠さんが主催する年に二回の山岳会の末席に連なった。総勢11人のパーティだ。
浅間山荘そばの登山道入口からえっちらおっちら登ってまずは最初の目的地、火山館まで。
ここで休憩を取り、エネルギーを補給して再出発。
いつもならそのまま前掛山を目指すのだが、この日は別ルート。二股に分かれた登山道を左に折れ、黒斑山の中腹、「草すべり」と呼ばれる急勾配を登ることになっていた。

もう本当に見上げるだけで嫌になってしまうぐらいの急勾配。
しかも、この日、わたしは相当ばてていた。というのも、師匠が家に迎えに来たのが午前7時。浅間山荘に到着したのが7時半。しかし、山岳会のメンバーの乗った新幹線が佐久平駅に到着するのが8時20分。
師匠、時間を読むことができないらしい……(涙)
そんなわけで、わたしが朝食(うどん一杯)を取ったのは午前6時。メンバーがそろって出発したのが午前9時。その時点でもう空腹を覚えていたのだ。
途中で飴をなめたり携行食を食べたりしたのだが、エネルギー補給が追いつかなかったというわけだ。
荒い息を吐きながら草すべりを登る、登る、登る……すぐに足が動かなくなる。
辛くて苦しくて足を止め、振り返ると、そこには浅間の雄姿があった。

そして、南に目を転じれば、そこには富士山も。

辛い登りだが、そのご褒美に絶景が待っている。
幸いというかなんというか、パーティのメンバーに体調不良者が出たので、この日は草すべりを30分ほど登ったところで下山と相成った。
また別の日に再チャレンジだ。
しかし、さとりんさんはここを登り下りしてなおかつ前掛けの山頂に行ったのだよなー。すげーなー。
*父さん東北出張のため、次の更新は火曜日になる予定です。
- 2011/10/21(金)
09:00:35|
- 軽井沢 春夏秋冬
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今回のソーラの里帰りは特別な里帰りなんだ。
知ってる人もいると思うけど、ソーラ、この冬、お母さんになる予定なんだよね~。
ソーラは元々犬舎の子。よりよいバーニーズ・マウンテン・ドッグを作るため、犬舎がよその犬舎から買って連れてきた子なんだ。
それがまあ、いろいろあってソーラは父ちゃんの娘になることになったんだけど、必ずソーラに子供を産ませるって、父ちゃん、犬舎と約束してたんだ。
でもね、人間って理性と心って結構ばらばらじゃん?
ここ数日、父ちゃんの様子がおかしいんだ。
お酒飲むと深刻な顔になって、「ソーラ、もうやられちゃったんだよな~」って独り言いうんだよ。
「どこの馬の骨ともわからない野郎にやられちゃったのかー!!!」って急に声大きくなったりね。
挙げ句の果てに、ぼくを抱きしめながら「どこのだれだかわからないやつにやらせるぐらいなら、ワルテルにやらせてやればよかったな。父ちゃん、判断誤った。一生の不覚だ~~~~~っ!」って喚き散らすんだ。
そのたびにさ、母ちゃんに「いい加減にしなさい」って叱られてしょぼんとなるの。
ぼくはぼくでさ、人間のアルコール臭い息が嫌いなんだよね。はた迷惑なんだ。
「ソーラ……ソーラーーーーーーーーー」
寝るときも必ずソーラの名前を口にしてるよ。馬鹿みたい。
うちは父ちゃんも母ちゃんも人間の子供は作らない主義なんだ。それって正解だと思わない。もし、人間の娘がいたら、父ちゃん、とんでもないことになると思うもんねー。
- 2011/10/20(木)
09:19:56|
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もう何年も買い手の見つからない別荘用の造成地がある。
元々は林だった場所で、ほとんどの樹木は根こそぎにされ、三本のモミジの木だけが残された。
長いこと買い手がつかず、しかし、なにものにも邪魔されることなく、モミジたちは日光を浴び、風を受け、健やかに伸びやかに成長している。
風がよく通るからだろう。この三本のモミジはこの一帯で一番早く赤く色づく。そして、近くを行き交う人間たちの目を楽しませてくれる。
「このままずっと買い手がつかないといいのにね」
近所に住む者たちはこのモミジたちが色づくたびにそう囁きあっている。
本当に見事なモミジたちなのだ。



- 2011/10/19(水)
08:46:00|
- 軽井沢 春夏秋冬
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日曜日はマージの命日だったんだ。
もう6年も経つんだ。当時1歳だったぼくももう7歳だよ。月日の流れは速いよね。
「ワルテル、今日は命日だから、マージが来てるんじゃない?」
母ちゃんがそう言ったんだ。ぼく、マージって名前聞いただけでもうどっきどき。マージ、本当に怖かったんだ。だから、今でも
マージの名前聞くとそわそわしちゃうんだよ。
父ちゃんと母ちゃんだけじゃない。ぼくだって、ちゃんとマージのこと覚えてるんだから。
父ちゃんはもうぐだぐだ。マージの命日だっていうのに、今年はソーラも里帰りでいないでしょ?
いつもの命日はソーラをかたわらに呼んでずっと撫で撫でしてるんだけどね、今回はそれもできないんだから。
「ワルテル、覚えてるか? マージが死んだ直後、おまえ、マージの鼻をぺろりと舐めて、それから、これで邪魔者がいなくなったって顔したんだぞ」
そうだっけ? よく覚えてないよ。
でも、マージがいなくなって、マージが独占してた父ちゃんのそばにいつもいられるようになったことは覚えてるよ。
だって、ソファの横も、父ちゃんが仕事してる足下も、父ちゃんのベッドも、全部マージのものでさあ、ぼく、父ちゃんに甘えたくてもなかなかできなかったもんね。
その点、ソーラは恵まれてるよ。少なくとも、父ちゃんのベッドはソーラの寝場所だもんね。

マージ、父ちゃんも母ちゃんも、そしてぼくも元気でやってるよ。
- 2011/10/18(火)
09:11:27|
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水曜日、離山に登った。
霧が山を覆っていた。
つい先日涸沢に行ってきたばかりなのだから、離山なんか楽勝だろうと高をくくっていたのだが、そうは問屋が卸さなかった。
何度登ってもこの山は辛い。息切れはしなくなった。筋肉痛ももう起こらない。それでも、登るたびにきつさが増していく。
もう少しで山頂だというところで雨が降りはじめた。ザックからレインウェアを出すのも面倒くさい。それほど疲弊していたのだ。
だが、雨はすぐにやんだ。そして、唐突に日が射し込んできた。
梢の間を朝日が突破してくる。霧がその軌跡を浮かび上がらせる。凄まじい。光芒の爆発だ。
レインウェアを出すのは億劫だったのに、背中から素早くザックをおろし、カメラを出した。今日は撮影することはないだろう
と思いつつ、万が一なにか素晴らしいものに出くわしたときのためと思ってカメラはつねにザックに入れている。
無我夢中でシャッターを切った。
風が吹き、霧が瞬く間に晴れていく。
ものの10秒足らずですべてが消えた。
わたしと一緒に登っていた連中は、この素晴らしい光景が出現したことさえ知らないだろう。
この日、この時、この場所にいた人間だけが巡り会えた幸福だ。


- 2011/10/15(土)
09:07:04|
- 登山
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昨日、犬舎のIさんが浜松からわざわざソーラを迎えに来てくれた。
涸沢に行ったりしたものでスケジュールが超緊密状態、自分で送り届ける時間がなかったのだ。
わたしの仕事部屋で寝ていたソーラを呼び、玄関に連れて行った。
Iさんを見た瞬間、ソーラは固まり、ぶるぶると震えはじめた。
なぜそこにIさんがいるのかを瞬時に理解したのだ。
頭がいいにもほどがある。
思わずソーラを抱きしめた。
震える身体を撫で、さすり、「だいじょうぶだぞ、ソーラ、だいじょうぶだ」と呪文のように繰り返した。
リードをつけようとするとソーラは逃げ出した。
行きたくないの、行きたくないの! わたしは父さん、母さん、ワルテルとずっと一緒にいるの!
全身でそう訴えている。
心を鬼にしてリードをつけ、Iさんの車にソーラを乗せた。その途端、ソーラは震えるのをやめた。諦めたのだ。
ごめんな、ソーラ。できるだけ早く迎えに行くからな。

寂しくて、せつなくて、たまらない(涙)
- 2011/10/14(金)
08:34:13|
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こないだから、ソーラ、ヒートになっちゃったんだ。
もう、いい匂いがしてたまらないんだよ。胸が苦しいんだ。せつないんだ。
どうにも我慢できなくてソーラのお尻の匂い嗅いでると、ソーラが普段見せたことのないような顔で怒るんだ。
でも、苦しくて切なくてどうしようもないから、気を紛らわせるために何回か家の中でおしっこしちゃったよ。
それで父ちゃんにこっぴどく叱られてさ。
でもしょうがないんだ。
ソーラの匂い嗅ぐと、胸が苦しくてせつなくてたまらなくなるんだ。
散歩に行ってリード外してもらっても、ぼく、ずっとソーラにまとわりついてるよ。パトロールなんてしてる場合じゃないんだ。
でもって、ソーラは凄く困った顔して、ぼくがしつこいと怒り出して。
ごめんよ、ソーラ。
だけど、ぼくはぼくを止められないんだ。仕方がないんだよ~!!


- 2011/10/13(木)
09:02:12|
- Dog
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涸沢ヒュッテはとんでもない混雑だった。我々が案内されたのはカーテンの仕切りしかない狭い畳敷きのスペース。そこに
小さな布団が三組敷かれていた。我々は5人のパーティ。5人でこんな狭いところに寝ろというのか?
「飛び込みのお客様が来たら、もうひとりここに案内することになりますので」
我々の驚愕をよそに、ヒュッテの従業員はそう言った。
我々が帰ったあとの連休ど真ん中はさらに混雑して、このスペースに9人詰め込まれるらしい。嗚呼……
食堂も大混雑でゆっくり晩飯を食べる暇もない。
そしてまた、晩飯を食べ終わるとすることがなにもないのだ。この日も7時半に床についた。
だれのものとも知れぬ鼾や寝言、歯ぎしりで寝つけず、寝返りを打つこともかなわず、悶々としながら眠りが訪れるのを待つ。
やっと眠れたと思ってもすぐに目覚め、うつらうつらしながらまた目を閉じる。その繰り返しだ。
結局、午前4時前に目が覚め、これ以上は眠れないと判断して煙草を吸うために外に出た。
いつの間にか雪が降っていた。ヒュッテ周辺は2、3センチの積雪だ。
東の空を見る。雲が多い。朝日、朝焼けを拝めるかどうかは微妙なところだった。
それでも、部屋に戻ってカメラを取りだし、雪の降る中、寒さに震えながらその時を待った。
辛い思いをしながらザックに三脚をくくりつけてきたのだが、三脚を立てられる場所には、カメラおやぢたちが前夜から自
分の三脚を置いて場所取りをしている。手持ちで取るしかない。なんのために三脚を持ってきたのか。泣きそうになりながらファインダーを覗いた。
前穂高岳と涸沢岳の山肌が赤く染まりだしたのは午前5時半を過ぎたころだったろうか。

モルゲンロート。ドイツ語で朝日に輝く山肌という意味だ。
淡い赤だった山肌が、徐々にオレンジ色に変化していく。
普段は山肌全体が染まるらしいのだが、この日は朝日が東の山々と雲にサンドイッチされていた。だから、帯状に染まっていく。



その美しさ、雄大さに息をのみ、霧中で写真を撮っていた。気がつけば、一般客は立ち入り禁止のはずのヘリポートの上にいた(苦笑)。
東を仰ぎ見れば、朝焼けの中にカメラマンたちの姿がシルエットになって浮かび上がっている。

昼間の紅葉も素晴らしいが、これを見るため=撮るためにここまでやって来たのだと言っても過言ではない。
これだけ天候に恵まれたのはやはり、日頃の行いのおかげなのだろうなー。

撮り続けているうちに、オレンジ色はだんだん淡くなり、やがて消えた。
団体ツアーで来ていた人たちは、朝食の時間を決められていてこの景色を見られなかったはずだ。なんとももったいない。
モルゲンロートが終わると、魂を抜かれたような気分になった。
朝食を食べ終えると荷造りをはじめた。カメラもザックにしまい込む。昨日の紅葉と今朝のモルゲンロートに勝る被写体に
出くわすとは思えない。もう、カメラもお役ご免だ。
下りは一気。途中、昼食や休憩を挟みながら上高地まで降りていく。
バスターミナルに到着したのは2時45分。
ワルテルとソーラに会いたくてしょうがなかった。
*通常の更新はこの下にあります。
- 2011/10/12(水)
11:07:25|
- 登山
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父さんと母さんが行ってきた涸沢ってところに比べると一段も二段も落ちるかもしれないけど、軽井沢の木々たちも色づき
はじめてきたの~♪
去年は酷暑の影響でそれほど綺麗じゃなかったけど、今年はけっこう綺麗なの!
山うるしはもう真っ赤っか。モミジやドウダンツツジは緑のと赤いのが混じり合ってて、もうすぐよ、もうすぐよ、もうすぐ真っ赤
になってあげるのよー!! って言ってるみたいなのー。
朝の気温は相変わらず10度以下。氷点下まで下がることはなくなったけど、それでもわたしたちの設定温度よりずっと下!
朝夕のお散歩は最高に気持ちがいいの!!
夜は夜で父さんのふかふかのベッドにあがって寝てもはぁはぁにならないし、父さんの腕枕でねんねこするのー♪
どんどん秋が深まって、そしたら次に冬が来て銀世界よー!
ワンコの季節はまだまだ続くのー♪


- 2011/10/12(水)
10:40:54|
- 軽井沢 春夏秋冬
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みんなね、涸沢の写真が凄いとか綺麗とか言ってるけどね!
ぼくたち、留守番だったんだよ! それも動物病院で。5日間も!!!!!
ソーラと一緒のケージだったからまだよかったけど、それでもやっぱり無茶苦茶心細くて寂しかったんだ!
父ちゃんと母ちゃんが迎えに来た日、ぼくもソーラもこれ以上ないってぐらい看護師さんの握るリード引っ張って父ちゃんの
ところに突進したよ。
尻尾ぶんぶん振って、父ちゃんの太ももに身体こすりつけて、寂しかったって訴えたんだ!!
うちに帰ってからも、ぼくとソーラ、これでもかってぐらい父ちゃんに甘えまくったよ。
もう、ほんとに心細くて寂しかったんだから!!
- 2011/10/11(火)
09:20:30|
- Dog
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10月6日午前8時。横尾山荘を出発。
空には青空、山肌には霧。霧をすかし見ると紅葉。
途中、断崖絶壁で知られる屏風岩が見える地点で師匠が足を止めた。
岩肌を四つの滝が流れ落ちている。前日に雨が降り、その雨量が多いときだけに現れる幻の滝なのだそうだ。



朝になって晴れたことといい、幻の滝を拝めたことといい、なんという幸運か。
これも日頃の行いの賜だ。
ちなみに、三日前にこの道を登っていたはずの
山猿はこの滝を見ていないに違いない。わたしと違って日頃の行いがでたらめだからだ。
しかし、上機嫌だったのはここまで。
涸沢カールまでは岩だらけの登山道を延々二時間以上かけて800メートルの標高差を登らなければならない。次第に口数が少なくなり、足取りも重くなる。
カメラを構える気力すら奪われていく。
10月上旬は涸沢行のピークだということで登山者も信じられないほどの数だ。狭い登山道では登る者と下る者がお互いに譲り合いながら先へ進む。50人近い団体で登っているグループもいた。
「お先にどうぞ」
笑顔で道を譲りながら、しかしその実、休めることにほっとする。
そうやって休みながら後ろを振り返ると、屏風岩の頂上に人が立っていた。あの断崖絶壁を登っていったのだ。

身体に疲労が蓄積していくのに反比例して、景色はどんどん美しくなっていく。上高地のバスターミナルに降り立った時は自然の美しさに溜息が出たのだが、浅はかだった。観光地化した場所の自然など、しょせん「なんちゃって」だ。
本物の自然の美しさに触れた後ではすべてが色褪せる。


正午少し前涸沢ヒュッテに到着。
絶景が広がっていた。
- 2011/10/10(月)
09:28:36|
- 登山
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10月5日午前5時、軽井沢を出発。上高地のバスターミナルを出たのが8時半。
期待していた涸沢行だったが、空模様はぐずついている。午後からは雨になるという予報だった。雨が降り出す前にこの日の目的地である横尾に辿り着いておきたい。
上高地から横尾まではなだらかな登りが3時間ほど続く。登山というよりはハイキングの世界だ。
順調に歩き続け、11時半に横尾山荘に到着した。昼飯を食べ、チェックインを終えたところで雨が降りはじめた。


天気が良ければ少し遠出をしてみようかという話もしていたのだが雨が激しくなってどうにも身動きがとれなかった。
山荘ではなにもすることがない。晩飯を食い終わるともう寝るしかなかった。
ベッドに入ったのが7時半。
こんなに早い時間に寝たのは小学生の時以来だろうか。
翌朝も雨。朝食を食べながらの打ち合わせ。雨の様子を見つつ、8時前後に出発しようということになる。
しかし、コーヒーを飲みながら煙草を吸っていると雨があがった。分厚い雲が見る間にばらけていく。
数分も経たないうちに青空が広がった。

- 2011/10/09(日)
14:10:24|
- 登山
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今朝の気温はマイナス1度!!
今シーズン初めての氷点下だったの~♪
母さんは「寒い、寒い」って震えてたけど、父さんもわたしたちも元気いっぱい!!
「ああ、気持ちがいいなあ、身体が引き締まるなあ。そうだろう? ワルテル、ソーラ!」
父さんってほんっとに犬体質なのねー。
霜が降りて朝日を浴びてきらきら光る猫じゃらしでいっぱいの原っぱで、父さんもわたしたちもずぶ濡れになって遊んだの。
涼しくって、全然はあはあにならなくって、ああ、なんて素敵な朝なのかしら~♪
とうとうわたしたちの季節が来たの。ワンコの季節なの~!!
追伸
今週いっぱい、ブログの更新はおやすみさせてもらうの~。来週会いましょうなの~!!
- 2011/10/04(火)
09:24:10|
- 軽井沢 春夏秋冬
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先週末、満を持して内山牧場に行ってきたんだよ。隣町の佐久市の山奥にある観光牧場。いろんな施設があるけど、
この時期一番の売りはなんてたって、3ヘクタールもあるっていうコスモス畑!!
前回行ったときはまだ全然咲いていなかったけど、今回は満開。
「100万本のコスモス」っていううたい文句なんだけど、嘘じゃないよ。絶対100万本以上咲いてるもん!!


この日は平日だったから、例によってひとけはなし。
広い広~い丘と100万本のコスモスをぼくたちだけで独占だったんだ!!
しばらく遊んでると日が傾いてきてさ、柔らかい夕陽の中でコスモスたちがきらめいて、風にゆらゆら揺れて、最高に
素敵だったよ!


もし9月にワンコ連れで軽井沢近辺に来ることがあったら、内山牧場は大のお勧め!!
すぐ近くには乗馬なんかも楽しめる別の観光牧場もあるしね!!
- 2011/10/03(月)
09:37:46|
- 軽井沢 春夏秋冬
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昨日、作家になって初めての体験をした。
女性誌の取材を受けたのだ。
『光あれ』に関する取材。
書く小説の内容、題材のせいなのだろうが、これまでは女性だけの世界から声がかかることはなかったのだ。
取材に来てくれたメディアは『女性自身』
読んだことも手に取ったこともない雑誌だ。なんだか怖かった(苦笑)。
- 2011/10/02(日)
11:21:18|
- その他
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山登りをはじめて一年が経った。
最初の頃は足腰がくがく、翌日筋肉痛の連続だったが、今はそんなことはない。
登りも下りも相変わらずきついのだが、体力は確実についてきている。
初めての時は一時間半もかかっていた離山の登りも今は50分を切る。息切れもしなくなった。
浅間山に登ってもうだめだ、これ以上登れないと思っても、一分程度休めばまた脚が動くようになった。
というわけで、今月はある計画を実行する。
楽しみでしょうがない。
- 2011/10/01(土)
11:14:45|
- 登山
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