ワルテルと天使たちと小説家

涸沢カール #2 幻の滝



 10月6日午前8時。横尾山荘を出発。
 空には青空、山肌には霧。霧をすかし見ると紅葉。
 途中、断崖絶壁で知られる屏風岩が見える地点で師匠が足を止めた。
 岩肌を四つの滝が流れ落ちている。前日に雨が降り、その雨量が多いときだけに現れる幻の滝なのだそうだ。

11_1006_5.jpg

11_1006_8.jpg

11_1006_9.jpg

 朝になって晴れたことといい、幻の滝を拝めたことといい、なんという幸運か。
 これも日頃の行いの賜だ。
 ちなみに、三日前にこの道を登っていたはずの山猿はこの滝を見ていないに違いない。わたしと違って日頃の行いがでたらめだからだ。

 しかし、上機嫌だったのはここまで。
 涸沢カールまでは岩だらけの登山道を延々二時間以上かけて800メートルの標高差を登らなければならない。次第に口数が少なくなり、足取りも重くなる。
 カメラを構える気力すら奪われていく。
 10月上旬は涸沢行のピークだということで登山者も信じられないほどの数だ。狭い登山道では登る者と下る者がお互いに譲り合いながら先へ進む。50人近い団体で登っているグループもいた。
「お先にどうぞ」
 笑顔で道を譲りながら、しかしその実、休めることにほっとする。

 そうやって休みながら後ろを振り返ると、屏風岩の頂上に人が立っていた。あの断崖絶壁を登っていったのだ。

11_1006_15.jpg

 身体に疲労が蓄積していくのに反比例して、景色はどんどん美しくなっていく。上高地のバスターミナルに降り立った時は自然の美しさに溜息が出たのだが、浅はかだった。観光地化した場所の自然など、しょせん「なんちゃって」だ。
 本物の自然の美しさに触れた後ではすべてが色褪せる。

11_1006_10.jpg

11_1006_12.jpg

 正午少し前涸沢ヒュッテに到着。
 絶景が広がっていた。

11_1006_25.jpg








  1. 2011/10/10(月) 09:28:36|
  2. 登山
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

カレンダー

09 | 2011/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

プロフィール

軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する