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ワルテルと天使たちと小説家

決断



 木曜日は所沢の病院に行く日だったが、前日になって予約をキャンセルした。来週の予約も一緒にだ。

 決断した。

 もう、抗癌剤は入れない。

 だったら、所沢の病院に行く必要がない。

 どんなに副作用が強くても、この抗癌剤を使っていれば、腫瘍も完全になくなります。
 そういう実例があるのなら迷い続けただろう。
 だが、組織球性肉腫に抗癌剤が効くということはまったく証明されていないのだ。わずかに効いた症例がいくつかあるというに過ぎない。

 効くかどうかわからない劇薬を飲ませ続けて、ワルテルの身体の健康な部分まで害するのか。
 効くかどうかはわからいけれど、副作用の心配のない身体に優しい治療を受けさせるのか。

 ふたつの選択肢を並べた場合、答えは自ずと決まってくる。

 不勉強にして実際にどうかはわからないのだが、人間の場合、効くという症例のない抗癌剤を患者に飲ませることはあるのだろうか?
 ないような気がするのだ。
 動物だから。
 それじゃ納得がいかない。

 ワルテルの病気が発覚してから、マージの時以上に癌や自然療法について勉強している。
 自然療法が魔法だとは思っていない。
 効くときもあれば、効かないときもあるだろう。だが、それは化学療法も同じだ。

 自分が癌になったら抗癌剤を飲むか?
 飲まないと思う。
 だったら、ワルテルの治療も自分と同じようにしてやろう。ただ、それだけのことだが、決断にはずいぶんと時間がいった。

 だが、決めた。もう、迷わない。

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 ワルテルは今、病院にいて、波動療法という治療を受けている。
 ドイツではじまった自然療法のひとつだ。
 話を聞くと、そのシステムは気功に驚くほど似ている。

 気功で思い出した。
 ある癌治療専門医の話。
 この医者は「代替療法、自然療法なんてインチキです、でたらめです、ある種の宗教みたいなものです」と全否定し、自分の患者にはがんがん抗癌剤を投与する。
 ある日ある時ある人がこの医者に聞いた。
「先生が癌になったら治療はどうするんですか? やはり抗癌剤ですか?」
「抗癌剤なんて絶対に飲まないよ」
 と医者は言った。
「じゃあ、どうするんですか?」
「そうだなあ、気功にでも頼ろうかなあ」

 裏を取ったわけではないので、ただの笑い話として読んで欲しい。こういう話もあるということだ。

 波動療法はめっちゃ気持ちがよくなるらしい。
 夕方迎えに行ったとき、あんなに病院に残されるのをいやがったワルテルがどんな顔をして出てくるのか、楽しみだ。

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  1. 2012/03/30(金) 11:33:11|
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元気の素



 昨日の夕方、義妹1号と雪音がやって来た。
 雪音を見た瞬間、ワルテルは激しく吠えはじめる。そして、にっかにかの顔になる。

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 家にいても散歩に出ても、四六時中雪音にまとわりつく。
 どうしてそんなに好きなのかなあ。

 今朝の散歩の時も、リードを外してやると雪音の前を歩き、「ちゃんとついてきてるか、雪音?」と言わんばかりに何度も立ち止まっては振り返る。
 雪音がなにかを手に取ると「それ、おれによこせ」と吠えかかる。

 雪音は4月から中学二年生で、もうすっかりお姉さんになってるというのに、ワルテルは全然変わらない。

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 今、ワルテルは父ちゃんの足もとで爆睡している。
 昨日から興奮しっぱなしでさすがにくたびれてしまったみたいだ。

 でも、また夕方雪音と散歩に行ったら、子供みたいに振る舞うんだろう。嬉しくてたまらず、尻尾ぶんぶんの顔にっかにかで動き回るんだろう。

 いいさ、いいさ。雪音が来ると身体の中に元気玉ができるんだもんな。
 本当に雪音はワルテルの元気の素だ。
 雪音がいる間、せいぜい楽しく過ごすんだぞ。

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  1. 2012/03/29(木) 11:56:01|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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今日も



 元気です!!

 父ちゃん多忙のため、今日は写真だけ~。


  1. 2012/03/28(水) 11:08:55|
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浴びる



残雪を求めて森の中に分け入ると、優しい陽射しが降り注いできた。
木々に葉が茂ると、陽光は森の中に入ってこられなくなる。真冬の昼は短い。
だからこれは、この時期だけの恩恵だ。

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ワルテル、いいなあ、気持ちがいいなあ。
森林浴と日光浴のダブルパンチだ。

いっぱい優しい日を浴びろ。
新鮮な空気をたくさん吸え。

ああ、笑ってるな、ワルテル。おまえにもこの気持ちよさがわかるんだなあ。

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父ちゃんとワルテルの、幸せなひとときでした。
 


  1. 2012/03/27(火) 09:10:02|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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家宝

 こいつ、本物の馬鹿か?
 もう何度も教えてるはずのことすっかり忘れてやがる。
 鳥頭め。

 しかしなんだなあ。とにかく構図的センスがゼロなんだよなあ。写真教えてて虚しくなってくるなあ。
 もう何年だ? 4年か。4年も写真やっててまったく進歩しないっていうのも恐るべき才能だなあ。

 コンすけのことである。

 おれとばぐちんという強面ふたりのところに勝手に押しかけてきて勝手に弟子を名乗って4年。

 もういい加減、こいつになにを教えたって無駄だと思ったことは数知れない。

 しかし、そんなコンすけの写真に変化の兆しが現れたのは去年の暮れからだ。

「おや? こいつ、一皮むけたか?」

 そう思わせる写真を撮るようになった。
 なったとはいっても、4年もかかっている。このデジタル時代、普通の人間なら一年で駆け抜けるところだ。

 その兆しを見せ始めたコンすけが、ばぐちんと共に軽井沢に来たことは先日書いた。
 馳家のファミリーポートレイトを撮るためだ。

 兆しを見せたとはいえ、コンすけにはあまり期待していなかった。コンすけだし。チンタだし。ママの家に住む男だし。
 メインのフォトグラファーはあくまでばぐちんで、コンすけは刺身のつまだ。助手だ。アシスタントだ。

 しかし、つい先日、チンタが自分の写真を送ってきた。

 それを眺めていて、不覚にも涙がこぼれそうになった。

 ばぐちんの写真がいいのは当たり前だ。ばりっばりのプロなのだから。
 しかし、コンすけの写真はそんなばぐちんを凌駕するものがいくつもあった。

 自分も犬を飼っている、犬のことがわかっている、そのアドバンテージももちろんある。
 だが、それ以上に、おれに喜んでもらいたい、最高の記念になる写真を撮りたいという気持ちが写真に乗り移っていた。

 自分で撮りたかったのに撮れなかった写真を、あの鳥頭でどや顔でママの家に住んでいるコンすけが撮ってくれたのだ。

 この4年間、本当に苦労させられた。しかし、その苦労もこの一連の写真のためだったのだなと思えば報われる。

 それほど素敵な写真をチンタは、もとい、ママの家に住む山猿は、もとい、コンすけは撮ってくれたのだ。

 兆しが現れてからでよかった。半年前のコンすけ写真ならゴミ箱行きだったかもしれない。

 ありがとう、コンすけ。
 おまえの写真、家宝にするよ。




 プライベート写真ということで撮ってもらったので、コンすけやばぐちんの撮ってくれた写真をブログにアップすることはありません。
 ご了承を。

 しかし、ふたりのブログでその一部を見ることはできます。


  1. 2012/03/26(月) 09:51:15|
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もっともっと、小さくな~れ!!



「明らかに小さくなっていますね」
 肺と左膝、二枚のレントゲン写真を見ながら医者が言った。
 我々素人には写真を見ただけではよくわからない。

「明らかに前回より大きくなっているということはないし、ミリ単位ですが小さくなっていると見ていいと思います」




 ワ ル テ ル ー !
 おまえはなんて偉いんだ! なんて凄いんだー!!!

 抱きしめて、キスの雨を降らせてやりたかったが、ワルテルは車の中だ。
 検査が終わると「もう、こんなところにいるのは嫌だよ!!」と全身で訴えるので、すぐ車に乗せてやることにしている。


 組織球性肉腫にかかるバーニーズの割合 25%
 組織球性肉腫を発症した全犬種の内、バーニーズの割合80%
 発症平均年齢 6.5歳
 腫瘍が発見されてからの平均生存日数 49日

 獣医師が見せてくれた資料にはそうあった。
 たったの49日。
 つまり、飼い主が「うちのワンコ、具合が悪そう」と気づいて病院に行っても手遅れのことの方が多いということだ。
 ワルテルは運がよかった。
 リンパ節にも肺にも転移して、肺の腫瘍なんて目を疑うほどでかいのに、それでも、ワルテルが不調を訴える前に発見できたのだ。治療に入れたのだ。

 このブログを見てくれているバニの飼い主さんたち。
 五歳を過ぎたら必ず健康診断を受けさせましょう。それもできれば年に二度。
 脅かすわけではないけれど、この病気はバニの宿命のようなもので、進行速度も速いのです。
 具合が悪くなってからでは遅い。
 その前に手を打てるよう、年に二度のレントゲン撮影を含めた健康診断を受けさせてください。
 25%です。4頭に1頭の割合でこの恐ろしい病気に襲われる可能性があるのです。

 ワルテルも、腫瘍が発生したのはおそらく昨年末。
 たった二、三ヶ月の間に恐るべき大きさにまで成長してしまいました。
 それでもまだいい方なのです。

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 腫瘍は小さくなっている。
 しかし、嬉しいことばかりではない。
 肝臓の数値が悪いのだ。先週の血液検査でも悪く、今週はさらに悪化していた。

 抗癌剤は毒だ。
 その毒と戦うためにワルテルの肝臓はフルパワーで戦っている。そして、疲弊しているのだ。

 本来ならば、三度目の抗癌剤を投与するかどうか、昨日判断するはずだった。
 しかし、肝臓の数値が下がらないかぎり抗癌剤は投与できない。

 もう、抗癌剤は入れない。
 検査結果が出るまではそう思っていた。腫瘍が小さくなろうがなっていまいが、もういい。
 そう思っていたのだ。

 だが、腫瘍が小さくなっていると聞いてその決意が揺らいだ。
 肝臓の数値が悪化しているのを知ってさらに揺らぐ。

 癌にかかったワンコのボスは厳しくて辛い選択の連続に直面しなければならない。

 そうならないためにも、是非、健康診断を!!



 

  1. 2012/03/24(土) 09:34:30|
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お子ちゃまモード発動



「なんだか今日のワルテル、顔つきが違うなあ。調子がいいのかな?」

 自然療法を施してもらっている先生がしみじみとワルテルの顔を覗きこんだ。

「あー、違うんです」
 父ちゃんは慌ててかぶりを振った。
「ソーラがヒートで犬舎に里帰りしてまして、そうするとこの小僧、格好つけてなきゃならない相手がいなくなったってんで、お子ちゃまの顔になるんです」

 そうなのだ。ソーラが犬舎に行った翌日、朝起きると、ワルテルのお子ちゃまモードが発動していた。
 まず顔つきが違う。態度も違う。
 ソーラがいるときはどんだけ格好つけているんだというぐらい違う。

 ソーラがいるときは絶対に見せない顔で、態度で、しかも何度も何度も父ちゃんに甘えてくる。
 母ちゃんが風呂に入ったりするとお子ちゃま度はますますアップする。

 しまいには「ワルテル、もう勘弁すれー。父ちゃん、おまえを撫で撫でしすぎて腕が疲れた~」と父ちゃんがギブアップする。

 男というのは難儀な生き物だなあ、と自戒をこめて思う。

 このお子ちゃまモードはソーラが帰ってくるとぴたりとおさまるのだ。

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「そうか、ワルテル、ソーラの前ではいつも格好つけてるのか」
 先生がワルテルを撫でる。
「でも、それをさっ引いてもワルテル、いい顔つきですよ。調子がいい証拠です。本当に元気だもんなあ。知らない人に、この子癌なんですって言ってもだれも信じないでしょう?」

 そう。
 見た目からはワルテルの病気はわからない。まったくわからない。
 癌を完全に消そうなんて思わない。そのためには治療も厳しく辛いものになる。
 今のまま、元気なまま、癌と付き合っていくのだ。
 癌を亡くすためにワルテルがぼろぼろになってしまうのは本末転倒だ。

 お子ちゃまでもなんでもいい。父ちゃん、毎日腕が疲れるまで撫で撫でしてやっから。
 だから、この元気をいつまでもいつまでも続けような。

 

  1. 2012/03/22(木) 09:37:06|
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変な冬



 今日のエントリーはすべて、先週の写真だ。
 久々の冬晴れで、青い青い青い空と冠雪した浅間の対比がとても美しかった。

 今年の冬は変な冬で、浅間の勇姿を楽しめる日が少なかった。いつもどんよりと曇っていたのだ。
 寒いことは寒かったが、例年のように冬晴れが続き、放射冷却で冷えるというのではなく、寒波が運んでくる冷気で寒かったというところだろうか。
 そのせいかどうか、寒い冬に特有のダイヤモンドダストや日暈、幻日といった自然現象に出くわすこともほとんどなかった。

 太陽が雲の向こうに隠れていたら、どうにもならないというわけだ。

 つまり、寒いがゆえの幽玄な景色を見られないということは、寒いだけ損ということではないかっ!!

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 まあしかし、この日の空と浅間は本当に綺麗だった。
 それでよしとするしかないのだろうなあ。

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 本日は自然療法の病院で診察です。新しい段階の治療に入る予定。
 行くぞ、ワルテル!!



  1. 2012/03/21(水) 09:00:44|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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ソーラが行ってしまった……



 昨日の昼過ぎ、犬舎のIさんとAさんがやって来た。
 ソーラを迎えに来てくれたのだ。

 その直前まで、ソーラは父ちゃんの仕事場で爆睡していた。来客に気づいたワルテルの吠え声で目が冷め、父ちゃんに連れられて玄関に行くと、ソーラはくるりと踵を返し、逃げはじめた。

 IさんとAさんのことは大好きだが、この時ばかりは嫌で嫌でしょうがないのだ。

 可哀想だがリードをつけて玄関へ連れ戻す。立派な身体がぶるぶる震えている。
 父ちゃんは胸がいっぱいになってソーラをぎゅっと抱きしめる。

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「できるだけ早く迎えに行くからな。我慢してくれ、ソーラ」

 父ちゃんの説得が効いたのか、ソーラは自分から犬舎の車に飛び乗った。
 この辺はワルテルとよく似ている。最初は抵抗しようとするが、ダメだと悟るとすぐに諦め、状況に適応するのだ。

 犬舎の車が行ってしまうと、父ちゃんはとってもとっても寂しくて、でもソーラはもういないから、仕方なくワルテルを抱きしめた。
 ワルテルは父ちゃんについているソーラの匂いを嗅ごうと必死だ。
 ヒート真っ最中のソーラがそばにいたら、ワルテルは寝ない、食べない、常に動き回るという状態になってしまう。

 ワルテルのためにソーラを犠牲にしているという気持ちが消えない。
 だから父ちゃんはなおさら寂しくなる、辛くなる。

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 ソーラ、寂しいよー。
 ヒートなんてとっとと終わらせて早く帰ってこいよー!!


 

  1. 2012/03/20(火) 09:22:28|
  2. Dog
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撮影会



 友あり、遠方より来たる。

 土曜と日曜、写真仲間のばぐちんコンすけが軽井沢にやって来た。

 我が家の家族写真を撮るためだ。

 わたしは撮り手だ。だから、連れあいと犬たちの写真はたくさんあるが、わたしと犬たちの写真は数えるほどしかない。どれもこれも、友人知人が撮ってくれたものだ。

 おれとワルテルたち写真を一杯撮ってもらいたい。
 そんな話をしていたら、ふたりが「行く-」と言ったのだ。

 ありがたくて涙が出る。

 土曜日はあいにくの天気だったが、撮影が始まるころには雨も小降りになっていた。

 たくさん撮ってもらった。げっぷが出るぐらい撮ってもらった。
 今度は四月に、桜の季節に撮ろうと言ってもらった。

 嬉しい、嬉しい、嬉しい。

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 ソーラは大はしゃぎ。ワルテルも最初はふたりを(特にコンすけを)警戒していたが、ソーラのテンションに引っ張られてはしゃぎはじめた。

 しかし、なんだか様子がおかしいなと思っていたら、日曜日の午後からソーラの出血がはじまった。
 ヒートだ(涙)

 しかし、撮影に間に合ってよかった。
 な、ソーラ、家族写真撮り終えるまでヒートになるの待っててくれたんだよな?

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 ソーラはばぐちんに甘え、ワルテルも自分の身体に触ることをばぐちんにゆるしたが、コンすけには近寄ろうともしなかった。
 犬は腹黒い人間のことがよぉくわかるのだなあ。


 ともあれ、ばぐちん、コンすけ、ありがとう。
 本当に感謝してます。




  1. 2012/03/19(月) 09:42:00|
  2. その他
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通院



 毎週金曜日は所沢まで通院。
 血液検査して薬もらうだけの往復四時間はきつい~。
 でも、ワルテルのためだから頑張って行ってくるか。

 それにしても、一週間が経つの早いな~、早すぎるな~。


  1. 2012/03/16(金) 09:00:34|
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Happy Birthday!!



 ソーラ、ソーラ、父ちゃんのソーラ!

 おめでとう! 誕生日おめでとう!!
 五歳だな。大人の女だな。そろそろ父ちゃんの娘から父ちゃんの愛人に昇格かな?

 ありがとう、ソーラ。父ちゃんを選んでくれてありがとう!
 何度も言うけど、父ちゃんはソーラにはめられたんだ。
 あれだけ大勢のバーニーズがいたのに、父ちゃんの目はソーラに釘付けだった。
 いつもぽつんとひとりでいて、寂しげで、ああ、この子はきっと犬舎での集団生活になじまないんだ、だったら父ちゃんが引き取って育ててやろう、そう思ったんだ。

 なのに!
 いざ一緒に暮らしはじめたら、集団生活がなじまない? なにそれ?
 だれに対しても超フレンドリーで、ドッグランでもみんなとすぐに仲良くなって、ああ、騙された、はめられた。

 でもいいんだ、ソーラだから。
 ソーラが父ちゃんを選んではめたんだから。

 おめでとう。誕生日おめでとう。

 ありがとう。病気のワルテルを、看病で忙しい父ちゃんと母ちゃんを、いつもにっかにかの笑顔で癒してくれてありがとう。

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 大好きだよ、ソーラ。
 ずっと父ちゃんのそばにいておくれ。

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  1. 2012/03/15(木) 08:59:28|
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デトックスっ!!



 今日はワルテルの治療のために家で行っていることの一端を紹介しよう。
 ただし、どんな犬にでも有効というわけではないので、参考程度に読んでもらいたい。

 まずは食事。
 デトックスのために水分の多い、スープ状の食事がメイン。目的は大量にシッコをさせる。それも色の薄い健康そうなシッコ。
 基本食材は馬肉、蒸したジャガイモ、カボチャ。これに青物野菜のみじん切りや大根や人参のすり下ろしをくわえる。
 おっと、忘れちゃいけないのがハタケシメジ。ありがたいことに軽井沢のスーパーではいつでも買えるので、まとめ買いして一週間ほど天日干しにする。それをすり鉢で粉末状にしてスープに投入だ。
 さらにスープには本くず粉も入れる。

 腸内環境をできるだけ整えたい。そのためには乳酸菌。ヨーグルトは不可ということなのでぬか漬けを二きれほど、これもみじん切りにしてスープに投入。

 食事以外では患部のマッサージ。
「小さくなーれ、小さくなーれ」と念じつつ、ワルテルの左膝を優しく撫で回してやる。
 小さくなーれはことあるごとに口に出す。小さくなーれと言いながらワルテルを撫でてやる。

 抗癌剤の副作用で吐き気を訴えることがある。
 舌をちろちろちろちろ動かすのだ。
 そんな時は葛練りの登場だ。
 大さじ三杯の本くず粉をカップ一杯の水に溶かし、火にかける。
 木べらで根気よくかき回していると白濁していた水が透明になってとろみが出てくる。さらに弱火で2、3分かき回し、あら熱を取ったらできあがり。
 きなこと黒蜜をかけたら立派なくず餅だなあ。

 そして最後に、もっとも重要なこと。
 楽しい毎日。にっかにかの一日。
 笑って、遊んで、ご飯食べて、父ちゃんと母ちゃんに撫で撫でしてもらって、ぐっすり眠ったら病気も退散する。

 そうだべ、ワルテル?

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  1. 2012/03/14(水) 11:29:16|
  2. その他
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楽しいねったら楽しいね



 人間たちはうんざり顔の大雪だが、やっぱり犬たちはうっきうきになる。
 ふかふかの雪の上を歩くのなら、ワルテルも靴を履かなくていい。

 もちろん、だからといって、ワルテルは好き勝手に遊んでいいわけじゃない。父ちゃんのばりばりの監視の下、身体に負担がかからない程度に遊ばせてもらえるだけだ。

 ソーラがワルテルの分も走る。駆け回る。

 ひとりで走り回るのに飽きると、勝手にステイがはじまる。父ちゃんのコマンドが出たわけでもないのに勝手にステイして、父ちゃんが「カム」と言ってくれるのを待つのだ。

 10メートル、20メートル、30メートル……もう50メートル離れたかな?
 そう思って振り返るとソーラはステイを続けている。

「カム」

 叫ぶやいなや、ソーラが猛然とダッシュする。

 これを何度も繰り返すのだ。

 胃捻転からはじまって、靱帯断裂の二回の手術。ワルテルが怪我をしたり病気になったりするたびに、ソーラはひとり遊びが上手になっていく。

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 そんなソーラを見ていると、父ちゃんの胸は熱くなる。
 なんていじらしいんだろう。なんていい子なんだろう。ワルテルと心ゆくまで遊ばせてやれたらいいのに……

 だけど、大丈夫。
 ソーラはにっかにかだから。

 楽しいの、楽しいのーと全身で叫びながら駆け回ってるから。

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  1. 2012/03/13(火) 10:12:18|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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やばいっ!!



 やばい、やばい、やばいっ!!

 でも安心して、ワルテルのことじゃないから。

 やばいのは父ちゃんと母ちゃん。

 週に三日、ワルテルを病院に連れて行ってるので、父ちゃんの仕事時間、実質半分減。夜はなるべく仕事しないようにしてきたけど、そんなこと言ってられない~!!

 母ちゃんは確定申告が迫って大慌て(今頃かい!!)。
 毎日毎日領収書の束とにらめっこ。頭が痛い、胃が痛いと嘆いてる。

 人間たちはやばいやばいの連発だけど、土曜日にまた大雪が降って、犬たちは大喜び。
 きゃっきゃきゃっきゃはしゃいでる。

 そんな姿を見てると、やばくてもまあなんとかなるかと思えてくるから不思議だ。

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 おまけに、久々にワルテルのいいポートレイトが撮れたから、仕事のことを考えないかぎり、ご機嫌な父ちゃんだった。


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  1. 2012/03/12(月) 09:57:18|
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一年……



「元気だし、毛艶もいいし、びっくりです」
 化学療法を担当している獣医師がワルテルを診て感嘆した。

 抗がん剤を使うと元気がなくなる、毛艶が悪くなる、髭が抜ける等々、見た目にも辛い変化が起こることが多いと聞いている。

 だが、ワルテルは変わらない。少なくとも見た目は全然変わらない。

 自然療法のおかげか、おれたち家族の愛情がなせる業か、それともこのブログを読んでくれているみんなの応援のためか。

 なんでもいい。

 ワルテルは元気だ。
 それが一番だ。理由なんてどうでもいいんだ。

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 あの目を覆いたくなるような大災害からもう一年になる。
 政府の嘘と、被災者たちをないがしろにするこの国の人々にうんざりしながら、それでも、2時46分になったら黙祷を捧げようと思う。

 この数日、震災関連の特番が相次いで放映されているけれど、テレビでも新聞でもなんでも、被災地に残された死体を映すことがない。
 ネットで海外のメディアを検索すればいくらでも見ることができるのに、そして、その被害の凄まじさ、死んでしまった人たちへ思いを馳せることができるのに、この国はとにかく臭いものに蓋をして済ませようとする。

 あの夥しい数の死体を見せればいいのだ。
 そうすれば、こうも早く大震災のことが風化することもないだろう。
 瓦礫の受け入れ拒否なんて自分勝手なことを言い出す連中も減るだろう。

  もう少ししたら、海外の新聞サイトに飛ぼうと思う。写真にとらえられた無数の死のために祈りを捧げるのだ。



  1. 2012/03/11(日) 13:17:47|
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靴は苦痛~(おやぢギャグですみません)



 二回目の抗がん剤を投与されてから4日目、この辺りから副作用で急激に白血球数が減りはじめる。
 ちょっとした怪我でも抵抗力がない状態だから、充分に気をつけてやらなければならない。

 だから、ワルテルに靴を履かせた。

 いや~、嫌がること、嫌がること(笑)
 慣れてないから歩き方がペンギンみたいだし、恨みがましい顔つきだし。

 リードを外してやっても、これとってくれなくちゃ嫌だと言わんばかりにその場にうずくまる。

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 父ちゃん、その顔を見ていると胸が塞がれた。

 いやだよな、いやだよな。
 週に三日も病院に連れて行かれて、注射だ検査だ。毎日たくさんの薬飲まされて、おまけに今度は靴だ。
 いやだよな。可哀想にな。

 ワルテルを思いきり抱きしめてやりたい。

 だが、父ちゃんは心を鬼にする。

「靴、いやだよな、ワルテル。でも、父ちゃんも母ちゃんもワルテルのためにやってるんだぞ。病気がわかってから嫌なことばかりだけど、いいこともあるだろう。母ちゃんが作ってくれるご飯美味しいだろう? 毎朝家族みんなで散歩に行って嬉しいだろう? 父ちゃんだって最近超優しいと思わないか? うん? 嫌なことだけじゃなく、いいことだって一杯あるだろう」

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 話しかけていると、ワルテルの表情がゆるんできた。
 ほっ。やっと機嫌が直ったか。さ、散歩に行こう、ワルテル。

 そう思った瞬間、にっかにかの顔をしたソーラが父ちゃんとワルテルの間を駆け抜けていった。

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 途端にワルテルの顔つきが元に戻った。

「ぼくも遊びたい、走りたい、これ取って~」

 せっかく説得が成功しかけてたのに、なんてことしてくれるんだ、ソーラっ(涙)

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 明日の更新はおやすみです。








  1. 2012/03/08(木) 09:43:53|
  2. その他
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過酷な現実



 今日の午前中は自然療法の病院へ行ってきた。
 自然療法には期待しているし、獣医さんのことも信頼している。

 しかし、毎度のことながら、いざ支払いの段になると頭が痛くなる。
 自然療法は高いのだ。

 日本では認知度が低いため、薬その他のコストが高い、動物の医療保険に入っていたとしても代替療法には適用されない、などなど。
 理由は多々あるのだが、とにかく高い。

 わたしはまだなんとか支払える。しかし、一般的な収入の家庭なら、愛犬が癌にかかったからといっておいそれと診察に行ける額ではない。

 マージの時の経験や、知り合いから聞いた話でも、我々が通っている病院が特別高いわけではないのはわかっている。
 それでも、支払いの時には頭が痛くなるのだ。

 自然療法、代替療法の認知度が高まって、治療を求める人が多くなればコストも下がってもう少し安くなるのだろうが、それにしたってずっと先の話だ。

 結局、癌のような病気にならないように日頃から気をつける。それしかないことに気づくのだ。気をつけていたつもりだったとしても(苦笑)。

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 日曜日と月曜日、ワルテルは気持ち元気がなかった。
 体温を測ると38.3度。平熱が37.7度ぐらいなので、微熱だ。抗がん剤の影響だろう。
 そんなワルテルを見ていると抗がん剤を投与することもためらわれてくる。

 悩む、悩む、悩む。
 悩みまくりの今日この頃。

 でも、犬の前では笑い続けている。

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  1. 2012/03/07(水) 12:13:48|
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クマさん夫婦の贈り物



 クマさんというのは東京某所のレストランのオーナーシェフだ。ひょんなことから知り合って、シェフと客という関係よりずっと濃密なつきあいをさせてもらっている。
 マージを連れてはじめて軽井沢に来たのはクマさんの別荘に滞在するためだったし、それがあったからこそ、マージの最後の夏を軽井沢で過ごそうと決め、そして軽井沢町民になってしまったのだ。

 クマさんは軽井沢にもレストランを持っている。
 毎年、2月になると夫婦で軽井沢にやって来て、我々夫婦を誕生日ディナーに招いてくれるのだ。
 今年もその招待状が来た。
 思い切って今年は我が儘を言わせてもらった。レストランではなく、クマさんの別荘に招待してくれないだろうか。別荘なら、ワルテルたちも一緒にくつろぐことができる。

 もちろん、返事はOK,即答だった。クマさんたちもワルテルの病気のことは知っている。

 日曜日、我々はいそいそと出かけた。
 クマさん別荘に着くと、ワルテルの顔色が変わった。
 何年かぶりの訪問だったが、ワルテルはしっかりと覚えているのだ。

「ここはおっきいおじさんの家だ。おやつをたくさんくれるおっきいおじさんの家だ!!」

 別荘に入ってからも、ワルテルはただひたすらにクマさんの一挙手一投足を目で追っている。いつおやつがもらえるのか、頭の中にあるのはそれだけだ。
 ソーラは奥さんに甘えまくっている。

「ワルテルにおやつあげちゃだめなんでしょ?」
 クマさんが聞いてきた。
「火を通した肉ならOKだよ」
 わたしは言った。

 ワルテルにおやつをあげられないと思い、しょんぼりしていたクマさんの目が輝いた。

「そっか、ワルテル、肉ならいいのか。だったら、めちゃくちゃ美味しい肉焼いてやるからな!!」

 クマさんが持ってきた肉を見て腰を抜かしそうになった。
 おそらく、クマさんのレストランで人間様が食べたらん万円はする。そんな超高級仙台牛が出てきたのだ。

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 塩胡椒もせず、ただ石窯で焼いただけのステーキを小さく切り分け、クマさんはそれをワルテルとソーラに与える。

「美味しいか、ワルテル、ソーラ? 美味しいだろう。人間だってこんなにいい肉滅多に食えないんだぞ」

 ワルテルもソーラもクマさんに張りついて離れない。
 わたしも、その肉をつまみ食いした。ああ、本当に美味しい肉って、塩っけがなくても食えるのね~。

 抗がん剤の副作用か、微熱が出て調子がイマイチだったワルテルだったが、大満足の夜を過ごしたのだった。

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 もちろん、大満足だったのは犬たちだけではない。
 我々の食事も最高だった。
 前菜は骨付きラムばら肉のチャーシュー風味。続いて仙台牛のタルタル、大振りのハマグリを惜しげもなく使ったクラムチャウダー、カニとしめ鯖のサラダ、フォワグラを使ったディップをトルティーヤに載せて食べ、もうお腹いっぱいだというところで牡蠣飯が出た。これもまた絶品。なにしろ、土鍋にお米と牡蠣を入れ、それを石窯で炊くのだ。うまくないわけがない。

 もう食えない、もうダメ~と思っていたら、この日最高のスペシャルがやって来た。

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 スイーツである。サワークリームのムースとガトーショコラに蜂蜜がかかっている。
 写真では伝わらないだろうが、この蜂蜜がただの蜂蜜ではなかった。

 悪魔の蜂蜜だったのである。

 なにも知らされずにムースを口に放り込む。ほどよい酸味と甘みが口の中に広がった直後、えもいわれぬ香りが口から鼻に抜けていった。

「トリュフ?」
「そう。最高級白トリュフの香りを移した蜂蜜なの。うまいでしょ?」

 うまいなんてものではない。
 即座にガトーショコラを食べた。カカオの苦みの直後、またあの香りが鼻に抜けていく。

 なんたる香り、なんたる旨さ。
 わたしは食いしん坊で、世界中のうまいものを食べてきたが、断言しよう、わたしの生涯でなによりもうまいスイーツは、この悪魔の蜂蜜をかけたスイーツである。
 人間が味わっていい美味しさの限界を超えかけている。
 だからこそ、悪魔の蜂蜜とわたしが命名したのだ。

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 この悪魔の蜂蜜の余韻と共に吸うシガーの、なんと美味しいことか。
 次はクワトロフロマージュのピザにこの悪魔の蜂蜜をかけて食べたい、絶対食べるー!!
 そう宣言してしまった。

 2月以降、外食などほとんどしていなかった。留守の間にワルテルの病状が悪化するのが怖くて、いや、それ以上に一秒でもワルテルと離れていたくなくて、ずっと家にいた。
 だが、そんな日々も、この日、この夜がすべて吹き飛ばしてくれた。

 クマさん、みはるさん、本当にありがとう。
 あの肉をばくばく食ったワルテルの体内では、間違いなくナチュラルキラー細胞が増えたはずです。






  1. 2012/03/06(火) 09:46:27|
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またも大雪!



 抗がん剤の影響か、昨日辺りからワルテル、若干元気がないように感じられる。
 しかし、夜は友人のはからいで人間も犬たちも超素敵な夜を過ごさせてもらった(詳細は明日)。
 そして、昨夜から大雪。
 もう、20センチ以上積もっている。

 夜には雨の予報なので、父ちゃん、雪かき拒否。すぐ溶けるってわかってるもんを雪かきなんかできるかー!!

 その代わり、いつもより長めの散歩で犬たちと遊んだ。

 ワルテルもソーラも大満足の夜から朝だった。

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  1. 2012/03/05(月) 09:28:23|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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白い光の中で



 先週の火曜日、気温-12度。朝から小雪がちらついていた。
 -12度で降る雪は、雪というよりは小さな小さな氷のかけらで、朝日を浴びてダイヤモンドのように煌めく。

 この日、久々に離山に登った。
 ワルテルの病気が発覚してからは登山どころではなかったのだ。

 離山の八合目から上は真っ白な世界だ。地面は雪、木々も樹氷に覆われて白い。そして、空は青。どこまでも深い青。

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 登った者だけが見ることをゆるされるあまりにも美しいコントラスト。
 太陽が高く昇ると、陽光が樹氷を突き抜けて降り注いでくる。それはまるで白い光のトンネルの中を歩いているかのようだ。

 ここでワルテルとソーラの写真を撮りたい。絶対に撮りたい。

 今シーズンは無理だろう。抗がん剤の影響もあるが、なによりもう気温は下がらない。離山の木々が樹氷に覆われることもほとんどなくなるはずだ。

 ならば、来シーズンだ。
 ワルテル、病気に打ち勝って、次の冬はここで遊ぼう。ここで写真を撮ろう。
 もし病気に勝てなくても、父ちゃんがおまえをおぶってここまで連れてきてやる。

 どうしてもっと前にここに連れてきてやらなかったんだろう。どうして、どうして、どうして……
 愛犬の病気と闘っていると、いくつもの「どうして」が頭をよぎっていく。

 だが、圧倒的な美しさは頭の中の「どうして」をすべて吹き飛ばしてくれる。

 本当に綺麗なんだぞ、ワルテル。

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 ↑ここでワルテルたちの写真を撮りたいのだ。




  1. 2012/03/04(日) 09:29:15|
  2. 登山
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偉いぞ、ワルテル!



 肺と左膝関節の病変に変化は見られません。

 医者が言った。
 思わずガッツポースをしそうになった。
 組織球性肉腫は進行の速い癌なのだ。それが現状維持ということは病気と互角に戦っている、いや、打ち勝っていると言ってもいい。

 リンパ節の病変は若干ながら縮小傾向が認められる。
 これを聞いたときは涙が出そうになった。

 ワルテル、偉いぞ。頑張ってるな、凄いな、格好いいな、男の中の男だな!

 ワルテルを誉めまくってやった。いくら誉めてやっても誉めたりない。

 すげーぞ、ワルテル!!

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 帰宅すると、連れあいと祝杯をあげた。
 久々に酒を旨いと感じられた。

 まだまだ闘いは続くし、こんなことぐらいでぬか喜びしている場合ではないのだが、いいよな、ゆるしてくれるよな、ワルテル?

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  1. 2012/03/03(土) 10:53:07|
  2. その他
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ソーラも頑張っている



 散歩の時間が短い。
 さらにそのうえ、ワルテルとあんまり遊ばせてもらえない。
 ワルテルはしょっちゅうおやつ(薬玉)をもらってるのに、自分はあんまりおやつをもらえない。
 ワルテルの診察の間はずっと車でお留守番させられる。

 時々じとーっとした顔つきをしているけど、ソーラは笑う。
 父ちゃんが声をかけると笑う。母ちゃんに撫でてもらって笑う。

 ワルテルと遊べなくても平気。ひとりで雪原を駆け回る。父ちゃんが「カム」って言うと、尻尾をぐるんぐるん振り回して走ってくる。

「ソーラ、いろいろ大変だけど、我慢してくれな」
 そう言うと、ソーラはきりっと引き締まった顔をする。

「わたしは平気なの!」
 そんなふうに言ってるみたいだ。

 なんていい子なんだろう。なんて健気なんだろう。父ちゃんはソーラが可愛くてしかたがない。

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 もちろん、お気楽坊主はソーラがどれだけ頑張っているか、気がついている様子もない(爆)

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 明日は朝一から所沢の病院で、ワルテル、二回目の抗がん剤投与の予定です。
 「ワルテル、抗がん剤の副作用なんてぶっ飛ばしちゃえ!」のエールお願いします。
 明日の更新はおやすみします。




  1. 2012/03/01(木) 09:57:37|
  2. Dog
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プロフィール

軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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