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ワルテルと天使たちと小説家

白い光の中で



 先週の火曜日、気温-12度。朝から小雪がちらついていた。
 -12度で降る雪は、雪というよりは小さな小さな氷のかけらで、朝日を浴びてダイヤモンドのように煌めく。

 この日、久々に離山に登った。
 ワルテルの病気が発覚してからは登山どころではなかったのだ。

 離山の八合目から上は真っ白な世界だ。地面は雪、木々も樹氷に覆われて白い。そして、空は青。どこまでも深い青。

12_0228_4.jpg

 登った者だけが見ることをゆるされるあまりにも美しいコントラスト。
 太陽が高く昇ると、陽光が樹氷を突き抜けて降り注いでくる。それはまるで白い光のトンネルの中を歩いているかのようだ。

 ここでワルテルとソーラの写真を撮りたい。絶対に撮りたい。

 今シーズンは無理だろう。抗がん剤の影響もあるが、なによりもう気温は下がらない。離山の木々が樹氷に覆われることもほとんどなくなるはずだ。

 ならば、来シーズンだ。
 ワルテル、病気に打ち勝って、次の冬はここで遊ぼう。ここで写真を撮ろう。
 もし病気に勝てなくても、父ちゃんがおまえをおぶってここまで連れてきてやる。

 どうしてもっと前にここに連れてきてやらなかったんだろう。どうして、どうして、どうして……
 愛犬の病気と闘っていると、いくつもの「どうして」が頭をよぎっていく。

 だが、圧倒的な美しさは頭の中の「どうして」をすべて吹き飛ばしてくれる。

 本当に綺麗なんだぞ、ワルテル。

12_0228_6.jpg

 ↑ここでワルテルたちの写真を撮りたいのだ。




  1. 2012/03/04(日) 09:29:15|
  2. 登山
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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