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ワルテルと天使たちと小説家

家宝

 こいつ、本物の馬鹿か?
 もう何度も教えてるはずのことすっかり忘れてやがる。
 鳥頭め。

 しかしなんだなあ。とにかく構図的センスがゼロなんだよなあ。写真教えてて虚しくなってくるなあ。
 もう何年だ? 4年か。4年も写真やっててまったく進歩しないっていうのも恐るべき才能だなあ。

 コンすけのことである。

 おれとばぐちんという強面ふたりのところに勝手に押しかけてきて勝手に弟子を名乗って4年。

 もういい加減、こいつになにを教えたって無駄だと思ったことは数知れない。

 しかし、そんなコンすけの写真に変化の兆しが現れたのは去年の暮れからだ。

「おや? こいつ、一皮むけたか?」

 そう思わせる写真を撮るようになった。
 なったとはいっても、4年もかかっている。このデジタル時代、普通の人間なら一年で駆け抜けるところだ。

 その兆しを見せ始めたコンすけが、ばぐちんと共に軽井沢に来たことは先日書いた。
 馳家のファミリーポートレイトを撮るためだ。

 兆しを見せたとはいえ、コンすけにはあまり期待していなかった。コンすけだし。チンタだし。ママの家に住む男だし。
 メインのフォトグラファーはあくまでばぐちんで、コンすけは刺身のつまだ。助手だ。アシスタントだ。

 しかし、つい先日、チンタが自分の写真を送ってきた。

 それを眺めていて、不覚にも涙がこぼれそうになった。

 ばぐちんの写真がいいのは当たり前だ。ばりっばりのプロなのだから。
 しかし、コンすけの写真はそんなばぐちんを凌駕するものがいくつもあった。

 自分も犬を飼っている、犬のことがわかっている、そのアドバンテージももちろんある。
 だが、それ以上に、おれに喜んでもらいたい、最高の記念になる写真を撮りたいという気持ちが写真に乗り移っていた。

 自分で撮りたかったのに撮れなかった写真を、あの鳥頭でどや顔でママの家に住んでいるコンすけが撮ってくれたのだ。

 この4年間、本当に苦労させられた。しかし、その苦労もこの一連の写真のためだったのだなと思えば報われる。

 それほど素敵な写真をチンタは、もとい、ママの家に住む山猿は、もとい、コンすけは撮ってくれたのだ。

 兆しが現れてからでよかった。半年前のコンすけ写真ならゴミ箱行きだったかもしれない。

 ありがとう、コンすけ。
 おまえの写真、家宝にするよ。




 プライベート写真ということで撮ってもらったので、コンすけやばぐちんの撮ってくれた写真をブログにアップすることはありません。
 ご了承を。

 しかし、ふたりのブログでその一部を見ることはできます。


  1. 2012/03/26(月) 09:51:15|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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