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ワルテルと天使たちと小説家

三ヶ月……



 2月の頭に、ワルテルが組織球性肉腫に冒されていると判明してから三ヶ月が経った。
 下手をしたら、病気の発覚から一月ちょっとで死んでしまうこともある病気だ。それが三ヶ月。短いのか長いのか、よくわからない。

 このブログを読んでいない人たちに「実は、ワルテルはちょっとやっかいな癌に冒されてるんです」と言っても、すぐには信じてもらえない。
 それぐらい、ワルテルは見た目が変わらないし、活力も旺盛だ。

 だが、それでも、激しく動き回ったり興奮したあとは疲れが見えるようになっている。それが年のせいなのか、癌のせいなのかはよくわからない。
 癌じゃなくてももう8歳なのだ。バーニーズなら充分に老犬の域だ。

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「癌をなくそうとは思わないでくださいね」
 自然療法の専門医はそう言う。癌を消そうと思ったら、負担の重い治療を施すことになり、ワルテル自身を痛めつけることになる。
 だから、これ以上大きくならないでください、悪さをしないでくださいと癌にお願いしながら闘病するのだ。
 癌は突然やってきたお客さんのようなもので、追い出すこともできないのだから、客がもういいと言うまで付き合わなければならない。

 我々はワルテルの癌とうまく付き合っているだろうか?

「注射も薬もただのサポートです」
 医者はそうも言う。
 治療のメインは家庭にある。身体にいい食事とストレスのない幸せな毎日。それがワルテルの免疫力を高め、癌の増殖を抑える。

 実はソーラの脇の下にも腫瘍ができていた。検査をしてもらったら良性だったのでほっとしたのだが、それでも、いつか悪性に変わる可能性があるので折を見て切除手術をした方がいいと西洋医学の獣医師には言われていた。
 だが、ワルテルと一緒にソーラの食事を変えてから三ヶ月、ウズラの卵ほどもあった脇の下のふくらみはどんどん小さくなり、今では小指の先ほどしかない。
 ソーラは治療を受けていない。だから、これは食事のおかげだとしか思えない。

 ソーラの腫瘍が食事のおかげで小さくなった。
 だから、ワルテルの癌も……ソーラのおかげで、ワルテルの癌が小さくなるイメージを想起しやすい。

「小さくなーれ、小さくなーれ」
 ソーラの小さくなった腫瘍をイメージしながら、ワルテルにマッサージを施してやる。
 ワルテルは幸せそうに目を細める。
 わたしも撫で撫でしてほしーのー、とソーラがやって来る。
 ソーラとワルテルに甘えられて、父ちゃんは自分がどれだけ幸せなのかということを実感する。

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「お客さんとは長いつきあいになりますからね、覚悟して」
 医者は言う。
 お客さんとはもちろん、ワルテルの癌のことだ。

 長くて結構。いや、長くなくては困る。覚悟はできている。
 一ヶ月が三ヶ月に、三ヶ月が半年に、半年が一年に……
 できるだけ長く、癌と付き合っていくんだ。
 な、ワルテル?

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  1. 2012/05/09(水) 09:48:48|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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