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ワルテルと天使たちと小説家

怖くて聞けなかったんだ、の話



 昨日はソーラを北軽井沢の病院でシャンプーしてもらった。
 朝九時に連れていって、夕方四時に迎えに行く。本当なら昼過ぎには終わっているはずなのだが、父ちゃん、時間がなくて夕方まで迎えにいけないのだ。

「父さん、父さん、寂しかったの、怖かったの、もっと早く迎えに来てなのー!!」
 父ちゃんを見てはしゃぎまくるソーラをなだめていると、院長先生がやって来た。


「馳さん、ワルテル、どう?」

 ずっとお世話になってきたし、院長先生にはワルテルが組織球性肉腫に冒されていること、化学療法はしないことなどを伝えてあったのだ。
 その際、先生は「うん、それでいいと思うよ。抗癌剤じゃ治らないし、あれ、毒だからね。毒入れて身体ぼろぼろになるより、余生を楽しく過ごさせてやったほうがいいよ、絶対」と言ってくれたのだ。

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「全然元気ですよ」
 父ちゃんは答えた。
「左後ろ脚が不自由になっちゃってるけど、それ以外は食欲もあるし、ほんとに元気です」

「それはよかった」
 院長先生は目を輝かせた。
「実は、朝も馳さん見かけたんだけど、怖くて聞けなかったんだ」

 つまり、院長先生はワルテルはもう虹の橋のたもとに旅だったと思っていたのだ。
 そりゃそうだよなあ。組織球性肉腫だもの。院長先生に報告して、三ヶ月以上経っている。
 院長先生も、この病気に冒されたワンコを何頭も何頭も診ているのだ。

 院長先生はグレートピレネーズを飼っている。男の子と女の子、一頭ずつ。だけど、去年、男の子の方が虹の橋のたもとに旅だった。
 その時、うちの母ちゃんが先生にこう言ったのだ。

「先生、今度はバーニーズ飼ったら?」

 そうしたら、院長先生は即答した。
「バーニーズは嫌だ。癌で死ぬ子が多すぎる……」

 そうなんだなあ、やっぱり、多犬種に比べて癌死亡率が異様に高いんだなあ。

 それがわかっていても、父ちゃんはバーニーズと暮らすことをやめられない。いつか、ワルテルが逝っても、ソーラが逝っても、父ちゃんは別のバーニーズと暮らしているだろう。

 閑話休題。

 西洋医療のべてらん医師がとうに旅立っていると思い込んでいたワルテル。実際、あのまま抗癌剤治療を続けていたら、先生が考えたのと同じことになっていたのかもしれない。
 でも、ワルテルは元気で(連日の暑さと雷でかなりくたびれているけれど)、父ちゃんと母ちゃんのそばにいてくれている。

 本当にありがたいことだなあと思う今日この頃なのだ。

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  1. 2012/07/31(火) 11:28:30|
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お留守番は嫌いなの



 連日、こうも暑くては、短時間でも犬を車の中に置いておくことはできない。
 なので、毎週火曜日と金曜日、ワルテルの通院の日はソーラはひとり、家で留守番ということになる。

 出かける前に、父ちゃんの仕事部屋のクーラーをONにして、ソーラを入れる。ドアを閉めると「ぶひぶひ、ぶこぶこ」と子豚のような鳴き声が聞こえはじめる。
 ソーラが「父さん、留守番嫌なの! わたしも連れてってなのー!!」と訴えているのだ。

 心が痛むが、ここは心を鬼にしなければならない。断じて熱中症の危険にさらすわけにはいかないのだ。
 こないだなんか、小諸、36度あったけんね。車のエアコン止めたら、一分で蒸し風呂になるけんね。

 しかし、先日はあまりに「ぶひぶひ、ぶこぶこ」が凄かったので、父ちゃん、出かける前にソーラと「会話」した。
 ソーラの目を真っ直ぐに見つめて語りかけるのだ。

「ソーラ、留守番嫌なのはわかるが、これはソーラのためなんだ。車の中あっちっちだろ? おまけにソーラは病院がこわこわで待合室で待つこともできないだろ? 車の中にいたら、ソーラ、死んじゃうんだ。父ちゃん、それが嫌だから、可哀想だけどソーラにお留守番させるんだ。ソーラはいい子だろう? 父ちゃんの自慢の犬だろう? できるだけ早く帰ってくるから、いい子で留守番してておくれ」

 ソーラは静かに父ちゃんの言葉を聞いていた。
 部屋を出てドアを閉めても、もう「ぶひぶひ、ぶこぶこ」は聞こえなかった。

 なんていい子なんだろう。

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 しかし、二時間後に帰ってくると、父ちゃんの部屋のティッシュ箱が完膚無きまでに破壊されていた。
 床はくしゃくしゃぐじゅぐじゅになったティッシュで埋め尽くされていた。

 まあ、いいや。
 心の中でそう思いながら、しかし、ボスであることをやめることはできないので、こんこんとソーラに説教した。

 可哀想なソーラ……

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  1. 2012/07/30(月) 10:35:19|
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朝に賭けろ!



 太陽ぎらぎらあっちっちー。
 あんまり暑くて、夕方の散歩もあっという間に終わる。ソーラが歩きたがらない(苦笑)。

 気象台の発表じゃ、最高気温は28度ってことだけど、嘘つけ。日向は絶対30度越えてるぞ!!

 でもでも、朝方は空に雲がかかってて、気温は18度前後。
 毎朝判で押したような天気で、父ちゃん、写真撮るにはきついけど、犬たちには天の恵み。
 だって、お日様が出てきたら気温急上昇だもんな。

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 ワルテル、ソーラ、今のうちだぞ。特にソーラ、好きなように動き回れるの、朝だけだ。
 思いっきり散歩を楽しめるのは朝だけだぞ。

 はあはあになったら、アスファルトの上にダウンだ。ひんやりして気持ちいいだろう?
 それも朝だけだ。お日様でたらたちまちあっちっちーだかんな。

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 さあ、好きなだけ遊んだら、暑くなる前に車に乗ろう、家に帰ろう。
 冷たくて美味しいスープがかかったご飯食べて、涼しい部屋でねんねこしよう。




 我が家はとうとう、朝五時起きのサマータイムが導入されました(涙)。




  1. 2012/07/27(金) 09:07:23|
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兄妹



 ワルテルが我が儘だ。
 父ちゃんと母ちゃんが優しく接するのをいいことに、ワルテルは日々増長していく。
 まあ、しかたのないことだとわかってはいるが、ほんと、ワンコってやつらは下手に出ると驚くほど調子に乗る。

 ご飯だぞと声をかけても動かない。こっちまでご飯持ってきてという態度だ。
 腹を立てて叱ると、途端に機嫌が悪くなる。
 
 散歩の時も「ぼく、まだ行きたくない!」
 おまえの都合なんか聞いてないんだよと玄関まで無理矢理連れて行くと、また不機嫌になる。

 母ちゃんに対する態度はもっと露骨だ(苦笑)。

 それでもまあ、やってはいけない最低のラインというのを越えることはない。ちゃんとわかっていて我が儘を言うのだから始末に負えない。

 そんなワルテルも、ソーラには我が儘を言わない。ソーラがなにをしても怒らない。
 兄ちゃんは妹には寛大なのだ。

 だから、父ちゃんもワルテルにもっと寛大になれってか?

 ともかく、仲睦まじく戯れるワルテルとソーラを見ていると、父ちゃんの頬が緩むことは間違いない。

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 一枚目の写真は父ちゃん、大のお気に入り。
 でっかくプリントして飾るのだ。




  1. 2012/07/25(水) 09:29:20|
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今年も飛んだ

 7月に入ってから、夜になると必ず庭を眺めていた。
 でも、庭にはなんの変化もない。
 今年はだめなのかなあと、半ば諦めていた。

 去年の7月、上旬、我が家の庭をホタルが舞った。
 今年はもっと数が増えるだろう。そうしたら、写真を撮ってやろうと思っていたのだ。

 だが、7月になっても、梅雨が明けてもホタルの姿は見えなかった。
 やっぱり、今年はだめなのか……

 ところが、昨日、煙草を吸うために外に出たら(ワルテルの病気発覚以来、我が家は家内禁煙)、目の前を緑色の光がすっと横切っていった。

 ホタルだ。
 見れば隣の別荘の敷地や我が家の裏の林で、緑の光が明滅していた。
 5月、6月が寒かったからか、去年より十日ほど遅い。数も去年と変わらず、3、4匹。
 それでもホタルだ。

 母ちゃんを呼んで、しばらくホタルの舞いを眺めた。
 花火なんかよりホタルの方が断然いい。風情があって、いつまで眺めていても飽きない。

 充分ホタルを堪能して家に戻ると、ワルテルとソーラが「なにやってんだよー!」「わたしたちを放っておいてなにしてたのー!」とぷんすかになっていた(苦笑)。






  1. 2012/07/24(火) 11:33:55|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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母ちゃんの涙



 気がついたら母ちゃんが泣いていた。
 どうしたのかと訊いたら、こう答えた。

「ワルテルが晩年のマージみたいなの」

 確かに、猛暑が続いてワルテルはくたびれていた。
 明らかに調子が悪そうなので、医師に相談し、しばらく、動物性たんぱくを抜いた食事を与えた。
 肉がないと食事にそっぽを向き、なだめすかして食べさせて、それでも食事の量はがくんと落ちた。体力も落ちる。
 ちょっと動いただけですぐに疲れ、目がしょぼしょぼになる。

 そのしょぼしょぼした目が、確かに、最後の数ヶ月のマージの目に似ていた。

 それで母ちゃんの感情が決壊してしまったのだ。

 ワルテルがいなくなったら、母ちゃんはどうなっちゃうんだろうと心配しながら、「一時的なことだよ、すぐに元気になるよ」と父ちゃんは慰めた。

 時々切なくなるけれど、父ちゃんはもう覚悟ができている。
 明日とか来週とかにワルテルが旅立つってことじゃない。
 いつか、間違いなく父ちゃんより先にワルテルは逝くのだ。その時の覚悟ができている。

 だから、泣く代わりに笑う。
 将来を思う代わりに今を大切にする。

 もうすぐ、ワルテルの病気が発覚してから半年になる。多分、化学療法を続けていたら今頃ワルテルはいなかったんじゃないかな。少なくとも、身体はもっとぼろぼろになっていただろう。
 それを考えると、日々頑張っているワルテルに感謝するしかない。

 重い癌を患った犬の看病をしているというより、脚が悪くなった老犬の介護をしているというのが偽らざる実感だ。
 それぐらい、ワルテルは元気だ。

 案の定、涼しくなった途端、ワルテルは回復した。
 肉食も復活してもりもり食べる、ウンチをもりもりする。散歩に出る前はソーラと戯れる。

 だから、父ちゃんが願うのはただひとつ。

 夏よ、暑くなるな、早く終われ。

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 ↑これが母ちゃんを泣かせたしょぼしょぼ目だ。



 
  1. 2012/07/23(月) 09:54:35|
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7月の紅葉



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 猛暑がやって来る前の梅雨の中休み。
 離山の森の中や、別荘地の風の通りがいいところではいくつかの木々の葉がうっすらと紅葉していた。
 やはり、時期(季節)ではなく気温差に反応するのだなあ。

 しかし、猛暑がやってきて、赤くなりつつあった葉もまた緑に戻った。
 これで10月まで紅葉はお預けだなと思っていたら……

 近所の別荘の庭に、それはそれは見事に赤く染まったモミジを見つけた。

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 このまま夏が終わってくれないかな……






  1. 2012/07/21(土) 10:51:31|
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ソーラにも!



 ソーラにも父ちゃんの魔法の手。



 今日はワルテル、通院の日。
 行ってきます!


  1. 2012/07/20(金) 09:30:15|
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オブジェ



 ワルテルが、父ちゃんの仕事部屋から廊下に顔だけ出して寝ていた。
 父ちゃんの仕事部屋はエアコンが効いていて涼しい。でも、父ちゃんのいない仕事部屋で寝るのは寂しい。だから、顔だけでも……とでも思っているのだろうか。

 しかし、ぴくりとも動かず、廊下に顔だけ出ているその姿はなんだかオブジェみたいだ。

 ゴミ袋に入ったハンガーとソーラのベッドが邪魔だけど、どかしに行けば絶対に目を覚ますしなあ。
 しょうがないから、そのままパシャリ。

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 ワルテルは夜の薬の時間までオブジェのままでいた。





  1. 2012/07/19(木) 10:35:24|
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ゆるしてなの、父さん!



 林道を颯爽と駆け抜けるソーラ。

 ワルテルのケアと夏の暑さによる運動不足防止のため、ソーラにはなるべく走らせるようにしている。

 ステイをかけ、50メートルほど離れてから「カム」の一声。ソーラは待ちかねていたというように駆け出す。

 カッコいい。素敵だ。ステイもカムも完璧だ。

 しかし、それは最初の一本だけ。

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 二本目からはトロット(小走り)になり、三本目以降は歩きだ(苦笑)。
 暑さと湿気のせいで、最初に全力疾走したところでソーラのエネルギーとやる気は尽きてしまうらしい(苦笑)

 なにしろ、限界気温が12度の娘だからなあ。

 走らないでも、ちゃんと父ちゃんのところまで来るからそれでよしとしよう。

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 ソーラが運動している間、ワルテルはとっくにシッコとウンチを済ませ、車の中でお休み中。

 自分でもう車に戻りたいとアピールしたくせに、父ちゃんとソーラが車に戻ると、ワルテルの顔はしっかりと不機嫌だ(苦笑)。

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  1. 2012/07/18(水) 09:34:32|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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 花火大会は遠出でやり過ごせても、この時期の週末、連休には別の敵がいる。
 ハイテンションで騒ぎまくる別荘族(の客)がやる、花火だ。
 日曜の夜も月曜の夜も、近くでパンパンパンパンやかましかった。夜に爆竹を鳴らしてなにが楽しいのか。

 しかし、こちらの心配をよそに、花火が鳴ってもワルテルは爆睡していた。
 例年なら、パン! と音がした途端飛び起き、呼吸が荒くなって涎だらだら、身体はぶるぶる震えてすくみ上がる。

 きっと、フラワーバッチレメディとホメオパシーによる治療が功を奏しているのだろう。

 雷も相変わらず怖がるが、これまでのようにパニック寸前の恐怖に駆られるといったことはない。

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花火が鳴ってもすやすや寝ているワルテルを見ながら、父ちゃんも母ちゃんもほっと胸をなで下ろす。

 しかし、あれだなあ。
 子供連れはゆるすんだ。そら、花火やりたいだろう。しょうがない。年に数度のことだから我慢してやる。
 だが、BBQやって酔っぱらって、いい大人が子供もいないのに花火はじめると殺意を抱く。

「ちょっと、もの凄い怖い顔になってるわよ」

 時々、そう言って母ちゃんにたしなめられる夏の父ちゃんである。

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  1. 2012/07/17(火) 12:03:41|
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花火の夜



 7月14日は軽井沢にある長倉神社の花火大会。
 ワルテルがパニックにならないよう、6時過ぎに家を出た。花火の予定は7時半から9時。
 天気予報じゃ、夕方から雷雨だったが、雨は降りそうになかった。

 向かった先は隣町の佐久市。
 ワルテルのために馬の内臓や野菜を持ってきてくれる佐久市出身の飲み屋の大将が「あそこの醤油ラーメンと固チャーシューはうまいっす」と太鼓判を押していた大衆食堂で飯を食おうということになっていた。

 佐久市。我が家から一番近いところまでは20分。
 しかし、その大衆食堂「鳥忠」は臼田という地域にある。佐久市を通り越した南にある佐久穂町とほとんど隣接している地域だ。我が家からは車で一時間弱。飯食ってちょっと時間潰して往復すれば、花火が終わったころに帰り着くだろう。

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「鳥忠」という名前が示すとおり、そこは鶏肉料理がメインの食堂。
 だから、ラーメンに入っているのも豚ではなく、鳥のチャーシュー。
 で、固チャーシューというのは、かなり歯ごたえのある硬いチャーシューなのだ。
 最初は「なんじゃ、この硬い肉は?」と戸惑うが、噛んでいるうちに、口の中にじわじわと味がしみ出てくる。まるでスルメみたいなチャーシューだ。もちろん、うまい。

 さらに醤油ラーメンは見た目はいたって普通だが鶏ガラで取ったスープが実に旨い。

 単品で頼んだ固チャーシューは、鶏モモブロックをまるごと使った量が出てきて、これはテイクアウトにしてもらうしかないなと思っていたのだが、結局、全部食べきってしまった。
 ラーメンもスープの最後の一滴まで飲み干した。

 うまい。

 食事の後は、佐久市の中心部にあるユニクロに寄って、父ちゃんの夏用のシルキードライステテコを買った(爆)

 家に帰り着いたのは9時5分過ぎ。
 花火はすっかり終わっていた。

 しかし、そのすぐ後に、いたるところでマシンガンをぶっ放しているかのような音が響きはじめた。
 凄まじい豪雨だ。ふぅ~。まさしく間一髪。
 この雨がもう二時間早ければ花火大会は翌日に順延だし、もう10分早かったら父ちゃんも母ちゃんもワルテルもソーラもずぶ濡れだった。

 日頃の行いがいいからだろうなあ。

 車の中では、父ちゃんたちの気持ちも知らず「車の中の留守番退屈だよ、早く家に帰ろうよ」とぶーすかうるさかったワルテルも、花火に惑わされることなく、すぐに眠りについた。

 めでたし、めでたし。

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  1. 2012/07/16(月) 10:16:58|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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恨めしい高温多湿



 空梅雨っぽかった前半は爽やかな日々が多かったのだが、梅雨も終わり近くになってきた先週末辺りから、気温と湿度が急上昇。
 それに伴って、ワルテルの体調も落ちていく。

 左後ろ脚もまた上げっぱなしだ。
 食欲が落ち、伏せた姿勢から立ち上がるのが辛そうな時がある。
 雷、あるいは気圧の変化が怖いのか、ことあるごとに息を荒げ、目がしょぼしょぼしていく。

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 散歩もシッコとウンチを済ませたら、それで終了だ。

 どんより曇った空を恨めしく見上げる。

 先日東京から来た編集者がこう言った。

「確かに気温は東京より低いけど、聞きしに勝る凄まじい湿気ですね」

 せめて「高原」らしく、湿度だけでも低かったらなあ。
 夏の間だけ北海道に行こうかとも思うが、治療のことと超時間移動の負担を考えるとそれもできない。

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 恨めしい、恨めしい。恨めしすぎる高温多湿だ。



  1. 2012/07/13(金) 09:50:54|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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待ちわびて



 散歩から戻ると、ワルテルとソーラは玄関で、足の裏を拭いてもらうのを待つ。
 特に教えたわけではないが、ワルテルはそれがルールと心得ている。ソーラはワルテルを見て、待つことを覚えた。

 いつもなら、すぐに母ちゃんがやって来て足の裏を拭いてくれる。
 しかし、母ちゃんが忙しいときはなかなかやって来ない。

 十分経とうが二十分経とうが、ワルテルとソーラは勝手に動き回ったりせず、じっと待つ。

 時々うとうとするが、なにかあるとすぐに目をあける。
 なぜって、足の裏を拭いてもらったら、次はご飯の時間だからだ。

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 まだかな、まだかな。母ちゃんまだかな。
 まだかな、まだかな、ご飯まだかな……。

 母ちゃんだめなら、父ちゃん来てくれないかな?

 父ちゃんは滅多に来ない。なぜなら、この時間帯、父ちゃんは人間のためのご飯を作るのに大わらわなのである。

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 やっと母ちゃんが来た。

 おそいよ、おそいよ、なにしてたんだよ、母ちゃん。お腹ぺっこぺこだよ!


 ワルテルとソーラは、足の裏を拭いてもらうまで、絶対に玄関を離れない。
 わが子たちながら、凄いもんだと父ちゃんは思う。





  1. 2012/07/12(木) 09:46:55|
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魔法の手



 お、ワルテル、欠伸か?
 散歩、つまらないか?

 そりゃそうだよな。おもうように動けないからパトロールもすぐ終わっちゃうし、それに、すぐ疲れちゃうもんな。
 おまけに父ちゃん、ソーラの相手で忙しいしなあ。

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 でもなー、父ちゃんだって、ソーラを運動不足にならないよう気を遣ってやる責任があるんだ。
 そこんとこ、わかってくれよ、な?

 ソーラももうたくさん走ったから、今度はワルテルの番だな。
 ほら、撫で撫でしてやるぞ。

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 なんだよ、その顔。
 おれは大人の男だからそんなことしなくていいってか?

 ふふん。
 わかってないな、ワルテル。
 父ちゃんの手は魔法の手なんだぞ。
 この手で撫で撫でされたら、ほら……

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 むくれてた顔が、にっかにかのお子ちゃま顔に大変身~♪

 父ちゃんの手ってすごいだろ?




  1. 2012/07/11(水) 09:40:11|
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あぢ~っ(涙)



 天気予報じゃ曇りで過ごしやすい気温のはずだったのに、朝からぴーかん、気温急上昇。
 暑いだけじゃない。上昇気流が浅間山の山肌を駈けのぼって次から次へと雲になっていく。
 夕方は雷雨かなー。
 ワルテル、だいじょぶかなー。

 それにしても暑い。
 あんまり暑いので、父ちゃん、冷たい素麺を食べたかったんだけど、我が家の真の支配者である母ちゃんに却下されて、温かいにゅうめんを汗だらだらかきながら食べました(涙)




 あいちゃんのご冥福をお祈りします。



追記

 和歌山のエイドリアンという子が大阪の病院で輸血に協力しているワンコを探しています。
 詳しくはこちらで。
 拡散希望です。よろしくお願いします。




  1. 2012/07/10(火) 11:46:18|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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ごろりんな日々



 最近のワルテルの写真、こんなばっかだなあ……(苦笑)

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 前半は空梅雨だったけど、後半はきっちり梅雨だ。
 毎日雨かどんより曇りで、なかなか写真が撮れない。
 早く梅雨が明けて欲しいけど、そうすっと、次に来るのは本格的な夏だもんなあ。

 悩ましい……


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  1. 2012/07/09(月) 10:00:25|
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約束



「頭が下がります」

 ワルテルの闘病がはじまった頃、知り合いの犬飼いにそう言われたことがある。

「自分にはそこまでできません」

 できるって。あなたも愛するワンコが重い病気にかかったら同じことするって。
 父ちゃんはそう言った。

 今、その犬飼いは、父ちゃんと同じように自分のワンコの闘病を支えている。

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 もうかなり前のことになるが、酷い話を耳にした。

 10年近く可愛がっていた犬が癌に冒された途端、「もう、いらない」と言い放った飼い主の話だ。

 犬と暮らすことについての責任を語ると長くなるので、ここではやめておく。
 代わりに約束の話をしよう。

 マージがワルテルと同じ癌に冒されているとわかったとき、父ちゃんはマージとひとつの約束を交わした。
 その約束はワルテルとも交わしているし、もちろん、ソーラとも交わしている。

「おまえがいつか逝くとき、おまえの目に最後に映るのは父ちゃんだ。約束する。ずっとおまえのそばにいる」

 マージの時はやばかった。
 父ちゃんはトイレでウンコをしていた。その時、マージが叫んで父ちゃんを呼んだのだ。
 慌てて尻ふいて水流して手を洗ってマージのところに駆けつけて……それで、マージは父ちゃんの腕の中で逝った。
 なんとか約束を守れたんだった。
 マージの目にはきっと父ちゃんの顔が焼きついたはずだ。

 守れない約束は交わさない。
 交わした約束は必ず守る。

 とても簡単なことだと思う。

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 追記
 今朝、ワルテルは左後ろ脚を地面につけて、右後ろ脚をあげてシッコした。少しずつ、でも確実に回復に向かっているみたいだ。






  1. 2012/07/06(金) 09:07:41|
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うれし涙



「ワルテル、ちょっと待て」

 自分で見たものが一瞬、信じられなかった。

「ゆっくり歩くぞ。いいな?」

 左後ろ脚が使えないと、どうしても体重が前がかりになるので、ワルテルはいつも急いで歩く。
 ぴょんぴょんぴょんぴょん。器用に、跳ねるように歩く。

 だが、好きにさせておくとすぐに体力を消耗するので、父ちゃんが上手にリードを使って歩く速度を調節する。

 今朝も、ゆっくり歩かせようとリードを短く持ったとき、それに気づいたのだ。

 左後ろ脚を地面についている。
 必ずではない。三歩に一歩ぐらい。不格好でぎくしゃくしてるけど、間違いなく左後ろ脚を地面につけて歩く。

「ワルテル!」

 思わずしゃがんで、ワルテルを抱きしめた。
 ワルテルもソーラもぽかんとしている。

「歩いてるな。ちゃんと左脚も使って歩いてるな」

 涙が出た。
 酷かった咳が収まったように、この脚もいずれ治るのだと信じていた。
 その兆しが現れたのだ。

「ワルテルが頑張ってるおかげだな。毎週、大嫌いなちっくんされて、3時間も病院に置かれて、波動療法受けて、頑張ってるおかげだなあ」

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 心が落ち着くと、また歩き出した。

 ゆっくりゆっくり、ワルテルがぴょんぴょんしないように。
 三歩に一歩、二歩に一歩、四歩に一歩。ワルテルは左脚を地面について歩く。

「ソーラ、見えるか? ワルテルが後ろ脚つかって歩いてるぞ。ワルテルって凄いよな。奇跡のワンコだ。ソーラもそう思うだろう?」

 ソーラも、ワルテルに合わせてゆっくり歩いている。
 もう、ソーラには耐えがたいほど気温が高くなっているから、それでいいのだろう。

「ワルテル、凄いな。おまえ、本当に凄いな」

 何度もそうやって声をかけてやると、ワルテルはにっかにかになって自慢げに胸を張る。

 そうとも、ワルテル、おまえは父ちゃんの自慢の犬だ。

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 えー、カートをお譲りくださるという方がいらっしゃるのですが、今回のエントリーのとおり、我々はワルテルがまた普通に歩ける日がくると信じているので、まだカートの使用は考えておりません。
 いずれ、病気にせよ老衰にせよ、ワルテルが歩けなくなる日が来たら、その時考えます。
 お気持ちはとても嬉しかったです。ありがとう。

 それから、サプリメントや食事に関するものをワルテルのために送りたいと申し出てくれる方も時々いらっしゃいます。しかし、ワルテルは、膨大な自然療法に関する知識を持った獣医師の組んだプログラムに沿った治療を受けております。
 どれだけいいサプリ、いい食べ物であったとしても、それをワルテルに与えると治療プログラムを根本から組み直さなければならなくなるので、お気持ちだけありがたく受け取ります。

 みなさん、いつも本当にありがとうございます。



 

  1. 2012/07/05(木) 09:44:10|
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じめじめの時は……



 先週までは、晴れるとからっとさわやかだった軽井沢。
 空梅雨っぽいからかなー、なんて言ってたんだけど、先週末から、雨が降ってても晴れてもじとじとじめじめ~になってしまった。

 蒸す、蒸す、蒸す~。

 父ちゃん、月曜に離山に登ってきたんだけど、森の中はサウナ状態。汗びっしょりで戻ってきた。

 もちろん、ワルテルにもソーラにもこのじとじとじめじめ~はボディブロウのように効いてくる。

 お散歩しても、五分ではぁはぁはぁ。涎だらだら~。

 そんな時は……

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ダウン!

 の一声。

 早朝のアスファルトはまだ充分に冷たい。
 ダウンして、火照った身体を冷やすのだ。

 しばらくそうしていれば、はぁはぁはぁも次第に収まってくる。

 さあ、気分が良くなったら、もう少しだけ歩こうか、ワルテル。

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今年の夏は、どうか、ワルテルに優しい夏でありますように!






  1. 2012/07/04(水) 10:37:37|
  2. 軽井沢 春夏秋冬
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父ちゃんのささやかなお願い



 ソーラ、ソーラ、父ちゃん、ソーラにお願いがあるんだけどな、聞いてくれるかな?

 人間、どうしても我慢できない時ってのがあるんだ。
 ほんとにほんとに我慢できないんだ。

 だから、父ちゃんが散歩の時に屁をこいてしまったからって、思いきり父ちゃんのお尻の匂い嗅ぐのやめてくれないかな。

 父ちゃんにだって、少しは恥じらいというものがあるんだぞ。

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  1. 2012/07/03(火) 10:48:45|
  2. Dog
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久々に……



「ワルテルにソーラ以外の女の子の匂い嗅がせてあげたい!」

 ある日、母ちゃんがそう言った。
 母ちゃんは我が家の真の支配者なので、母ちゃんが言い出したら、父ちゃんはなんとかしなければならない。

 獣医にお伺いを立てた。

「まあ、あれでしょ? へこへこはワルテルの元気のバロメータなんでしょ? 十分ぐらいだったらいいよ」

 なんと、おゆるしが出た!
 ワルテルは先生にすっかり見透かされている(苦笑)

 いいか、十分だけだぞ。十分経ったら帰るからな。

 父ちゃんはワルテルに言い聞かせるふりをして、母ちゃんに念を押した。


 本当に久々のドッグラン。
 ワルテル、駐車場からやる気満々。三本脚でリードをぐいぐい引っ張る。
 到着してみたら、いました、ラブの女の子!
 飼い主のお母さんも「好きなようにしてください」となんともおおらか。
 やったな、ワルテル!

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 初対面の挨拶に来たその子に、いきなりのしかかろうとするワルテル。

 あれ?
 ワルテル、左後ろ脚、ちゃんと地面についてるじゃん!

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 ドッグランにワルテルを! と言い出しっぺの母ちゃんが、ワルテルの凄まじい勢いに恐れをなした。

 どだい、匂いを嗅がせるだけというのが無理なのだ。

 リードは付けたまま。へこへこしようとすると、母ちゃんが強引に止める。それでも、まったく諦める様子のないワルテル。

 ほんっと、ドッグランも女の子も久々だもんなあ。

 十分はあっという間に過ぎた。

「さ、ワルテル、帰るぞ」

 途端に、ワルテルは三本脚に戻る。まったくもう……

 欲求不満が解消されたのか、それとも欲求不満がさらに募ったのか……
 とにもかくにも、この夜、ワルテルはご飯を食べ終えると同時に爆睡した。

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 撫で撫でしてもらったり、みんなと駆け回ったり。
 ソーラも久々のドッグランを堪能していたようだ。





  1. 2012/07/02(月) 09:00:56|
  2. Dog
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プロフィール

軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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