ワルテルと天使たちと小説家

ソーラの気持ち



 ソーラは時々、こっそりワルテルの匂いを嗅ぐ。
 病気の匂いがするのだろうか。そこまでわからなくても、ワルテルに異変が起こっていることぐらいは理解しているのだろうか。

 ワルテル抜きで、父ちゃんとふたりだけで散歩に行くことにも慣れた。最初の頃は散歩に出ても、何度も何度も家を振り返っていたものだ。
「父さん、ワルテルが来ないの~」
 そう言ってるみたいだった。

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 ひとりの留守番も激増した。
 もう、ティッシュをぐちゃぐちゃにすることはなくなったけど、病院から戻ると、ソーラを留守番させている部屋の床は涎でびしょびしょだ。
 不安で寂しくて、涎がだらだら出てしまうのだろう。

 可哀想なソーラ、健気なソーラ。
 父ちゃんの自慢のソーラ。

12_0811_4.jpg

 かつては一日二回だった食事も、ワルテルは一度で食べきれないのでこまめに食べさせる。
 そのたびに、ソーラはワルテルと父ちゃんをじっと見つめている。

「わたしももらえるのかしら? わたしにもご飯来るのかしら~♪」

 でも、ソーラはもらえない。もう、充分に食べているから。
 それでもソーラは待ち続ける。ワルテルのご飯が終わっても待っている。

「父さん、わたしのご飯はまだなのー?」
 にこにこしながら。

 それでもご飯がもらえないと、悄然とした顔で自分の寝床に向かう。
 可愛いなあ。

12_0811_7.jpg

 もうすぐヒートの時期だ。
 いつもならソーラは犬舎に里帰りだが、父ちゃんは悩んでいる。

 ソーラがいなくなるなど考えたくない。
 ソーラがいるから、ワルテルは威厳を保とうとしゃきっとしている。
 看病に疲れた父ちゃんと母ちゃんを癒してくれるのはソーラだ。
 ソーラとの散歩は、父ちゃんにとって最高の気分転換だ。

 ソーラがヒートになったら、ワルテルは病気の身でもふがふが言うのだろうか。切ない衝動に駆られるのだろうか。温存しておきたい体力を消耗してしまうのだろうか。
 うむう……(悩)





  1. 2012/08/21(火) 13:46:20|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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