
ばぐちんとコンすけが滝の撮影に夢中になっている間、我が家はなんにもすることがないので暇つぶしにソーラの写真をぱしゃぱしゃ。
滝から聞こえてくるもの凄い音が怖くて、足もとを流れる水が怖くて、でも、父ちゃんに「ステイ」って言われてなんとか我慢して、そして父ちゃんが「ソーラ~♪」って猫撫で声を出すと、怖いの忘れてにかって笑って。
いい子だなあ。ほんとにいい子だなあ。父ちゃんの自慢の子だ。
だから、素早くシャッターを切って、ソーラを呼んでハグしてたくさんたくさん撫で撫でしてやった。


この日はソーラにワルテルのレインコートを着せた。
昔はお尻周りがぱんぱんで着られなかったけれど、痩せてすっきりしたソーラにはぴったりだ。
そういえば、ワルテルの介護のためにと、このブログにコメしてくれた人から教わったプーチ-パンツのLサイズ。ワルテルにはぶかぶかすぎて使えなかったけど、ヒートになったソーラにはかせてみたら、まるであつらえたみたいにぴったりだったな。
父ちゃんも母ちゃんもソーラも、ワルテルのおかげで健康的に痩せた。
感謝しなくっちゃな。
痩せたソーラは動きもきびきびして、表情も可愛らしくなって、父ちゃん、もうめろめろだ。

ばぐちんとコンすけのブログで父ちゃんとソーラのツーショット写真を見ることができます。
ばぐちん コンすけ
- 2012/10/31(水)
09:21:02|
- Dog
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先週のこと。
朝の気温は一度。草木には霜が降りていた。
清々しいほどの秋晴れで、鮮やかなスカイブルーに紅葉の赤が映えている。
父ちゃんの写真魂にめらめらと火がつくのは当然だ。
散歩の途中にいい感じの斜面を見つけた。
てっぺんにソーラを登らせて、下からロウアングルで青と赤、そしてソーラを捉えるのだ。
ソーラを誘導すべく、まず父ちゃんが斜面を駈けのぼった。霜が降りた草は気をつけないと滑るが、なに、こちとらトレッキングシューズを履いているのだ。なんということはない。
「カム」
コマンドをかけるとソーラが斜面を駆け上がってくる。
ベストのポジションでソーラにステイをかけ、あとは斜面を降りて構図と露出を決めてシャッターを切るだけだ。
あれ?
脚が滑った。
トレッキングシューズの靴底が溶けはじめた霜に覆われた草を踏んで、つるつるつるんと滑っていく。
すってんころりん。
立ち上がってまたころりん。
カメラをぶつけないように両手で保持して高く掲げ、父ちゃん、そのまま滑り台みたいに斜面の下まで一直線に滑り落ちた。
慌てて立ち上がって左右に視線を飛ばす。
だれもいない。だれにも見られていない。よかったー。
ひとり赤面しながら、壊れたりしていないかとカメラバッグ等々を点検する。ズボンが泥だらけになっているだけだった。

もちろん、ソーラはころりんすることなどなく、斜面を軽快に駆け下りてきた。
- 2012/10/30(火)
09:19:16|
- 軽井沢 春夏秋冬
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コンすけは、ワルテルの回復祈願にと、大好きなゴルフを断つと言ってくれた。
なのに、「これは本格的なゴルフじゃないからいいっしょ」と勝手な理屈をつけてパターゴルフに興じたり、フェイスブックのゴルフのページにこれみよがしに「いいね!」しまくって何度も何度も父ちゃんの逆鱗に触れた。
さらには、ワルテルが逝った途端、自分が幹事になって大々的なゴルフコンペの開催を計画していることが発覚して、父ちゃんの堪忍袋の緒が切れた。
「絶交だ!!!!」
「ひー、勘弁してください、ぼくが悪うございました。ゆるしてくれるならなんでもしますー(号泣)」
というわけで、コンすけは詫びを入れるために軽井沢に来て、父ちゃんと母ちゃんに豪勢なディナーを奢ることになった。
ばぐちんもやってきて、紅葉の中の家族写真を撮ってもらうことになった。

だが、コンすけの非道な行いに天が激怒したのか、土曜も日曜も凍えるような雨が降った。
せっかくの家族写真なのに……
さらにさらに、竜返しの滝という場所では、コンすけは我が家の家族写真そっちのけで滝の写真を長時間にわたって撮り続け、やっと撮影が終わって帰られるという時には「軽井沢リゾートマラソン」というのがはじまって道路規制が敷かれ、大渋滞に巻き込まれることになった。
コンすけは詫びを入れるどころか、またまた父ちゃんの怒りを買うのである。
そういう男なのである。

散々な週末だったけれど、ふたりが帰ると家の中は静まりかえって、もの悲しい。
この時期の雨は冷たくて冷たくて、身も心も重くさせる。
コンすけが詫びの代わりにと作って持って来た我が家の家族写真のフォトブックを眺めながら、めそめそしていた父ちゃんと母ちゃんだ。
頼みの綱のソーラは、やっとヒートが終わってパンツをはかなくてよくなって、父ちゃんのベッドの上で身体をだらしなく伸ばして爆睡していた(苦笑)。
そういえば、結局コンすけは自分の写真を撮ることに夢中になりすぎて、我が家の家族写真を一枚も撮ってくれなかった。
そういう男なのである。
- 2012/10/29(月)
10:41:09|
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時々、ワルテルに触れたくてたまらなくなることがある。
ライオンのたてがみみたいな飾り毛は見た目ほどさわり心地がよくない。でも、口の周りの白い毛はビロードのような手触りで触り心地がよく、しつこく撫で回しては「いい加減にしてよ」とうざがられた。
あの手触りが懐かしい、恋しい。
でも、ワルテルに触れることはもうできない。寂しさだけが募っていく。

ワルテルに触れる代わりにソーラを呼ぶ。
ソーラは大抵ベッドルームでひとりで寝ているのだが父ちゃんの呼ぶ声が聞こえるとベッドから飛び降り、駆け寄ってくる。
さささささささささーっ
ソーラはすり足で歩く。だから、その足音も独特だ。
さささささささささーっ
父さん、わたしのこと呼んだ?
呼んだ、呼んだ。こっちへおいで、ソーラ。
ソーラに触れる。
ソーラは柔らかくて暖かくて、全身がビロードだ。毛質がワルテルとは全然違う。
撫でてやると、ソーラはうっとりして、父ちゃんの腕や太股に顎を乗せる。
ソーラの鼓動が伝わってくる。
鼓動はこう言っている。
大好き、父さん!
父さん、大好き!!

ソーラには父ちゃんを癒す力が備わっているんだ。
- 2012/10/26(金)
09:06:06|
- Dog
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冷たい雨が降った火曜日。
山の上じゃ雪だったようで、水曜の朝、起きてみると浅間山がうっすらと冠雪していた。
朝の気温は1度。
二週間ほど前に気温が急降下したときは寒さに震えたが、身体がもう秋冬モードになじんできている。
寒い。が、気分がいい。すこぶるいい。
犬体質の父ちゃんとソーラの季節がやって来たのだ。
ソーラ、ワルテルの分も目一杯楽しもうな!
- 2012/10/25(木)
10:52:34|
- 軽井沢 春夏秋冬
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今年のカレンダーは?
というコメが多いのですが、申し訳ありません。
時間がなくて、今年は作れません。
というか、時間があったとしても、去年のカレンダーが大赤字だったので(苦笑)、今年は作りたくても作れない状況でした。母ちゃんに大目玉食らうほどの赤字だったので。
というわけで、ご容赦ください。
- 2012/10/24(水)
09:53:18|
- その他
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木曜日から土曜日にかけて、犬舎のある浜松と伊豆へ行ってきた。
久々に海辺の写真が撮れると意気込んでいたのだが、事前の天気予報では三日とも空はぐずつくとなっていた。
なんだとがっかりしながら出発。
しかし、木曜は終日雨だったが、金曜の朝から綺麗に晴れた。
そういえば、ワルテルは晴れ男だったんだよな。
父ちゃんのためにその力を発揮してくれてるのかな。

金曜の夜は飲み過ぎて、土曜の朝はちょっと寝坊。
慌てて母ちゃんとソーラを叩き起こし、海岸に向かった。
寝坊したせいで写真には間に合わなかったけれど、車窓から大きくてまん丸で真っ赤な朝日を拝むことができた。本当に綺麗な朝日が、水平線から顔を出し、昇っていく。
海岸に着くと、そこには目に痛いほど鮮やかな朝焼けが。
そうそう。こういうのを撮りたかったのだ。

ソーラをモデルに写真を撮っていると、なんと天使の梯子まで現れた。
ファインダーを覗く目が潤んでいく。

見ろよ、ソーラ。
あの天使の梯子からワルテルが降りてくるみたいじゃないか。
そこから先は涙でファインダーがよく見えなかった。
いつになったら涙は涸れるのだろう。
それにしても、神様だかだれだか知らないが、憎い演出をしてくれる。
運転はとても疲れたが、充実した小旅行だった。
- 2012/10/23(火)
08:34:15|
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水が嫌いなのにな。
波が怖いのにな。
父ちゃんが「ステイ」って言ったら、必死で頑張るんだもんな。

頑張ったからって、おやつがもらえるわけじゃない。
ただ、いい子だなって褒めてもらって、撫で撫でしてもらえるだけだ。
いや、頑張ったら父ちゃんが喜ぶもんな。父ちゃんが嬉しいと、ソーラも嬉しいんだもんな。
いつもいつもありがとうな。

ある人が言った。
犬はね、欠陥だらけの生き物である人間に、無償の愛というものを教えるためにこの世に生まれて来るんだよ。
- 2012/10/22(月)
09:47:52|
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月曜日、久々に山へ行ってきた。
浅間山荘→火山館→湯の平→Jバンド→仙人岳
というコース。7時間の行程だ。
これだけ長い間山を登り降りするのはほぼ一年ぶり。体力に不安はあったが、ええいままよと、出かけてきた。
浅間山荘から火山館までの森は、今年は夏が長かったせいか紅葉が汚く写真を撮る気にもならなかったが、標高が高くなるにつれて、目に鮮やかな赤があちこちで燃えていた。
浅間山に直接登るより、草すべりやJバンドを目指した方が景色的には数倍よろしい。子供のようにはしゃいで写真を撮りまくった。

7キロも痩せたおかげで、脚には余力があった。しかし、ワルテルの看病で登山の訓練である離山にもあまり登れない日々が続いていたのだ。持久力が著しく落ちており、下りではばてにばてていた。
山肌の紅葉に夕日が当たってそれはそれは美しかったのだが、ザックからカメラを取り出すだけの体力がない。
去年の今頃は涸沢に行き、草すべりを征服し、蓼科山に登り、剱よ、槍よ、待っていろ! などと思っていたのだが、浅間山荘に辿り着いたときには精も根も尽き果てていた。
また、一から鍛え直さねば(涙)。

悲しい、寂しい記事が続いていたけれど、美しい紅葉で目を楽しませてやってください。





明日の更新はおやすみします。
- 2012/10/18(木)
09:00:31|
- 軽井沢 春夏秋冬
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散歩をしていて、おや? と思う。
ソーラが道ばたの匂いを嗅いでいる。尻尾をぴんと立てている。
前は、父ちゃんとワルテルの後を行儀良く歩いてくるだけだったのに、時にリードを引っ張る。
まるでワルテルが乗り移ってるみたいだ。
「ソーラ」
声をかけ、軽くリードを引いて注意を促してやると、ソーラはいつものソーラに戻る。にっかにかの顔で、父ちゃんの一歩後ろの位置に戻って、いつものように歩く。

今まではワルテルに遠慮していたのだろうか。
いや、ワルテルが歩けなくなって父ちゃんとふたりだけで散歩に出るようになっても、ソーラは変わらなかった。変わったのはワルテルが逝ってからだ。
そうか。
散歩に行けなくてもワルテルには遠慮し続けてたんだな。
ワルテルが逝ってやっと、少しだけ自分のやりたいようにやりはじめたんだな。
いいぞ、いいぞ。もっと好きにしていいんだぞ、ソーラ。
おまえがなにをしたって、ワルテルはきっと微笑みながら見守ってるさ。おまえにだけは優しい兄ちゃんだったからな。
もちろん、父ちゃんも母ちゃんも、好きに動き回ってにっかにかしてるソーラを見るのが大好きだからな。
- 2012/10/17(水)
09:57:52|
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土曜日は初七日だった。
行きつけの飲み屋に仕出しをお願いして、父ちゃんと母ちゃんは日本酒を傾けながら思い出に浸った。
飲み屋の大将の心づくしに胸がいっぱいになりながら。
そういえば、この日本酒ももらいものだし、ワインやシャンパンなんかがいろいろと届いている。
ワルテルのおかげで、父ちゃん、美味しい酒飲ませてもらってるなあ。
それにしても、時間は容赦なく流れていく。

ワルテルの初七日が明けたと思ったら、今日はマージの命日だ。
10月はせつないなあ。
- 2012/10/16(火)
08:30:40|
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ワルテルの写真は数え切れないぐらいある。
それをふるいにかけてかけてかけまくって超お気に入りをセレクトしても軽く100枚を超えるだろう。
そんな写真を眺めていると、寂しさが募る。と同時に、その写真を写したときの記憶が鮮明によみがえって心が躍ったりもする。
写真は記録だ。プロやハイアマチュアと呼ばれる上手な人が撮ろうが、携帯についているカメラで構図もなにも関係なく撮ろうが、写真の本質は変わらない。瞬間を切り取って記録する。
動画も似たような性質を持っているが、写真とはやはり違う。
動画は見るのに時間がかかる。写真は一枚、たったコンマ数秒の間眺めただけでいろいろなことを物語ってくれる。
ワルテルの成長と、父ちゃんの写真の腕があがるのはほとんど比例していた。
ワルテルが若いときにも、今ぐらいの腕があればなあと思うことはあるが、ないものねだりをしてもしょうがない。
とにかく、写真をやっていてよかった。カメラにのめり込んで本当に良かった。


今日の写真はワルテルが逝く二日前に撮ったもの。
散歩の合間の休憩に、母ちゃんがソーラと遊びだしたら、ワルテルは超不機嫌に。しょうがないので父ちゃんが魔法の手を繰り出して、遊びから戻ってきたソーラが「ワルテル、ご機嫌斜めなの?」と様子をうかがった。
動画ならすべてを見るのに十分以上かかるが、写真なら3枚で済むのだ。
さあ、ハードディスクに眠っているワルテルやソーラのお気に入り写真、がんがんプリントしなきゃ。
家中に飾るのだ。
最期に、母ちゃんからみなさんへ。
「ワルテルが重い病気に冒されているとわかった二月からの八ヶ月はあっという間でした。病気がわかってからの平均寿命が四十五日とも言われているのに、八ヶ月という長く濃密な時間をワルテルと過ごせたのは、応援し続けてくれたみなさまのおかげだと思います。本当にありがとうございました」
- 2012/10/12(金)
10:46:43|
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父ちゃんたちが泣きながらワルテルの最期を見守っている時、ソーラは離れたところで困ったような顔をしてこっちを見ていた。
ワルテルが逝った後は、ワルテルの遺体を避けていた。どうしても近くを通らなければならない時は駆け足で通り過ぎた。
ヒートが来てパンツをはかされたこともあるのだろうが、ずっと困ったような変な顔をしていた。
マージが逝ったときのワルテルとは正反対だ。ワルテルは「おれの時代がやっと来たぜ」ってな感じだったから。
ワルテルが骨になったら、ソーラは普通に戻った。
なにを感じていたのだろう。なにを考えていたのだろう。

散歩の時はついワルテルのことを考えてしまう。
ここで必ずシッコしてたんだよな。草むらに強引に入っていこうとして種だらけになっていつも大変だったんだよな。
心ここにあらずになって、ふとソーラを見ると、ソーラの表情も沈んでいる。
ごめんな、ソーラ。
ソーラとの散歩だもんな。もっと楽しまなくちゃな。

ワルテルを荼毘に付した日の夕方、群れ全員で散歩に出かけた。
母ちゃんにリードを持ってもらって、ソーラは嬉しそうだった。楽しそうだった。
群れで行く散歩が大好きなんだ。ワルテルが散歩にいけなくなって、しばらくは本当に寂しそうだった。
改造カートでワルテルも散歩に行けるようになると、本当に嬉しそうだった。
今朝は久しぶりにリードを外せるところに散歩に行って、ソーラと追いかけっこをした。
にっかにかできゃぴきゃぴのソーラがそこにいた。
そうやってソーラは父ちゃんや母ちゃんの寂しさを癒してくれる。

ソーラ、どうした? だれもいないところをじっと見て……
ああ、そうか。父ちゃんたちの目には見えないけど、きっとワルテルがパトロールしてるんだな。
- 2012/10/11(木)
08:25:28|
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雪音が来ると聞いたとき、父ちゃんは不思議に思った。
ついこの前来たばかりなのに、また?
しかも、いつもは母親とふたりで来るのに、今回はひとりだと言う。
「わたしが行くと、ワルテルが元気になるから」
そう言って、雪音はひとりで軽井沢に来ることを決めたらしい。
それを知ったとき、父ちゃんは不覚にも泣きそうになった。
10月7日の朝。
本当は軽いピクニックになるはずだったのに、きわめて普通の散歩になってしまった。
それでも、がっかりしたのは人間だけで、ワルテルはご機嫌だったろう。
大好きな雪音が一緒にいたんだから。
父ちゃんの心残りは、この日は天気が悪く、翌日リベンジするんだからとあまりシャッターを切らなかったことだ。もっと撮っておけばよかった。
雪音、ありがとう。
ワルテルは本当に嬉しかったと思うよ。だから、雪音がいるときに逝くことを決めたんじゃないかな。
ワルテルは心の底からおまえのことが好きだったんだ。大好きだったんだ。
9月に来たときは、ワルテルやつれてただろう? 目もいつも瞬膜がかかっておかしかった。
でも、今回はきりっとした目をしてただろう? 雪音も「ワルテル、元気になりましたね」って喜んでたもんな。
きっと、雪音にはハンサムな自分を覚えていてもらいたかったのかもな。
父ちゃんと母ちゃんも、雪音には本当に感謝している。
何度も言うよ。ありがとう。
- 2012/10/10(水)
10:58:10|
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今朝、ワルテルを荼毘に付してきた。
くだらないセレモニーのない超シンプルな火葬。大勢のみんなにいただいた花束で飾り立てて送り出した。
一時間半後、ワルテルは骨になった。綺麗な綺麗な白い骨。量も多く、大型犬用の骨壺に入りきらなかった。逝ったときの体重は20キロそこそこだったというのに。
斎場の人も驚いていた。「これだけ骨が残る子は珍しいですよ」
マージの時もそうだった。白いたくさんの骨。
火葬に付き合ってくれた友人が言った。
「抗がん治療をすると、骨は緑っぽくなって、量も凄く少ないのよ」
父ちゃんと母ちゃんの選択は間違ってなかったんだな、ワルテル。
本当に綺麗な骨だ。本当にたくさんの骨だ。
いたたにはならなかったもんな。だるかったとは思うけど、そんなに苦しくもなかったよな。
最後の二時間は意識がなかったから、見た目ほど辛くはなかったはずだ。
父ちゃん、最高のボスだろう?
ずっと泣き続けていた母ちゃんも、シンプルな火葬と、骨になったワルテルを見て憑き物が落ちたように悲しみの呪縛から解き放たれた。
綺麗に形の残った牙をティッシュにくるんで鞄に入れながら、「帰ってくるの待ってるからね、ワルテル」そう言ったあと、母ちゃんはもう泣かなくなったよ。
本当に綺麗な骨だったなあ、ワルテル。
- 2012/10/09(火)
14:24:57|
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雪音が来ると、ワルテルは元気よく吠えた。
ご機嫌だった。
だから、「明日はみんなでピクニックに行こう」と父ちゃんは言った。ワルテルを芝生の上で横たわらせてやりたかったのだ。
あいにくの天気だったけど、早起きしておむすび握って、おかず作って。
近所の公園は連休のおかげで人だらけだろうからと隣町の公園に向かった。
だが、「町民大運動会」の看板が!
目指した公園は運動会の会場になっていて、駐車場もぎっしりだった。
しょうがないので引き返し、近所の公園でお茶を濁した。
「明日、リベンジだな、ワルテル!」
家に戻ると、ワルテルにそう声をかけた。この時点で、ワルテルに異常はなかった。
異変に気がついたのは昼過ぎだ。
水とご飯を与えようとして、ワルテルの身体が痙攣しているのがわかった。目も虚ろだ。声をかけても反応がない。
水で濡らした指先を口の中に突っ込むと舌が動き、ワルテルの目が動いた。
「ワルテル、わかるか? 父ちゃんだぞ」
だが、ワルテルの目はすぐに虚ろになる。
慌てて卵醤(らんしょう)を作った。卵の黄身と大量の醤油を混ぜ合わせたもので気付け薬の代わりになる。
ワルテルの歯茎や舌にこの卵醤をなすりつけた。ワルテルは意識を取り戻した。
すぐに先生に電話をかけた。この日、先生は東京の分院にいる。午後1時の診察が終わったらすぐにかけつけてくれることになった。それでも、新幹線での移動を考えると、往診に来てくれるのは夕方になる。
電話を終えてワルテルのところに戻る。
目は大きく見開かれているが、瞳は虚ろで、声をかけても卵醤、レスキューレメディを舐めさせても反応がない。もう意識がないのだ。
意識のはっきりしていたワルテルの目に最後に映ったのは父ちゃんだった。
父ちゃんは、ワルテルとの約束をなんとか守った。
「おまえが最後に見るのは父ちゃんの顔だ。約束する」
父ちゃん、母ちゃん、雪音、そしてソーラでワルテルを囲んだ。声をかけ続け、マッサージをし続け、しかし、反応はなく、ただ呼吸のたびに胸が上下する。
母ちゃんが泣き始めた。雪音も泣いた。父ちゃんも泣いた。
ワルテルは逝く。逝ってしまう。もう、わかっていた。
そして、ワルテルは身体をのけぞらせ、四肢を突っ張って、やがて力が抜けた。心臓が止まったのだ。
午後2時57分。
父ちゃんが異変に気づいてから2時間半後のことだった。
やれるだけのことはやってやった。
だから、思ったより悲しくはない。でも、寂しい。とてつもなく寂しい。
もう、おむつを替えてやれないんだな。ウンチの始末をしてやれないんだな。だっこして車に乗せてやることも、手でご飯を食べさせてやることもできない。なにより、ワルテルの写真を撮ることができない。
寂しいよ、寂しいよ、寂しいよ、ワルテル。
昨日、父ちゃんは泥酔して眠ってしまった。
母ちゃんはワルテルのそばで朝まで泣き続けていた。
そして、ソーラ。
朝起きると、床に点々と落ちている血痕を見つけた。
ソーラのヒートがはじまったのだ。
予定より一ヶ月遅い。
病気のワルテルが興奮しないようにと、ワルテルの世話で忙しい父ちゃんと母ちゃんに手間をかけさせないようにと、ワルテルが逝くまで待っていたのだろうか。
なんて子だ。
床の血痕を見ながら、またダバダバと涙が溢れてきた。
- 2012/10/08(月)
09:18:18|
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つい先ほど、父ちゃん、母ちゃん、雪音、ソーラに見守られて、ワルテルは虹の橋のたもとに旅立ちました。
応援し続けててくれた皆様、ありがとうございました。
- 2012/10/07(日)
15:22:41|
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ワルテルの調子が上向いてきて、母ちゃんに任せておける時間が増えてきたので登山を再開した。
最後に登ったのは7月の半ばだったろうか。
この年で二ヶ月のブランクは非常に大きい。おっかなびっくり出かけたのだが、7キロ減った体重が二ヶ月のブランクを帳消しにしてくれて、すこぶる調子がよかった。まあ、翌日は筋肉痛に悩まされたが。
ワルテルの治療と同時になんちゃってマクロビをはじめてはや8ヶ月。
当時73キロあった父ちゃんの体重は今では66キロ。体脂肪率も23%から18%に落ちた。
母ちゃんも似たような数字を叩きだしている。
タニタの体重計による体内年齢は父ちゃんも母ちゃんも三十歳代前半。
体調もすこぶるよろしい。
久しぶりに会う人たちはみな、口を揃えて「別人みたいだ」と驚く。
確かに、7キロも体重が違うと、自分自身でも他人の身体みたいな感覚がある。
山を登っていても、脚が軽い、身体が軽い。
ワルテルやソーラの後にも他の犬たちと暮らすだろう。できるだけ長く犬と一緒にいたい。
そのためには健康でいなくちゃならない。
今の体重をキープして、山に登り続けて、60歳になったって大型犬と遊び回れるようにありたいのだ。
頑張るぞ!(苦笑)
ワルテルは元気です。
今夜、雪音が来ることになっているので、もっと元気になるでしょう。
明日の更新は休みます。
- 2012/10/06(土)
09:06:28|
- 軽井沢 春夏秋冬
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ワルテルは時折、ベッドの縁に顎を乗せる。
体調が良くなってきて、ベッドからおりたいと訴えているのか。ソーラのように歩き回りたいと訴えているのか。
「どうした、ワルテル?」
そう声をかけて顔を覗きこむと、その顔は実に不満たらたらだ。

そりゃそうだよな。一日中横になったまんまだもんな。動き回りたいよな。
自分の力で立ち上がれなくなった当初、ワルテルはよく「ぼくの身体どうしちゃったの?」という顔で父ちゃんを見た。
動きたいのに、歩きたいのに、パトロールに行きたいのに、身体が動かないんだ。
あの時のワルテルの顔を見るのは本当に辛かった。
今はもうワルテルも自分の身体と折り合いをつけている。それでも、調子がいい時は寝ているのが退屈になるのだろう。
こんな時は、父ちゃん、ベッドのそばに腰を下ろしてマッサージをしてやる。
立てるようになーれ、歩けるようになーれと呪文を唱えながら。
そのうち、ワルテルは眠りにつく。
起きたらまた同じことの繰り返しなのだが、水を飲むときとご飯を食べるとき以外、ずーっと寝ているのよりはよっぽどいい。
- 2012/10/05(金)
10:38:57|
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ワルテルは薬を飲まない──飲めないので、食事が治療のメインになる。
薬といっても、自然療法専門のお医者さんなので、処方されるのも漢方薬やビタミンの錠剤だったりしたのだ。
毎回、先生とああでもない、こうでもないとワルテルに食べさせたい、食べてほしい食材を吟味している。
先日、検査をしてもらったら、ワルテルはビタミンBとEが足りていないという結果が出た。
ビタミンBは野菜スープに酒粕を溶かすことで補ってきた。
じゃあ、Eはどうする?
「生アーモンドがいいよ」
先生が言った。簡単そうに。
アーモンドね。生ね。ローストしてたり塩振ってないやつね、はいはい。
というわけで、ネットで生アーモンドを買い、届いたものをすりこぎで叩いて砕き、さらに擂り鉢ですりすり粉末状にして、ご飯にかけてみた。
期待と不安が交錯する。
これまでにも、先生がこれを食べさせてやってくれと言った食材はいろいろあるのだが、ワルテル、嫌なものは食べない。てこでも食べない。
これまで食べていたご飯に嫌なものをひとつまみ入れたら、ご飯そのものを食べなくなったという苦い経験を何度味わったことだろう。
「ワルテル、ご飯だぞ~」
ご飯の器を寝ているワルテルのもとへ運んでいった。
くんくんくんくんくん。
ワルテルは寝たままご飯の匂いを嗅ぎ、それから、がばっと上半身を起こした。
「お? いい匂いするのか? 食う気満々か?」
器を口元に持っていくと、ワルテルはがつがつと食べはじめた。
それまでは父ちゃんか母ちゃんの手皿でしか食べようとしなかったのに、自分で食べる。がつがつ食べる。
「美味しいのか。そんなに美味しいのか、ワルテル~!!」
ご飯をがつがつ食べるワルテルを見て、父ちゃんと母ちゃんは抱き合って喜んだ。
アーモンドにはオレイン酸とか、身体にいいものたくさん入ってるから、これを食べてくれるのなら言うことはない。
ワルテルはいつもの倍以上の速さでご飯を完食した。

擂り鉢にこびりついたアーモンドは、擂り鉢に水を注いでそれをソーラに与えてみた。
いつもスープたっぷりのご飯を食べているソーラは、普段はあまり水を飲まない。だが、アーモンド水はがぶがぶ飲んだ。がぶがぶがぶがぶがぶっ!!
そうかそうか、みんなアーモンドが好きか。
よし。アーモンドを粉末にするの重労働だけど、父ちゃん、頑張るぞー!!
と気合いが入りまくったのだが、今朝、ワルテルはアーモンド入りのご飯を、父ちゃんの手皿でしか食べなかった(涙)。
飽きるのが早くねーか、ワルテル?
- 2012/10/04(木)
10:56:19|
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ついこの前、稲穂が黄金色に輝きだしたなあと思ったばかりなのに、もう稲の刈り取りがはじまっている。
夏が長すぎたせいで、夏から秋への微妙な変化が省かれた感じだ。
ほんとにもう、いきなり秋がやって来た。一晩寝て起きたらもう秋だった。そんな感じだ。


満月と台風を乗り切ってほっとしたのも束の間、「次は日食に備えないとね」と先生が言う。
なに言ってんの、先生? 日食はずっと前に終わったでそ?
そう。今年、日本で日食が見られることはもうない。しかし、11月にオーストラリアで皆既日食が見られるのだ。日本で見られなくても日食は日食。月やら太陽やらの引力や斥力が全地球に影響を与えることに変わりはない。
マジかよ~!!!!(涙)
というわけで、実りの秋。食欲の秋。
ワルテル、一杯食べて、体力回復しておかなきゃな!
- 2012/10/03(水)
09:43:18|
- 軽井沢 春夏秋冬
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昨日は台風一過の秋晴れ。
絵に描いたような青い空に、これまた絵に描いたような白い雲が浮かんでいた。
久々に気持ちのいい朝に、ソーラもうっきうき。
ここ数日の鬱憤を吹き飛ばすかのように駆け回っていた。

話は変わるが、先週、台風が来る前にとソーラを北軽の動物病院でシャンプーしてもらった。
その時、久々に院長先生にお会いした。
「ワルテル、その後どう?」
前もそうだったが、先生はおそるおそるといった感じで聞いてくる。
「寝たきりですけど、まだ元気ですよ」
「そうですか。そりゃ、あれだね。癌の進行は完全に止まってるね」
先生がぽつりと言ったその言葉がとても嬉しかった。
ご存じの方も多いだろうが、どんなにいいお医者さんでも、代替療法、自然療法と耳にするだけでまなじりをつり上げる。
あんなものは迷信だ、まやかしだ、なんちゃらかんちゃら。
それに反論したりするのもただ疲れるだけなので、北軽の先生には「食餌療法をしている」とだけしか伝えていない。北軽の先生が代替療法に対してどんな考え方を持っているのかなんて聞いたこともないのだけれど。
もうちっと、お互いがお互いの長所を認め合って協力してくれたら患者は選択肢も増えてもっと楽になるのにと思うのだが、それが実現するのはずっと先のことだろう。
閑話休題。
ともあれ、医者のポジティブな言葉は患者と家族を本当に楽にしてくれるなあと実感したのであった。
- 2012/10/02(火)
11:15:51|
- 軽井沢 春夏秋冬
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夕方から雨が降り出し、時間が経過するごとに風が強まり、どうなることかと戦々恐々としていた。
八時から九時にかけて、真っ暗な外で風の唸り、風にあおられて揺れる木々のきしむ音、それに凄まじい雨音が重なった。
しかし、十時を過ぎたぐらいから風雨がやみ、まるで何事もなかったかのような静かな夜が戻ってきた。
テレビの台風情報を確認すると、台風はすでに群馬に達していた。
台風の目に近すぎて、逆に酷いことにはならなかったのだろうか?

ワルテルは足のむくみ以外、問題はほとんどなかった。
いつもより爆睡している時間は長かったけれど、ご飯や水、それに寝返りを打たせてくれの催促をしたし、呼吸が乱れたりすることもなかった。
あ、夜の11時ごろ、大量にウンチをしたっけ。あれが満月と台風の影響かな。
今朝はまだご飯を食べていないが、昼頃むくりと起きだして、ご飯食べたいと鼻をぴーぴー鳴らすだろう。
父ちゃんと母ちゃんは今夜、飛騨高山から送られてきた飛騨牛のステーキと、ちょっといい赤ワインで満月と台風を乗り切ったことへのささやかな祝宴を開くつもりだ。
頑張ったな、ワルテル。
頑張ったよな、おれたち。

↑数日前に撮った写真。
柔らかく、暖かい夕日を浴びて、母ちゃんに撫で撫でしてもらって、ついうとうとモードに突入したワルテル。 病気だろうがなんだろうが、幸せそうだ。
幸せなのはいいことだ。
- 2012/10/01(月)
10:25:01|
- Dog
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