ワルテルと天使たちと小説家

ご機嫌斜め



 ワルテルは時折、ベッドの縁に顎を乗せる。
 体調が良くなってきて、ベッドからおりたいと訴えているのか。ソーラのように歩き回りたいと訴えているのか。

「どうした、ワルテル?」

 そう声をかけて顔を覗きこむと、その顔は実に不満たらたらだ。

12_1003_10.jpg

 そりゃそうだよな。一日中横になったまんまだもんな。動き回りたいよな。

 自分の力で立ち上がれなくなった当初、ワルテルはよく「ぼくの身体どうしちゃったの?」という顔で父ちゃんを見た。
 動きたいのに、歩きたいのに、パトロールに行きたいのに、身体が動かないんだ。

 あの時のワルテルの顔を見るのは本当に辛かった。

 今はもうワルテルも自分の身体と折り合いをつけている。それでも、調子がいい時は寝ているのが退屈になるのだろう。

 こんな時は、父ちゃん、ベッドのそばに腰を下ろしてマッサージをしてやる。
 立てるようになーれ、歩けるようになーれと呪文を唱えながら。

 そのうち、ワルテルは眠りにつく。

 起きたらまた同じことの繰り返しなのだが、水を飲むときとご飯を食べるとき以外、ずーっと寝ているのよりはよっぽどいい。

12_1003_12.jpg



  1. 2012/10/05(金) 10:38:57|
  2. Dog
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:11

カレンダー

09 | 2012/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

プロフィール

軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

walterb

Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する