ワルテルと天使たちと小説家

群れの肖像



 仕事その他のことを考えると、ソーラを犬舎に預けに行くのは日帰りで、と思っていた。

 ところが、そこへ京丹波の質美という集落で家具工房を営んでいる例のフルール家から連絡があった。

「馳さん、うちら、ちょっと静岡方面に納品があって、土日で犬舎に泊めてもらうことになってるんです。その時来ませんか? たこ焼き焼きまっせ」

 うーん。
 どうしようか悩んでいたら、追い打ちが来た。

「できれば、馳さんに家族写真撮ってもらいたいんですけど」

 そうか。そういうことなら、泊まりがけで行ってこよう。

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 我が家にもたくさんの家族写真がある。
 コンすけが撮ってくれたもの。プロで忙しいのに、わざわざ軽井沢まで来てばぐちんが撮ってくれたもの。
 それから、同じくプロの風景写真家、荻原兄弟が撮ってくれたもの。

 ワルテルが病気になったと聞いて、みんな、余計なことを言わずに写真を撮りに来てくれた。

 どれもこれも、コンすけが撮った写真だって我が家の宝物だ。
 瞬間を切り取った一枚の中に、無数の想い出が詰め込まれている。

 時折、家族写真を眺めながら涙ぐみ、想い出を写真として遺してくれた彼らに感謝する。

14_0707_5.jpeg

 だから、父ちゃんも、友達に求められたらできるだけ時間を作って家族写真を撮ってやりたいと思うのだ。

 この日、フルール家が犬舎に到着したのは6時半過ぎ。
 到着するやいなや、父ちゃんはフルール家を連れ出して犬舎の近くの湖畔に行った。

 どんどん暗くなっていく。
 時間がないのだ。
 早く撮るぞー!!

 それで、20分ぐらいシャッターを切りまくった。
 大輔と亜紀ちゃんは人生を満喫してて、いつも素敵な笑顔を浮かべているのでこっちから指示することはほとんどない。
 幸せな時間をそのまんま切り取ればいいのだ。
 


14_0707_6.jpeg

 父ちゃんが撮った写真の中から一枚選んで、家具工房の夏のお知らせ葉書に使うのだそうだ。

 なんにでも使ってくれ。
 父ちゃんはただ、フルール家のある日の夕方を切り取ってあげたかっただけだ。

 喜んでもらえればそれでいい。

14_0707_14.jpeg

  1. 2014/07/08(火) 08:59:32|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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