ワルテルと天使たちと小説家

本領発揮

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「軽井沢に行っても、ワルテルいないんだよね……」

 ある時、雪音がそう呟いたそうな。

 ワルテルにとって、雪音は明らかに特別な存在だった。
 雪音もそれを感じながら成長してきたはずだ。

 そのワルテルはもういない。
 威張ってがるがる言うことも、おれについて来いよと言わんばかりに雪音の前を歩くこともない。

 ワルテルが旅立ってから、雪音は軽井沢に来てもどこかつまらなさそうだった。
 アイセが来ても、心動かされた様子はなかった。

 そりゃそうだ。
 ワルテルにとっては特別だった雪音も、アイセにとってはその他大勢のひとりだ。
 つまらないに決まっている。

 しかし、アイセはもはや、完全に馳家の群れの一員として自分の居場所を得た。
 だから、雪音がやってくると、スーパー甘えん坊ぶりを遺憾なく発揮する。

 撫でて撫でて、ぼくを撫でて~♪

 スーパー甘えん坊は他人の気持ちなどおかまいなしに、ずんずんずんずん距離を詰めていく。

 先日、なにげなく目をやったら、アイセが雪音に身体を押しつけ、雪音が満更でもなさそうな顔でそんなアイセを撫でていた。

 ふふん♪

 アイセも可愛いだろう、雪音?


 翌日、浅間大滝に散歩に行ったら、雪音が破顔していた。
 あんな笑い顔見るの、久しぶりだった。

 スーパー甘えん坊にかかったら、みんな笑顔になるのだ。


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  1. 2014/07/31(木) 10:00:43|
  2. Dog
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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