ワルテルと天使たちと小説家

変わる男



 ソーラがいなくなって、アイセが変わりはじめた。

 まず、これまではいつも父ちゃんのそばにいたがった。父ちゃんが寝るために寝室に行くまでは常に父ちゃんと同じ場所──仕事部屋や居間にいた。
 それが今は、夜のシッコ散歩が終わるとそそくさと寝室に消えていく。
 まるでソーラみたいだ。
 ひとりになったから、もう、父ちゃんを独占しようと頑張る必要がなくなったということなんだろうか?

 問題は、ソーラとは違い、アイセが寝ていても全然ベッドが暖まっていないこと。
 冷たいんだよ、アイセ。なんでだ?

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 もうひとつの変化は先日のこと。
 同業の村山由佳と忘年会を行った。当初の予定では一次会で終了のつもりだったのだが、村山の「カラオケ行こう!」の一声に乗っかってしまった。
 まあ、車運転するのは酒を飲まない村山だし、彼女が行きたいってなら別にいいか。
 それで、女子3人に男ひとりのカラオケ大会がはじまり、気がつけば午前2時。
 東京に出た時を別にすれば、こんな時間まで飲んだのは何年ぶりだろうか。

 そして、アイセ。
 こんなに長時間の留守番ははじめてだ。
 どうせ、帰ったら嬉ションを大量にするんだろうなあ。チンコ巻きしておいて正解だった。

 そう思いながら村山に送ってもらって帰宅した。
 もう、アイセは半狂乱。

「父ちゃん、父ちゃん、なんですかなんですか、なんでこんなに長い間ぼくをひとりにするですかー!!!」

 はいはいはいはい。悪かった悪かった、父ちゃんと母ちゃんが悪かった。つい熱唱しすぎてしまったんだ、ゆるせアイセ、さあ、どうせ嬉ションしてるんだろうけど、もっかい外でシッコしてすっきりしよう。

 チンコ巻きを外したら……あれ?
 人間介護用の尿パッド、濡れてない。これっぽっちも濡れてない。

「アイセ、シッコ漏らさなかったのか?」

 念のため、家の中をチェックしてみたが、シッコを漏らした痕跡はどこにもなかった。
 アイセを外に連れ出すと、大量に放尿した。

「すげーじゃん、アイセ! シッコ漏らさなかったじゃん、やればできるじゃん!!!!」

 誉めて誉めて誉めまくってやると、アイセは満更でもなさそうな顔をした。

 なんだかんだ言ってソーラを頼ってたのかなあ。ソーラに甘えてたのかなあ。
 ひとりになって、いろいろ自覚が出てきたのだろうか。


 母ちゃんは今日、所用で東京に出かけた。
 今夜は父ちゃんとアイセ、男ふたりのクリスマスイブだ。
 いっちょまえになりつつあるご褒美に、クマさんの牛肉をたっぷり焼いてやろう。


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  1. 2014/12/24(水) 11:01:37|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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