ワルテルと天使たちと小説家

日だまりの夢



 京丹波の質美から戻ったら、夢を見た。

 首筋に無数の柔らかい感触があって我に返る。

 日だまりの中、しゃがんでいる父ちゃんに犬たちが身体を押しつけてきていた。

 マージにワルテルにソーラ。背中にも息遣いを感じるのはアイトールだろうか?

 犬たちの体温、体毛の感触があまりにリアルで、思わず涙ぐんでしまった。

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 質美っていいところね。

 マージが言った。

 気がよくて、わたし、大好き。

 そうか、おまえたちも質美に来てたのか。いいとこだろう? 父ちゃんと母ちゃんも、あそこ、大好きなんだ。

 マージは嬉しそうに笑った。


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 ワルテルが身体を押しつけてくる。
 父ちゃんはワルテルを撫でた。撫でながら語りかけた。

 ごめんな、ワルテル。おれ、牡犬はおまえだけでいいと思ってた。
 でも今は、アイセが可愛くてしょうがないんだ。

 ワルテルが顔を上げた。

 しょうがないよ。だって、あいつ、いいやつだもん。

 そっか、アイセはおまえも認めるほどいいやつなのか。



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 ソーラが笑っている。にっかにかに笑いながら、父ちゃんに語りかけてくる。

 こないだ、マイテがベッドの上でおしっこしちゃって、父さん、ものすごくマイテのこと叱ったの。

 うん。そうだった。

 マイテは身体が大きいけど、ああ見えてもまだ赤ちゃんなの。父さんが辛抱しないとだめなのっ!!

 そ、そうだな……マイテはまだ子供なんだよな。
 身体が大きいから、ついそのこと忘れちゃうんだ。父ちゃん、今後気をつける。



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 日だまりの中で犬たちに囲まれ、犬たちを撫でる。
 ずっとそうしていたい。

 そう思ったら、ワルテルがふんと鼻を鳴らした。

 いつまでも夢でぼくたちに会えると思わないでよね。
 父ちゃんは今じゃ、アイセとマイテの父ちゃんなんだから、自覚持ってしっかりやりなよ。

 なんだかワルテルらしくて、思わず笑ってしまった。


 夢ならいつまでも醒めないでくれと願ったが、やはりそれは夢で、目覚めると、アイセが父ちゃんの横で眠っていた。
 マイテがケージの中でぴーぴー鼻を鳴らしていた。

 おはよう、アイセ、マイテ。父ちゃんと母ちゃんの可愛い犬たち。
 今日はどこに散歩に行こうか?



  1. 2015/05/19(火) 08:28:25|
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

 冬が好きなのです。

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