
標高2600メートルを超えると、やっと雲の上。

標高2700メートルを超えると、「こんにちは」と言って、富士山が現れる。

標高3000メートル付近から見る、南アルプスの女王、仙丈ヶ岳。
ここまでは去年と同じ。
雲ひとつない晴天で、絶好の登山日和。大パノラマの眺望が楽しめた。
しかし、去年は、標高3000メートルに建つ肩ノ小屋という山小屋でラーメンを食べて腹ごしらえをしている間ににわかにガスが
湧いてきて、山頂につく頃には360度真っ白。なんにも見えない登頂ということに相成ってしまった。
今年も、肩ノ小屋に到着した時は腹ぺこ。
同行の作家仲間、樋口明雄氏と「どうする?」と目を見合わせた。
「今年もラーメン食いましょう。それで山頂が晴れてこそ、本当のリベンジじゃないっすか!!」
父ちゃん、そう言って、ラーメンを注文した。
しかぁし!!
素晴らしい好天だったというのに、またも、ラーメンを食べている間にあちこちからガスが湧き出したのだ。
大急ぎでラーメンを食べ、再び山頂に向かって急勾配を登りはじめる。
だが、ガスは下方からどんどん上昇して来るではないか。
ああ、今年もまた真っ白なのか、北岳山頂。
ラーメンなんか食べるんじゃなかった……
激しい後悔を胸に秘め、とにかく山頂へと急ぐ。

ガスの昇ってくる勢いは凄まじかったが、北岳は3193メートル。
その高さまでガスが昇ってくる前になんとか山頂に辿り着いた!!
空は青い。
富士山が見える。
上の写真は、ほぼ目で見たのと同じ大きさの富士山。
日本一高い場所から、すぐそこにある富士山を眺める。
最高だ~っ!!!
お約束の記念写真を撮り、しばらく山頂で刻一刻と姿を変える雲と富士山を飽きることなく眺めた。
20分も経ったころ、ようやくガスが山頂に到達して、辺りは真っ白になった。
我々より後に山頂に到達した登山者たちは、間に合った者、間に合わなかった者、悲喜こもごも。
実は父ちゃん、山の晴れ男。
でもって、樋口明雄氏は山のガス男。
去年はガス男が勝利したが、今年は晴れ男が僅差での勝利に雄叫びを上げたのだった。
リベンジが成ったことに満足しながら、300メートルほど下ったところに建つ北岳山荘を目指した。
山小屋ではお祝いの生ビール。それからワインにウィスキー。
へべれけになりながら、翌朝のご来光を待ったのだった。
- 2015/10/10(土)
09:07:51|
- 登山
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