ワルテルと天使たちと小説家

I rescued a human today

 ネットで素敵な詩を見つけた。

 犬の保護施設で、新しい飼い主と出会う犬の話を、犬の視点から綴ったものだ。
 これを読んで、父ちゃんは「その通り!」と思った。

 だけど、いろいろ検索してみたが、この詩を日本語に訳したものが酷い。
 犬の十戒もそうだけど、なんて堅苦しくて情のない文章にしてしまうんだろう。

 というわけで、締切地獄の現実逃避に、父ちゃんが訳をつけてみた。
 かなり大雑把な意訳だが、内容に修正は加えていない。

 まずは詩の原文。
 Janine Allenという人が作者だ。

Her eyes met mine as she walked down the corridor peering apprehensively into the kennels. I felt her need instantly and knew I had to help her.

I wagged my tail, not too exuberantly, so she wouldn’t be afraid. As she stopped at my kennel I blocked her view from a little accident I had in the back of my cage. I didn’t want her to know that I hadn’t been walked today. Sometimes the overworked shelter keepers get too busy and I didn’t want her to think poorly of them.

As she read my kennel card I hoped that she wouldn’t feel sad about my past. I only have the future to look forward to and want to make a difference in someone’s life.

She got down on her knees and made little kissy sounds at me. I shoved my shoulder and side of my head up against the bars to comfort her. Gentle fingertips caressed my neck; she was desperate for companionship. A tear fell down her cheek and I raised my paw to assure her that all would be well.

Soon my kennel door opened and her smile was so bright that I instantly jumped into her arms.

I would promise to keep her safe.
I would promise to always be by her side.
I would promise to do everything I could to see that radiant smile and sparkle in her eyes.

I was so fortunate that she came down my corridor. So many more are out there who haven’t walked the corridors. So many more to be saved. At least I could save one.

I rescued a human today.




 通路を不安げに歩いてくる彼女と目が合ったんだ。彼女がなにを求めてるのか、ぼくにはすぐわかったよ。そして、ぼくが彼女を助けてあげられるんだってこともね。

 彼女が驚かないよう、ぼくはそっと尻尾を振ったんだ。彼女がぼくの檻の前で立ち止まったとき、ぼくは身体を前に出して彼女の視界を塞いだよ。檻の奥にシッコをした跡があるんだ。今日は散歩させてもらえてないんだよね。シェルターで働く人たちは忙しすぎるんだよ。でも、彼女がそのことで彼らを責めたりするのも嫌だしね。

 彼女はぼくの檻の前に貼られているカードを読んだんだ。ぼくが昔人間にどんな目に遭わされたかを知って、悲しまないといいなって思ったね。だって、ぼくは過去を振り返らないし、過去とは違う人生を送るんだから。

 彼女は檻の前で膝をついて、ぼくにキスするみたいな音を立てたんだ。ぼくは身体を金網に押しつけたんだ。彼女を安心させてあげるためにね。金網の間から指を出して、彼女が優しくぼくの首を撫でたよ。彼女はだれかを必要としてた。だれかに触れたがってた。涙が彼女の頬を伝わってた。ぼくは前脚をあげて「大丈夫、いろんなことがうまくいくさ」って伝えてあげたんだ。

 そしたら、すぐに檻が開いて、ぼくは彼女の腕の中に飛び込んだ。

 約束するよ。ぼくは彼女を守る。
 約束するよ。いつだって彼女のそばにいるって。
 約束するよ。彼女が笑って目が輝くようなことばかりしてあげるって。

 彼女がここに来てよかったよ。だって、大勢の人間がここに来ることもなく、不幸せでいるんだ。みんな助けが必要なのにね。ぼくは今日、その中のひとりを助けたんだよ。

 そう、ぼくは今日、人間をひとり、レスキューしてあげたんだ。


 馳 星周訳




  1. 2013/03/04(月) 08:30:52|
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  4. | コメント:29
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コメント

馳さん、ありがとう・・・

母を介護したとき、二匹の猫が、私を支えてくれました。

夫を在宅で看取ったとき、二匹の犬が、いつも、私たちのそばにいてくれました。
義母を介護、看取ったときも、二匹が、私を癒してくれました。

そして、私が、立ち直ったことを確かめた後、老犬は、静かに旅立っていきました。

あの子達がいなければ、私は、つぶれていたと思います。

馳さん、ありがとう・・・

  1. 2013/03/04(月) 09:26:57 |
  2. URL |
  3. く~り #lu3YW49c
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ただ 涙が 頬をつたわりました。
  1. 2013/03/04(月) 09:31:14 |
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  3. 白桜 #WGv/JGO2
  4. [ 編集 ]

見ているうちに目がウルウルしました*
  1. 2013/03/04(月) 09:37:39 |
  2. URL |
  3. さやか #-
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ストレートに心に落ちてきました。そう、苦しい毎日を送りながらも、この愛おしい犬達のお蔭で、心の均衡を保っていられます。馳さん、ありがとう。
  1. 2013/03/04(月) 09:50:00 |
  2. URL |
  3. karen #-
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今日は哲学者

文章や写真で、毎回別世界のソーちゃんに会える
うわー とか ひゃーとか 黙っていられない
今日は おおーと言ったきり・・・
涙が飛び出てきてびっくりした。
 深く、つつむ、つつむ、想う・・・ 
よ・こ・が・お♡♡♡
  1. 2013/03/04(月) 10:02:30 |
  2. URL |
  3. 蝦夷の山犬 #LuCDMAqA
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困ったな。
涙が止まらないよ
  1. 2013/03/04(月) 10:36:39 |
  2. URL |
  3. ブレンダ #-
  4. [ 編集 ]

素敵な訳をありがとうございます

この詩の子はうちのソアラです。
助けてもらった彼女はまさに私です。

昨年4月にネグレクトで酷い状(マダニだらけ、痩せて生命の危機もあった)のソアラをネットで見つけてうちの家族になりました。
初めは私たちがソアラを助けたと思ってましたが実は私がソアラに助けてもらったのを実感する今日この頃です。

犬を家族と考えたとき
シェルター(保護施設)や行政施設、個人ボランティアさんから迎えるのが当たり前になる日本になってほしいです。
  1. 2013/03/04(月) 11:15:02 |
  2. URL |
  3. エリーママ #O0g1.6M6
  4. [ 編集 ]

沢山のペットブログがあり、それを見る度に、それぞれに運命や奇跡の出会いが在るのだなと思います。そして、その人にはこの子でなければならない理由があると…お互いに与えあえるきっとそんな出会いが今日もどこかであるのでしょうね。
  1. 2013/03/04(月) 11:25:39 |
  2. URL |
  3. よしぞお #-
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昼休みに、泣けました。
会社なのに…
他の人に気づかれないように。

訳してくれて、紹介してくれて、
ありがとうございます。
  1. 2013/03/04(月) 12:37:04 |
  2. URL |
  3. freeflight #mXhGQLiQ
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本当だ・・・あの子たちみんなが今の私を作ってくれた。
ささえてくれた。感謝!
  1. 2013/03/04(月) 13:01:52 |
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  3. おーじろう #-
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ただ、ただ、涙があふれて…
父さん、有難う。
私達に幸せを運んでくれる
この愛しい命に、感謝、です。
  1. 2013/03/04(月) 15:22:32 |
  2. URL |
  3. 勘太-モモのママ #0YcJaO/Q
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そう思ってくれると うれしい。

ニンゲンを見捨てないで欲しいです。
  1. 2013/03/04(月) 15:41:38 |
  2. URL |
  3. Keiko #lbyErxvE
  4. [ 編集 ]

そうか、助けてもらっていたのは私だよね。
18年前、学校帰りに拾った小さな小さな君にどれほどたくさん愛をもらい、たくさんの事を教わったことか。
いなくなってからいろんなことに気付くなんて、さみしいなぁ。
りんちゃん、ありがとう。

馳さん、いい詩を教えてくださってありがとうございます。
  1. 2013/03/04(月) 16:43:41 |
  2. URL |
  3. りんこ姉 #MgIxvhDQ
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人間が保護犬を助けた、なんておこがましい。
本当にそのとおりです。
私の方こそ、犬たちに救ってもらいました。

この詩が「犬の十戒」並にネットの海に広がりますように。
  1. 2013/03/04(月) 16:59:04 |
  2. URL |
  3. Santa #-
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感動!

いつも読み逃げでしたが、今日は気持ちを伝えずにはいられませんでした。

娘が愛犬を嫁入道具に結婚してから、我が家はワン不在1年4ヶ月。今aの生活はそれなりに幸せで、これ以上を求めたらバチが当たると思っていましたが、時々遠い目をしている自分がいます。

で、今日確信しました。私にはワンが必要だって。先生の訳素敵です。
こうして書いてる今もまた涙が.....

  1. 2013/03/04(月) 17:51:53 |
  2. URL |
  3. かりん #-
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  1. 2013/03/04(月) 17:52:40 |
  2. |
  3. #
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本当に、救われたのは私の方でした。
あの子をお世話することで、私は立ち直り、逆境に立ち向かう力を得ました。
今は、虹の橋で待っててもらえるように頑張ってます。
  1. 2013/03/04(月) 18:08:53 |
  2. URL |
  3. 犬飼い見習い #-
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あ〜、泣けました(T_T)

私は不妊治療をしてましたが、なかなか結果に結びつかず、現状を受け入れ諦める決心をしましたが、赤ちゃんを抱っこしてるママさんを見るとやっぱり•••。
でも、その頃可愛い2人の娘(わんちゃんですよ)が出来ると不思議なほどふっきれました。この子達は母ちゃんを癒すために我が家に来てくれたと思いました。
今は、三人姉妹♪大変ながらも楽しい毎日に、ありがとう
  1. 2013/03/04(月) 18:46:14 |
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  3. ゆ〜まん #E0/S7Zvo
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読ませて頂いているうちに、自然に涙が出て困りました。
無条件にいつも無償の愛を与えてくれる…何も見返りを求める事なく、いつも側に居てくれる…。
私は今居るバーニーが初めて飼った子で、虹の橋に送った経験がありません。
馳さんのブログを読んで、私もいつも『ジョイが虹の橋に旅立つ時に、最後にその目に映るのは、必ず母さんだからね。約束するよ』…と思っています。
  1. 2013/03/04(月) 23:35:16 |
  2. URL |
  3. ジョイママ #-
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うちの茶々丸も同じ思いだったと思います。
もっともっとかわいがります。

  1. 2013/03/05(火) 07:35:49 |
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  3. YUKARI #-
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いい詩ですね
幸せな内容なのに
涙が出ます
こんな風に全ての動物と人間が
ペアになれたらいいのに。。。
馳さんの優しさが伝わりました
  1. 2013/03/05(火) 09:17:48 |
  2. URL |
  3. マユミ #-
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 胸にしみる詩ですね。
職場なのに涙がじんわり。素晴らしい訳をありがとうございます。

  ソーラちゃんのリボンも素敵です。
  1. 2013/03/05(火) 09:51:36 |
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  3. ジージばば #-
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  1. 2013/03/05(火) 23:15:13 |
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  3. #
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  1. 2013/03/05(火) 23:29:25 |
  2. |
  3. #
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そう感じてたかも

はっきりとではないけれど、子供のころ子犬を拾ってきたとき助けてあげるという気持ちもあったけど、側にいてほしい気持ちだったなぁ。何頭も見送ってきた今もそうで、撫でているとき眺めているとき自分のストレスは軽減される。役目があって我が家に来てくれて、役目を終えて去っていく。そんな感じですね。すごく共感できる内容でした。
  1. 2013/03/07(木) 10:52:36 |
  2. URL |
  3. ベル #-
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馳さん、ありがとう

いつも楽しみに拝見してます。

馳さんの犬たちとの関わり合いを拝見しては、
同じ犬と暮らす者として、私は大丈夫かな、て確認と覚悟をさせていただいています。

すてきな訳、ありがとうございます。
ガンを患っても3年近くがんばってくれた先代のフレブルが虹の橋へいった後、
今一緒に暮らしている黒柴には、毎日「ありがとう」の言葉が自然にでます。

本当に、犬に助けられてばかりの日々です。
犬の十戒のほうも、ぜひ馳さん版がみられたらうれしいです!
  1. 2013/03/08(金) 12:35:20 |
  2. URL |
  3. 椿 #FpLGBAOE
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いつも読み逃げしてました。ごめんなさい。

いろいろあった今日の1日の終わりに、このページに来て良かったです。
馳さんありがとうございます。

おやすみなさい。
ソーラさんはどんな夢をみるのかな。。。
  1. 2013/03/09(土) 01:30:50 |
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  3. Nosuke #-
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  1. 2013/03/25(月) 19:23:31 |
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  1. 2013/03/27(水) 23:28:24 |
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軽井沢で犬とともに暮らしています。 Canon EOS 7Dが愛機。レンズはそこそこ。

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Author:walterb
 かつては夜の繁華街の住人。
 今は田舎暮らし。
 ネオンライトも雨上がりの森も、同様に愛す。

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